妊娠中の喫煙で子の体重減=100グラム以上少なく―環境省調査

時事通信 2016年1月6日

妊娠中に喫煙していた母親から生まれた子は、たばこを吸ったことがない女性の子と比べ、出生時の体重が少ないことが6日、環境省が発表した調査結果で分かった。
男児は平均136.4グラム、女児は同124.5グラム軽く、いずれも3000グラムを下回っていた。
厚生労働省などが行った過去の調査でも同様の傾向が出ているが、環境省によると、今回は妊娠中の母親の病気などの影響を極力取り除き喫煙による直接的な影響を調べた点が特徴。
調査は、2011年末までに生まれた全国の9369人の赤ちゃんを対象に実施。喫煙経験のない母親から生まれた子の平均体重は男児が3096.2グラム、女児が3018.2グラムだったのに対し、たばこを吸い続けていた妊婦の子は男児2959.8グラム、女児2893.7グラムだった。
調査を行った山梨大大学院の鈴木孝太准教授は「軽い体重で生まれた場合、将来肥満になるリスクが高まるなど健康に影響する可能性がある」と指摘。「禁煙は親が子にやってあげられる最低限のこと」と述べ、妊婦らに喫煙を控えるよう訴えている。

家庭で虐待受けた障害者の13人中12人が女性 和歌山県

紀伊民報 2016年1月6日

和歌山県は、2014年度の県内の障害者虐待の状況を発表した。被虐待者は前年度より1人多い22人で、このうち家庭などでは13人、障害者福祉施設では9人だった。施設での虐待者は直接世話を担当する人だけでなく、設置者や施設長もいた。
厚生労働省が障害者虐待防止法に基づいて調査したうちの県内分。
家庭などでは被虐待者13人のうち女性12人、男性1人。前年度も12人中9人が女性、男性が3人と女性の割合が高い。これは女性の地位を低く考えている虐待者がいるためではないかという。障害種別では知的障害6人、身体障害3人、精神障害4人。身体的、経済的な虐待がいずれも7件と多く、心理的虐待は6件だった。
施設の虐待は5カ所であり、県はすべてに指導をした。被虐待者9人全員が知的障害で、うち6人が意思伝達や適切な行動を取るのが難しく、パニックになれば自傷したり暴れたりしてしまう行動障害。全国平均でも、施設での行動障害者の被虐待は25・7%を占める。行動障害の人を制止する際にいき過ぎて虐待につながるケースは全国的に問題になっているという。
県は引き続き、施設に対して啓発をしたり、研修をしたりして虐待防止に取り組むという。

生活保護世帯、163万世帯超える 過去最多

フジテレビ系(FNN) 2016年1月6日

生活保護を受けている世帯が、163万世帯を超え、過去最多となった。
厚生労働省によると、2015年10月の時点で生活保護を受けている世帯は、前の月より、2,723世帯増加し、163万2,321世帯と、過去最多を更新した。
およそ半数にあたる80万2,492世帯が、65歳以上の高齢者世帯で、母子世帯は、10万4,967世帯だった。
厚労省は、「年金などだけでは生活するのに足りない、1人暮らしの高齢者が増加していることが最大の要因」と分析している。.

一見フツ―でも、教師が「距離を置く子ども」の共通点4

プレジデント 2016年1月6日

無意識に「むごい教育」をする親
厚生労働省は、11月を「児童虐待防止推進月間」と定めています。これは、2004年(平成16年)11月に、児童虐待防止法が施行されたのがきっかけです。
児童虐待というと、強烈な語感があります。
「虐待」という言葉を辞書で引いてみます。「むごく取り扱うこと」「残酷な処遇」とあります。さらに「むごい」を調べてみると「見るにたえないほど悲惨であるさま」「思いやりがないさま」「無慈悲」とあります。
児童に対し、「虐待」を加えるということ。
どんな事情があっても、絶対に許されるべきことではありません。子どもは国の宝です。大切に育てられるべき存在です。
この記事を読んでいる方々は、教育に関心が高く、子どもを良く育てたいと願っているはずです。
しかし実は、そんな善良な家庭にも「虐待」とはいかなくても子どもをダメにする「むごい教育」が存在しているかもしれません。
ところで、逆に子どもを「大切」に育てるとは、どういうことでしょう。
先と同じく、複数の辞書で引いてみます。「大いに愛する」「きわめて重要」「丁寧に扱う」と言った意味です。「大事」とほぼ同義です。
大切だから、今を楽しく生きてもらいたい。大切だから、哀しませたくない。大切に思う我が子に対し、そう願うのは、至極当然です。
しかし、本当に子どもを大切に育てるという観点で見た時、どういったことが、本当に子どものためになるのでしょうか。

親が「大切に育てた子」を、なぜ教師は敬遠するか?
子どもにとっての社会の場である学校において、先生たちがつい指導を敬遠したくなるのは、どんな子どもかご存知ですか?

・乱暴者の子ども?
・学力の低い子ども?
・授業中に立ち歩いてしまうような落ち着かない子ども?

いえいえ、実はそうではありません。上記のような状態が見える子どもであっても、次のことに当てはまらなければ大丈夫です。
それが「注意を素直に聞けない子ども」です。具体的には、人に迷惑をかけるような明らかな悪いことに対して注意した時に、次のような態度をとる子どもです。

(1)言い訳をする
(2)ふてくされる
(3)泣く
(4)逆切れする

どれも、不適切な行為です。
注意した方も嫌な気分になりますが、問題はその後です。これらの態度を繰り返すうちに、やがて「注意されない子ども」になり、それがやがて「避けられる人」になります。
どうして、こんな子どもになってしまうのでしょう。それが、冒頭に挙げた「大切」に育てた結果なのです。
叱られすぎて可哀相な子どもは実際にいます。誰が見ても、虐待とわかるような叱られ方を親からされている子どもです。悪いことをしてしまった子どもに「お前なんて生まれてこなければよかった」というような言葉を浴びせたり、意識不明になるまで殴ったりといった、明らかな虐待行為については、「論外」ということで今回は考えません。

教師に敬遠される子どもの「育てられ方」
今回考えたいのは、密かに可哀相な結果になっている子どもたちです。
それが、「大切」に育てられた子どもたちです。具体的には、きちんと叱られないで育てられている子どもたちです。
悪いことをしたのに、叱られない子どもは、不幸です。子どもの善悪の判断基準は、親の教育によって決められます。一般的には、1歳半ぐらいから善悪の判断ができるようになるそうです。それ以前は、そもそも認識ができないため、叱っても無駄です。親が危険を取り除き、周りの方の迷惑にならないよう配慮するしかありません。
では、幼児期以降はどうか。叱るのは無駄ではありません。むしろ必要です。ところが、適切に注意を受けたり叱られたりしていないで育つ子どもは少なくありません。
それは、「むごい教育」の始まり。
覚悟を持って、子どもたちが本当に「大切」に育てていかれることを願っています。