韓国の小学生は早熟?23%に異性との交際経験あり、「別れはつらい」「お金がかかる」と大人顔負けの意見―韓国メディア

Record China 2015年9月15日

2015年9月14日、韓国メディアによると、このほど発表された調査結果から、韓国の小学4~6年生の23%が「異性との交際経験がある」と回答していることが明らかになった。中国新聞社が伝えた。
調査を行ったのは、グローバルに活動している韓国の児童福祉団体・緑の傘子供財団。小学4~6年生115人を対象に調査したところ、「異性との交際経験がある」と回答した児童は27人(23%)。そのうち59%の児童は「親にその事実を知らせた」と回答した。異性との交際経験を知った親の反応は、「笑って取り合わなかった」(41%)、「喜んだ」(29%)、「信じなかった」(29%)だった。
小学生にとって異性との交際のメリットは、「互いに頼れる」、「一緒に遊べる」、「勉強にプラスになる」との回答があった一方、デメリットとしては、「別れることになったらつらい」、「お金がかかる」、「勉強にマイナスになる」などの回答があった。
異性との交際における身体の接触については、「手をつなぐ」(33%)、「肩を抱く」(22%)、「抱きしめる」(19%)となっており、「キスする」と回答した児童はいなかった。(翻訳・編集/岡田)

脳に「男女差」 違い学ぶ企業研修も

読売新聞(ヨミウリオンライン) 2015年9月15日

意思疎通のヒントに
脳科学を切り口に、男女の考え方や感じ方の違いを学ぶ企業研修が広がっている。女性社員が増える中、男性上司と女性部下の関係作りに生かそうという動きだ。ただ、脳には個人差があり、男性、女性と単純化できない点も当然ある。うのみにせず、コミュニケーションのヒントの一つととらえたい。
「プロとして仕事を遂行する上で男女差はないが、実は脳の違いから、感じ方や好みの対話などが異なるんです」と講師の吉居理奈子さんが話すと、企業の人事担当らの受講者15人がうなずいた。
8月上旬、企業研修などを手がけるテンプスタッフラーニングが開いた、「男女脳差理解によるダイバーシティ・コミュニケーション」と題する公開講座。その内容は、人工知能を研究してきた黒川伊保子さんと同社が共同開発したプログラムに基づく。
吉居さんによると、右脳は「感じる領域」、左脳は「言語領域」をつかさどる。女性型の脳は左右の脳をつなぐ神経の連絡がよく、感じたままをしゃべり、共感によって癒やしを得やすい。一方、男性型の脳は左右の脳の独立性が高く、連絡が少ないため、客観的で、自分の気持ちや体調、状況の変化などに左右されずに任務の遂行が可能という。
講座では、そうした違いから職場で起こりがちな男女間の認識のズレを紹介。違いを意識することで、関係が良くなると紹介する。
例えば、女性部下が男性上司に企画を提案する場面。女性型の脳は自分の直感を重視し、「これが最高です」と伝えがちだ。だが、男性型の脳では、一押しの提案に対し、「思いこみで客観性に欠ける」と低い評価を下してしまう。それを避けるには、複数の提案を示すとよいという。
同社のプログラムは、製造業や金融などを中心に約30社が利用。女性の採用や定着が進む中、男性上司と女性との認識のズレが、職場での課題になってきたと感じる企業が増えているためだ。
清水建設は4年前から、女性部下を初めて持った男性管理職向けの研修で、このプログラムを使い、男女の脳の違いについて説明している。「新人女性のことがよく分からない」「普通に話しただけで泣かれた」などと戸惑う男性側の声に応えた。これまでに約100人が受講した。
昨年、受講した東海林とうかいりん宏昭さん(40)は、「女性は経過を大事にし、男性は結論を求めると聞き、妙に納得した」と明かす。以前は、女性部下がトラブルの経緯などを長々と話すと、「結論から言って」と遮っていたが、研修後はきちんと話を聞くように心がけた。その結果、女性部下からの信頼感が高まったという。

偏った見方は禁物
製薬会社の日本イーライリリーでも、年配男性から「若い女性と話しにくい」といった声が上がり、昨年から営業担当の管理職向けに実施。リクルートホールディングスは今年、主に28歳前後の女性部下を持つ管理職向けの研修に医学博士を招き、ストレスに対する男女の感じ方の違いなどを聞いた。
ただ、こうした考えが行きすぎると、「女だから」「男ってやっぱり」などと、型にはめてしまいかねない。吉居さんも「偏った見方を持つのは、部下を管理する立場として問題。講座でも、バランス感覚を持って見てほしいと伝えている」と訴える。
諏訪東京理科大教授の篠原菊紀さん(脳科学)は「この20年で解析や研究が進み、男女で脳の形や使い方に違いがあることが分かってきた。脳の違いを知っていれば、コミュニケーションのヒントとなり、損はしない」と説明する。
一方で、「脳には個人差があり、男性でも女性型の脳、女性でも男性型の脳を持つ人もいる。また、脳の違いが男女の考え方や好みの差を本当に生んでいるのかは誰にも分からない。『女性、イコール女性型の脳』と単純に考えるのは危険だ」と注意を促す。(板東玲子)

会話のズレ問題点と対策
男女の脳の違いから来るコミュニケーションのズレは、ほかにもある。黒川さんの監修資料などを基に、問題点と対策をまとめた。
【ケース1・妊娠の報告】
女性部下「妊娠しました」
男性上司「いつから休むの?」
共感よりも問題解決を優先しがちな男性型の脳は、「おめでとう」「よかったね」などの言葉が出にくい。共感を大事にする女性型の脳は妊娠を祝福されていないと受け止めてしまう。気をつけよう。

【ケース2・相談】
女性部下「課長、例の案件、部長に伝えたらOKだそうです」
男性上司「そういうことは私を通すように」
臨機応変な女性型の脳は、肩書を越えての提案に抵抗がない。一方、男性型の脳は秩序を重んじ、こうした提案や発言があると、結果がよくても不快に感じる。組織の秩序を乱す行為ととられやすいので注意を。

コインランドリー、女性の利用者増加

読売新聞(ヨミウリオンライン) 2015年9月15日

大型乾燥機で時間短縮
コインランドリーが様変わりしている。数は年々増え、一人暮らしの男子学生らだけでなく、子育て中の母親や働く女性も足を運ぶようになった。一方で、利用法などを巡るトラブルも絶えない。
千葉市内で家族5人で暮らす主婦(36)は今年6月から、近くのコインランドリーを使っている。小学生と幼稚園児の子どもが3人いて、自宅で1日2回洗濯するが、雨の日は乾燥機を使っても乾かすのに数時間かかる。主婦仲間から「コインランドリーの乾燥機が便利」と聞き、使い始めた。大型で高性能なため、30分程度で乾く。「同じ悩みを持つ友人に勧めています」
主婦が使っているのは、3月にオープンした「ランドリー専科蘇我店」。併設されたクリーニング店の女性スタッフが掃除をしたり、容量の違う洗濯機や乾燥機のどれを使うのが効率的かなどを助言したりする。運営会社・ユーゴー(茨城)経営企画室の本山和彦さんは「スタッフがいるため、安心して入れる。利用者のほとんどが女性」と話す。同様の併設店を関東で他に8店展開する。
厚生労働省によると、コインランドリーの数は年々増え、2013年度には全国で1万6693か所=グラフ=。1990年代までは主に都市部で銭湯や商店街などに設置され、男子学生や単身の会社員らが使っていた。今は、郊外に容量が20~30キロ台の大型の洗濯機や乾燥機を備えた店が増え、育児やパートで忙しい主婦や、共働きの女性が利用する例が目立つ。
家電メーカー・ハイアールアジア(東京)の昨年の調査では、利用経験者の4割は女性で、その4割近くは専業主婦だった。「洗濯や乾燥の時間が短縮できるほか、毛布や布団などの大物を安価に洗える点も支持されている」と同社。
働いているため、夜に洗濯する女性が、自宅の洗濯機の音が近隣に迷惑だと、利用する例もある。室内干しによる生乾きの臭いを嫌う傾向も利用を後押しする。
神戸市内に3か所ある「ほっと倶楽部」は女性限定の会員制。スタッフが常駐し、休憩スペースや子どもが遊べるスペースがある。年会費は500円。知り合いになった利用者が、食事を持ち寄って洗濯中に食べることも。「昔は井戸端に集まって洗濯した。同様に自然に会話が弾んでいる」と運営会社。
コンサルタント会社「商い創造研究所」(東京)代表の松本大地さんは「今後は機能性や安さだけでなく、交流といった付加価値のあるものが増えるのではないか」と指摘する。

機械が動かない、盗まれた…トラブルも
一方で、トラブルも後を絶たない。全国の消費生活センターに寄せられる相談は2010年度以降、年間120~150件。料金を洗濯機や乾燥機に入れたが動かず、金も戻ってこないといった相談のほか、脱水や乾燥が不十分、衣類が縮んだり変色したりした、衣類を盗まれたという例もある。使っていた乾燥機が故障し、修理代を請求されたといった相談も。
業者で作る全国コインランドリー連合会によると、洗濯機や乾燥機に洗濯物を入れたまま長時間離れているため、終了しても次の利用者が使えないといった苦情もあるという。

洗濯のコツを教える洗濯アドバイザー、中村祐一さんの話
コインランドリーは、家庭の洗濯機、クリーニング店に次ぐ第3の選択肢になりつつある。補完的に利用することで、生活に不可欠な洗濯を充実させられる。
例えば、ランドリーにはスニーカー専用の洗濯機がある。クリーニング店は、料金は高めで日数がかかるが、自宅まで取りに来たり、洗濯物ごとに専用の洗い方をしたりする利点がある。家計や時間的な余裕を考え、使い分けたい。

1970年代以降、都市部で普及
全国コインランドリー連合会によると、国内初の本格的なコインランドリーは1963年、東京都北区の団地にできた。洗濯機4台と乾燥機8台だった。70年代以降、独身者が多い都市部で普及した。

取材を終えて…男性にも使いやすい店に
我が家では朝、記者が洗濯することが多い。雨が続いた7月、自宅近くのコインランドリーで乾燥機を使った。20年ぶりのことで、きれいな店に驚いたのが取材のきっかけだ。
「男性が長居をすると、女性が入りにくいので、いい椅子は置かない」という関係者もいた。店作りの徹底ぶりに感心した一方、男性も家事を担う時代、使いにくい店にならないでほしいとも思う。(西内高志)

現代人の睡眠を妨げる覚醒物質「オレキシン」とは?

@DIME 2015年9月16日

なかなか寝付けない、夜中に何度も起きてしまう、眠ったはずなのにぐっすりと眠った感じがしないなど、生活習慣やストレスなどで、睡眠に関する悩みを持っている人も多い。ただし、すべてが「不眠症」というわけではなく、日中に眠れないことによって、何かしらの弊害が出たときに、治療を要する「不眠症」として扱うことになる。
日本睡眠学会の定義によると、寝つきの悪い「入眠障害」、夜中に目が覚めてしまう「中途覚醒」、きちんと寝ているのに熟睡感が得られない「熟眠障害」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」のいずれかの症状が、週2回以上かつ1か月以上続いて、苦痛を感じたり、仕事などの社会生活に影響が出ているケースを「不眠症」と呼んでいる。
厚生労働省の「睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン」(2014年7月改訂)によれば、日本において、睡眠の質の低下や、なんらかの不眠症状に悩む人は成人の30%以上に上るといわれており、先に挙げた4つの「不眠症」の定義に当てはまる不眠症人口は、成人の6~10%にも上るともいわれている。
不眠症で治療を行うときは、専門医の指導のもと、睡眠衛生指導や薬物療法が行われるが、今まで処方されていた睡眠薬の多くは「GABA受容体アゴニスト」タイプだ。GABAは脳内に広く分布する抑制性の神経伝達物質で、さまざまな神経の活動を抑制することで眠りをもたらす。いわば“脳全体をシャットダウンする”タイプの薬だ。
2010年に登場し、一般でもよく知られるようになったのが「メラトニン受容体アゴニスト」。メラトニンは脳内の体内時計によって分泌が調整されているホルモンで、夕方から分泌が始まり、真夜中に血中濃度が最も高くなり、朝になると分泌が止まる。メラトニンの分泌によって脳の活動は抑制され、分泌から1~2時間で自然な眠気が生じる。「メラトニン受容体アゴニスト」は、メラトニンの受容体に結合して、睡眠や、覚醒のリズムを整える薬だ。
睡眠を改善したいと思っていても、依存性や乱用への危惧、翌日にも影響があるのではなど、睡眠薬に対する心理的な抵抗感がある人も多い。実際に今までメジャーとされてきた「GABA受容体アゴニスト」タイプの薬は、睡眠覚醒だけでなく、脳内の認知機能や運動機能までも低下させてしまうこともあり、副作用として物忘れが起きてしまったり、夜中に起きたとき、つまずきや転倒してしまうというリスクが、とくに薬の代謝や排せつ機能が低下している高齢者にはある。
薬で無理やり眠らされた感じではなく、自然にしかも深い眠りが得られて、副作用の心配が極力ないというものが理想の睡眠薬といえる。昨年の11月に世界で初めて日本で発売された「ベルソムラ」(一般名:スボレキサント)は、睡眠と覚醒のメカニズムからひも解き、従来の睡眠薬とは全く違う作用機序を持つ薬として、医療現場でも注目を浴びている。
脳には、覚醒に関わる脳神経細胞のネットワークである「覚醒システム」と、睡眠に関わる脳神経細胞のネットワークである「睡眠システム」があり、互いに抑制し合っている2つのシステムがバランスよく働くことによって、睡眠と覚醒が調整されていることが、近年の研究で判明した。
通常、眠るときは覚醒システムの働きが弱まり、睡眠システムが優位になることで眠くなる。不眠症では、夜になっても覚醒システムの働きが弱まらないために不眠が生じる。覚醒システムに大きく関わる「オレキシン」という神経伝達物質に働きかける新しい考え方の睡眠薬が「ベルソムラ」だ。
オレキシンは、直接、睡眠と覚醒に関わっている物質で、日本人の柳沢正史さん(現・筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構長)と、櫻井武さん(現・金沢大学医薬保健研究域医学系教授)によって1996年に発見されて、1998年に発表された。
子どものころ、遠足の前夜になかなか寝られなかったり、大事なプレゼンの前日は緊張して眠れないというような経験をしたことはないだろうか。興奮していたり、感情が揺さぶられたときに脳の覚醒をつかさどるオレキシンが分泌される。「ベルソムラ」はオレキシンの作用をブロックすることで脳の過剰な覚醒を抑制し、速やかな入眠効果と質の良い睡眠を維持する新たな睡眠薬として脚光を浴びている。

医療現場での「ベルソムラ」の反応や印象は?
「ベルソムラ」は不眠症治療薬なので、服用するには医師の処方が必要だ。治療現場で「ベルソムラ」を処方している、「睡眠総合ケアクリニック代々木」の中村真樹院長にお話を伺った。
Q・従来の睡眠薬と「ベルソムラ」の違いは?
A・従来の睡眠薬は脳の興奮を抑えて眠りに導くものだが、ベルソムラは起きている状態を維持するスイッチを切って眠りに誘導していくもの。
今まであった睡眠薬は、眠りを誘発するものに似た成分で、興奮を抑えて眠気を戻すというもの。心身のリラックス効果もあるため、筋肉までリラックスしてしまうので、薬がしっかり効いていると力が抜けやすくなり、夜中や朝に目覚めた時にふらつきや転倒が起こりやすいといわれている。
効果が持続する時間によって睡眠薬はいろいろな種類があるが、長く効くものを飲むと朝起きたときに眠気が残ってしまうとか、不安感を和らげる作用もあるので、薬が抜けたときや止めたときに、反動で不安感が出たり、依存しやすいと言われていたのが、今までの睡眠薬だった。
従来の睡眠薬は年配の方だと薬を分解する力が落ちてきているので、成人向けに出した量でも効き過ぎる場合もある。ベルソムラに関しては、不安感を抑える作用や筋肉をリラックスさせる作用はないと言われており、筋肉の力が抜けることによるふらつきなどの症状は、治験レベルの話だが、基本的に出ていない。
Q・「ベルソムラ」はどのタイプの不眠症により効果があるか?
A・不眠の症状は入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠感欠如の4つだが、今までの経験でいうと、入眠困難よりは、中途覚醒、熟眠感欠如に効果がある印象がある。
使った患者さんの意見では、従来の睡眠薬は「寝させられた」という印象があり、飲んで10~20分経つと、もわっと意識が遠のくような感じで、起きていたくてもだんだん吸い込まれていくような眠りになるという。寝つきが悪い人はその方がいいという人もいる。
しかし、ベルソムラを飲んでいる患者さんから、起きていようと思えば起きていられるという意見があった。11時ぐらいに寝ようとベルソムラを服用してベッドに入った後、メールのチェックをしても、なんとなく眠くなってはいるが、メールのチェックが終わるまでは起きていることが可能で、メールチェックを終えてスマホを置いたしばらく後、いつのまにか寝ていたと。自然な寝つきに近い感覚のようだ。
起きていようという意志があれば、オレキシンは分泌される。ベルソムラは「オレキシン受容体拮抗薬」と言われている通り、オレキシンとベルソムラは拮抗して作用するので、相対的にオレキシンの量が勝っていれば“起きていよう”という信号は伝わる。“寝ていい”という状態になったときは、オレキシンの量がすっと減ってきて、今度はベルソムラの量が相対的に増すので、ベルソムラがオレキシン受容体にふたをして、眠りに導くという、まさに自然の眠りそのものという印象を持っている。
いったんベルソムラがオレキシン受容体に結合すると、起きている状態を抑制させる作用が続いているので、途中で目も覚めないし、安定して眠れているので熟睡感が出てくるのではないかと思う。患者さんの中でも、途中で目を覚ましていた人の方が、改善効果があると感じた。
寝つきが悪い方で、入眠は時間をかければ眠れるが、途中で起きてしまうと後が眠れなくてきついという患者さんがいた。その方にベルソムラを処方したところ、飲んだその日からではないが、飲み続けるうちに途中で目が覚めなくなったということだった。
Q・服用すると昼間でも眠気を催したり、人工的にナルコレプシーを引き起こしたりする心配は?
A・「強烈な眠気=ナルコレプシー」のように一般では言われているが、実際のナルコレプシーは日本人では2000人に1人いるかどうかの珍しい症状で、オレキシンを分泌する神経細胞がほとんど無くなってしまうのが原因とされている。ナルコレプシーは眠気だけでなく、他にもいろいろな症状が出てくるので、眠気だけで診断するものではない。
もともとオレキシンを分泌している人なら、ベルソムラが外れたときにオレキシンが受容体にくっつくので、ナルコレプシーのような完全にオレキシンをブロックする、ゼロに近いような状態にはならないと言われている。
名古屋大学を含む日本の複数の研究機関と、アメリカのカリフォルニアにある研究所の共同研究で、オレキシンの神経細胞をどんどん壊して、どのくらい無くなったときにナルコレプシーの症状が出るかを調べた動物実験がある。
95%以上オレキシン神経細胞が死滅しない限りは、ナルコレプシーの症状は出ないという結果になった。オレキシンの分泌が生まれつき悪いという場合でもない限り、ベルソムラを飲んでも一時的に85%ぐらいまでしか落ちないと言われているので、ナルコレプシーの症状はまず出ないだろうと言われている。
ベルソムラの効果はおよそ7時間持続するように作られている。しかし日本人の睡眠時間は、文化的・社会的要因のために世界平均より短い場合が多く、普通のサラリーマンの方に飲ませると、寝起きが悪いという方もいて、人によっては朝残るという場合もある。また、他の睡眠薬の服用によって交通事故があったこともあり、ベルソムラも日中に車を運転する際には注意するようにされている。
睡眠薬は種類により作用する場所が違う。その中でも眠りと覚醒のバランスを取る一番の中枢に作用するオレキシンに作用する薬ということでベルソムラは注目されている。これは他の睡眠薬もそうだが、中にはあまり効果が出ない人もいるし、効果が7時間でデザインされているのに、午前中はずっと眠かったという人もいるし、個人差の範囲だがそういうケースもある。
Q・“睡眠薬は怖い”というイメージを持つ人も多く、睡眠の悩みがあってもクリニックに行かない人もいるが。
A・年齢と共に眠りのバランスは崩れてきて、40歳を過ぎると男女問わず、不眠の率は上がってくる。年齢が上がると、途中で目が覚めることが多く、それは眠りを維持する脳の機能が低下してくるため。
不眠と、不眠症というのは別物で、不眠症は病気で、不眠は症状名。本来の治療を要する不眠は、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠感欠如のいずれかがあることに加え、眠れないことによって、体の不調感や注意、集中力低下など日中に何かしらの弊害が出たときに、初めて治療を要する不眠症として扱うことになる。夜中に何度も目が覚めたり、早朝に目が覚めても、日中に影響がなければ治療する必要はないという考え方だ。しかし日中の活動に影響がなくても、不眠症状が辛いと感じるようなら、専門医に相談するのがいいと思う。
日本人は世界でもずば抜けて睡眠時間が短いが、アメリカで行われた睡眠時間と健康度の調査では、一番健康的で仕事のパフォーマンスが上がる睡眠時間は、大人でも7時間ほどは必要という結果だった。減っていくほど集中力や注意力がどんどん落ちてしまい、また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まるという。
眠りは脳だけでなく体も休めるという重要な役割がある。生活習慣とか、ストレスなど眠れない条件は人によっていろいろあるので、薬だけで治すのではなく、生活を見直すということも大切になってくる。

快眠を得るための日常生活のポイントは?
快眠を得るには、普段の生活でも寝る直前にはリラックスできていることが大切で、夜遅くまで脳を覚醒させ続けない生活が重要だ。
寝る直前までスマホやタブレットでインターネットやゲームをしたり、寝酒、カフェイン、喫煙も好ましくない。人間関係や職場や家庭の悩みといった心配事もオレキシンを活性化させてしまうので、まず自身の生活習慣を見直して、それでも眠れないという症状があれば、医師に相談して処方してもらうのがベストだろう。