酒・たばこ18歳解禁を 自民特命委、選挙権年齢下げ踏まえ提言

産経新聞 2015年9月1日

自民党の成年年齢に関する特命委員会(委員長・今津寛元防衛副長官)は31日、改正公職選挙法の成立で選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられることを踏まえ、民法上の成人年齢を「18歳以上」に改め、飲酒、喫煙の解禁年齢も現行の「20歳」から「18歳」に引き下げるよう政府に求める方針を固めた。
少年法の適用年齢も「20歳未満」から「18歳未満」に引き下げ、国内の法制全体で「18歳以上を成人」と扱うことで統一を図る。近く特命委の会合で提言案をとりまとめ、菅義偉官房長官に提出する。
政府はこれまで、健康被害や非行防止の観点から飲酒や喫煙の年齢制限見直しには慎重な立場。4月に始まった特命委の議論でも、解禁年齢を18歳に引き下げれば高校3年生で飲酒、喫煙が許される生徒とそうでない生徒が併存するため、「学校内が混乱する」として否定的な意見もあった。
ただ、来夏の参院選から選挙権を18歳から行使できるようになるため、「飲酒、喫煙も18歳から責任を持てるようにした方がいい」と引き下げに賛同する意見が大半で、年齢制限の見直しが妥当と判断した。
特命委幹部は「高校に行かず、働いている人もいる。法律上は18歳に引き下げ、各学校の判断により校則で禁止すればいい」とする。
競馬や競輪などの公営競技についても、18歳から馬券などの購入を可能にするよう求める方針。
一方、民法の定める成人年齢については、法相の諮問機関、法制審議会が平成21年に「18歳に引き下げるのが適当」と答申し、政府に速やかな法改正を要請。このため、少年法については適用年齢を「18歳未満」に引き下げた上で、適用外となる18~19歳を「若年成人」(仮称)と位置付け、精神の成熟度などに応じて刑法を適用するかどうかを決めるなど、一定の保護策を導入するよう求める。
今年6月に成立した改正公選法は、選挙権を18歳以上に付与する一方、民法や少年法など関係法令の年齢規定について、「必要な法制上の措置を講ずる」と規定し、改正を促している。

飲酒・喫煙の年齢巡り高校生などから意見

NHKニュース 2015年8月26日

自民党の成人年齢に関する特命委員会は、酒を飲んだりたばこを吸ったりできる年齢を引き下げるべきかを巡って、高校生や大学生などから意見を聞き、出席した高校生などからは賛否両論が出されました。

自民党の特命委員会は、選挙権を得られる年齢が引き下げられて18歳以上となったのを受けて、成人年齢を20歳以上と定めている民法などの見直しを検討していて、26日は、酒を飲んだりたばこを吸ったりできる年齢も同様に引き下げるべきか、中学生や高校生、それに大学生から意見を聞きました。
この中では、「選挙権を得る年齢に合わせて18歳にそろえるべきだ」、「18歳、19歳は物事の分別がつく年齢であり、医学的な問題がなければ引き下げてもいい」などと賛成する意見が多く出されました。
一方で、「大学生になって、やっていいことといけないことが判断できるようになってきた。18歳と19歳の2年間は善悪の線引きを考える準備期間として必要だ」という反対意見も出されたほか、「高校を卒業するまでは一律に禁止すべきだ」という指摘が相次ぎました。
特命委員会は、出された意見も参考にして、酒を飲んだりたばこを吸ったりできる年齢を引き下げるべきかどうか、今の国会の会期中に政府への提言をまとめたい考えです。

図書館は子どもの「避難場所」になり得る? 子どもに本当に必要な環境とは何か

Mocosuku 2015年8月31日

「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい」
2学期のスタートを目前にした8月26日に投稿された神奈川・鎌倉市立図書館のツイートが、リツイート数10万件を超える反響を呼んでいます(8/31現在)。
しかし、鎌倉市教育委員会では、ツイート内にある「死ぬほどつらい」「死んじゃおうと思ったら」という表現に対して、「子どもの自殺を誘発するのではないか」という意見もあり、当該ツイートの削除も検討していたとのこと。こうした意見が出る背景には、多くの学校で2学期がはじまる9月1日には、18歳以下の自殺者がもっとも増加するというデータの存在があります。こうした事態を、根本から防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。

図書館の守秘義務とは?
学校でのさまざまな問題に悩み、死を選ぶぐらいなら、せめて図書館に「逃げこんできてほしい」という思いが込められた鎌倉市立図書館のツイートには、ネット上などで多くの賛同・感謝の声などがあがっていますが、図書館がこうした子どもたちにとっての「避難場所」になり得る理由として、「図書館の守秘義務」があげられます。
「図書館は利用者の秘密を守る」という基本原則は、日本図書館協会による「図書館の自由に関する宣言(1979年改訂)」で決議されており、図書館にとってはとても重要な事項です。そのため、テレビドラマや映画において「事実に反する描写」が見られた際には、日本図書館協会から抗議がおこなわれたケースもあります。
また、このような守秘義務があることから、図書館では、平日の昼間に小・中学生がひとりで館内にいたとしても、職員が学校や警察に連絡したりすることはないそうです。

子どもに必要な「居場所」とは?
冒頭の鎌倉市立図書館のツイートについては、賞賛や共感の声がある一方で、「不登校を助長する」という批判も一部では見られます。しかし、同じ不登校であっても、多くの蔵書がある図書館に行った場合、本を読むことで知識を吸収したり、学習をしたりして、他の場所で時間を潰すよりも、はるかに有意義な時間を過ごせる可能性があるのです。
近年では、ADHDや自閉症スペクトラムといった発達障害が原因で、授業についていけなかったり、学力に問題がなくても、集団行動が苦手で「学校に適応できない」といった子どものケースが問題となっています。こうした子どもたちに必要なのは、学校以外で「安心して過ごせる」居場所であり、「社会に出たときに生きていける能力」を身につけられる学習環境なのです。

我が子が学校に行かなくなったら
現在の日本の義務教育課程においては、不登校の子どもが学校外の施設(フリースクールなど)に通っている場合でも、一定の要件を満たしていれば、こうした施設で指導を受けた日数が「出席扱い」と認められて、小・中学校を無事に卒業できるケースもあります。
また、病気など何らかの事情で中学校に通えなかった人は、年に1回行われる「中学校卒業程度認定試験」を受けて合格すれば、中学校卒業程度以上の学力が認められて、高校入試を受ける資格が得られます。平成11年度からは、日本に住む外国籍の人でも試験を受けられるようになり、年齢超過のために日本の中学校に入れなかった、などという場合に活用されています。
さらに最近では、超党派の「フリースクール等議員連盟」と「夜間中学等義務教育拡充議員連盟」によって、家庭やフリースクールでの学習を義務教育課程での学習とみなし、認めようという動きも出てきています。

不登校の問題が深刻化する現代。その背景にあるものには、陰湿ないじめの問題も指摘されています。こうしたツイッターが話題となること自体、行き場を失った子供たちに、どのように「居場所」を、また「学びの場」を提供するか、ということが問われているといえるでしょう。

子どもシェルター 「命守る」施設 悩みは運営費

産経新聞 2015年9月1日

家庭内虐待などで行き場のない少女らが入る「子どもシェルター」。少女らは手厚い保護や自立に向けた支援を受ける一方、施設側は財政面の不安に頭を抱える。
京都府内の子どもシェルター「はるの家」に平成24年、毛布にくるまった中学生の少女が訪れた。母親から心理的虐待を受け続け、警察に保護された。
少女は警察が駆けつけた際、自宅の押し入れに毛布にくるまって閉じ籠もり、シェルターでも毛布で全身を隠し、一言も話さず個室にひきこもった。だが、シェルターを運営するNPO法人「子どもセンターののさん」理事長の安保千秋弁護士(京都弁護士会)は「3日後、昼食のうどんを汁まで飲み干し、この子は大丈夫だと思った」と振り返る。
少女は1週間後に毛布を取り、1カ月で会話できるまでに回復。虐待の影響で精神的な障害もあり、通院を始めた。5カ月後、少女はシェルターを出て児童養護施設に入所。その後、親族に引き取られた。
安保弁護士は「シェルターの目的は子供の命を守ること。子供にとってはエネルギーを蓄える場所だ」と指摘する。集団生活の児童養護施設と違い、自分の時間の中で「次のステップを考えられる」という。
ただ、悩ましいのが運営費の確保だ。シェルターは「児童自立援助ホーム」に位置づけられ、公費補助の対象だが、個別に対応するという施設の特徴から入居定員が限られ、大規模施設ほど補助金が得られない。全国のシェルターでも運営費は企業や個人の寄付に頼るのが実情だ。子どもシェルター全国ネットワーク会議(東京)事務局の石井花梨さんは「シェルターの公的制度化を国に求めたい」と話している。

性虐待の少女に居場所 大阪にも「子どもシェルター」 自立支援へ来春開設

産経新聞 2015年9月1日

家庭に居場所がない少女らを一時的に保護する民間施設「子どもシェルター」が来春、大阪府内に開設される。同様の施設は全国に約10カ所あるが、大阪では初めて。家庭内で性虐待を受けたり、非行を繰り返したりして帰宅できない少女らの「緊急避難先」としての役割を担う。弁護士らが中心になって運営し、少女らの自立を支援していく。
施設は「子どもセンターぬっく」。森本志磨子弁護士(大阪弁護士会)らでつくるNPO法人(申請中)が運営する。定員は6人。すべて個室で、入所期間は最大3カ月を想定している。詳細な場所は非公開だが、府内の一軒家を借りて整備する計画だ。
子どもシェルターは、虐待や貧困、非行などの事情で帰宅できない子供らに一時的な居場所を提供する施設。平成16年に東京で初めて開設され、現在は京都や岡山など10都道府県で11施設が稼働している。今後、大阪のほか、沖縄などでも開設の動きがある。
シェルターが広がる背景として、虐待を受けるなどした中高生の少女でも、児童養護施設に入所するのが容易ではないことが挙げられる。各地の児童養護施設は年少児の受け入れで定員に余裕がない上、素行面に問題があれば入所を拒否されるケースもあるからだ。
元児童相談所所長でNPO法人「児童虐待防止協会」(大阪)の津崎哲郎理事長は「より保護が必要な子ほど行き場がない。その結果、非行に走ったり、さらなる虐待を受けたりする」と指摘する。
森本弁護士によると、大阪のシェルターでは、入所者一人一人に担当弁護士を付け、親との親権交渉や新しい住居の契約などの手続きまで支援。退所後も生活が落ち着くまでは弁護士との関係を続けたいという。森本弁護士は「困ったときに信頼できる大人とつながっているメリットは大きい。その子が幸せに生きていけるきっかけになれば」と話している。

<厚労省>児童福祉司、国家資格に 増員など強化検討

毎日新聞 2015年9月1日

厚生労働省は「児童福祉司」の増員と、国家資格化の検討を始める。一線の職員の増員と専門性を高め、増え続ける児童虐待の対応強化を図る。併せて、児童相談所が担っている児童を保護する機能と親子を支援する機能を分け、それぞれを拡充する方策も検討する。近く開く同省専門委員会の報告書にも盛り込まれる方向。
児童福祉司は児童福祉法に基づき、都道府県や政令指定都市、一部中核市の児童相談所(児相)に配置され、児童虐待や非行について相談・指導にあたる。大学で心理学などを専攻し、福祉業務に1年以上従事するなどした児相の職員に資格がある。
全国の児相の2013年度の虐待対応件数は7万3802件で、1999年度の6.3倍と急増。一方、児童福祉司は13年度に2771人で、99年度に比べて2.3倍にとどまり、児相の対応は「パンク状態」とも言われる。また、児童福祉司の従事年数が10年を超える職員がいる大阪市などの自治体がある一方、2、3年で配置換えになる自治体もあり、地域格差も指摘されていた。
専門性を高めて格差解消を図るため、国家資格化を検討することになった。
国家資格には、介護福祉士のように現在は指定養成校を卒業すれば取得できるものがある一方、社会福祉士など国家試験を合格する必要がある職種もある。厚労省は今後、資格要件などについて専門委などで検討する方針。
また、虐待する親から子を保護する機能と家族を支援する児相の機能について、担当職員を分けたり、組織を分けたりして分担することで、対応強化を図ることも検討する。家庭支援については経験のある民間や市町村に一部委ねることも検討する。【野倉恵】

年賀はがき1等10万円=16年用、過去最高額―日本郵便

時事通信 2015年8月31日

日本郵便は31日、2016年用お年玉付き年賀はがきの1等賞品の現金を過去最高の10万円に引き上げると発表した。抽選は16年1月17日。魅力的な「お年玉」をそろえ、販売枚数の減少に歯止めをかけたい考えだ。
年賀はがきの賞品に現金が加わったのは、14年用が初めてで、14年用と15年用の1等賞品は1万円だった。日本郵便は、16年用の1等現金を10倍にする一方、当選確率を従来の「10万本に1本」から、「100万本に1本」と10分の1にする。1等は、現金のほか旅行、家電などから選ぶこともできるが、いずれも10万円相当の賞品にする。
年賀はがきの販売は、1999年用がピークの約42億枚となったが、15年用は約29億8000万枚まで減少した。
16年用年賀はがきは10月29日に発売し、約30億2000万枚を発行する。ふなっしーやスーパーマリオブラザーズなど11種類のキャラクターをデザインした年賀はがきを用意。パソコンやスマートフォンの専用サイトで注文できる新サービスも始める。