措置児童の情報含むレセプトや連名簿などを紛失 – 岐阜県

Security NEXT 2016年8月1日

岐阜県は、健康福祉部障害福祉課において、措置児童397人分の個人情報が記載されたレセプトや福祉医療費請求書を紛失したと発表した。
所在がわからなくなっているのは、児童養護施設や障害児施設に入所させている措置児童に関するレセプトと、保険に加入している児童が受けた診療についてレセプトに代わって県に送付される福祉医療費請求書。
レセプトは188人分で、氏名や生年月日、性別、傷病名、診療内容などを記載。また福祉医療費請求書には、氏名や決定点数、決定金額など227人分が記載されていた。18人に関してはレセプトと福祉医療費請求書で重複しているという。
2015年3月から6月までの4カ月分、および同年7月から10月までの4カ月分をそれぞれ箱型フォルダーに入れて倉庫に保管していたが、7月20日に紛失していることに気が付いた。同県では対象となる児童の保護者へ、謝罪する書面を送付したという。

しあわせとは何か~ある女子格闘家の日々から考える~

Yahoo!ニュース 2016年7月29日

「今、全然しあわせじゃない」
最近、そんな悩みや不満の声を偶然、何人かから日替わりで聞いている。「買いたい物が買えない」「買いたい物を買いすぎて生活が立ち行かない」あるいは「姑にののしられた」「派遣先の上司とうまく行かず一刻も早く辞めたい」など。多くはお金と人にまつわる悩みだ。
うんうんと聞いているくらいしかできないのだが、聞いているうちに「では私は今、しあわせなのか? いや、そもそも“しあわせ”って何なんだ」と頭がこんがらがってきてしまった。
そんな折、女子格闘家・ライカの試合を観た。
7月24日、東京ディファ有明で開催されたMMA(総合格闘技)団体・パンクラスの大会で、ライカはパンクラス王者・中井りん(29)と対戦し、最終3ラウンド、中井のヒジ打ちでTKO負けを喫した。
「ライカは今、しあわせなのだろうか」
試合を観終わったあと、ふと頭に浮かんだ。
ライカは世界3階級制覇を果たすなど13年間、プロボクサーとして活躍してきたが、2013年8月の試合を最後にジムから引退勧告を受け、ボクシングのリングを下りた。だが、「挑戦し続けたい」との思いは消えず、翌年からはキックボクシングとMMAを新たな闘いの場としている。
柔道やレスリング未経験だけに、MMAで習得すべき動きや技は気が遠くなるほど多い。中井戦に敗れたことでMMA戦績は2勝4敗と、またひとつ黒星が先行した。ひとかどのファイターになるまでに10年かかるとも言われるMMAの世界だが、ライカは現在40歳。人並み以上に吸収して行かなければ、自身が満足する闘いができないままリングを後にするかもしれない。
ボクシングを辞める時、盛大な引退セレモニーをやろうという声もあった。引退後にジムを開くなら支援してもいいという人もいた。その道を選んでいたら、第二の人生は大きく変わっていたかもしれない。しかし、ライカはどちらも丁重に断った。
ライカが選び取った今の道は正しかったのか。ライカは今、しあわせなのか。
(C)斉藤英雄(C)斉藤英雄
どうにも気になって、試合から数日後、ライカに直接聞いてみた。
「しあわせ……。あんまり考えたことないな」
それがライカの第一声だった。
そして、しばらく「うーん」とか「そうだなあ」とつぶやいてから言った。
「今、格闘技をやらせてもらって、生きていることがしあわせかな。子どもの頃、やりたくてもできなかったことが、今やっとできている気がする」
ライカは3歳から18歳まで児童養護施設で暮らしている。施設を出たあとは短大に進み、資格を取って歯科衛生士となったが、あくまで生活のためであり「やりたいこと」ではなかった。
「好きなことを思いきりやることが、あの頃は夢だったんですよ。それが今やっと。いろんな人の応援で、やりたいことをして生きていることに、生かしてもらっていることに、しあわせを感じる。だから、勝たないといけないんですけどね」
では、今の部屋でも満足なのか。私は聞いた。
競技転向を契機に、ライカは横浜のロフト付き7畳の部屋から、新しいジムに近い都内の木造アパートに引っ越した。風呂なしの6畳で家賃は3万円。入居当初は天井裏を走り回るネズミの駆除に苦労した。どうせ見ないからとテレビも人に預けている。
「優先順位だと思うんです」とライカは答えた。
「自分は体のケアやトレーニングを大切にしているから、それ以外の余計なところにはかけたくない。部屋は寝られればいい。何がほしいとかやりたいとか、言ったらキリないしね」
それから、しばらく雑談をした。投票日の近い都知事選にも話が及び、私は「新しい都知事にやってほしいのは地震対策でしょう?」とライカに尋ねた。以前、ライカがこんなことを言っていたのを思い出したからだ。
「地震て、一瞬で何もかも、命もなくなってしまうことがある。やりたいことが急にできなくなる。それが怖いんです。自分はボクシングを長くやってきたけど、今まで頑張ってきたのに、本当はもっとやりたかったのに、怪我や病気で次の日にいきなりできなくなった人たちを見てきている。だから、その人たちの分までという訳じゃないけど、自分は明日、突然できなくなっても後悔しないように、格闘技を毎日やり切りたいんですよ」
都知事選にはあまり興味がないと言っていたライカだが、私が「地震」の一言を口にした途端、一も二もないという調子で答えた。
「そうですよ! 耐震の対策をしてほしいですよ。大きいのが来たらボロアパートが潰れちゃいますからね。こんなボロでも、今は自分のお城ですからね(笑)」

障害者施設の防犯対策、新たに作成へ 厚労省

朝日新聞デジタル 2016年8月1日

相模原市で起きた障害者施設での殺傷事件を受けて、厚生労働省は近く、福祉施設の防犯対策を新たに作成する方針を決めた。これまで不法侵入などを念頭においた対策はなかったため、「死角のないよう防犯カメラを設置することが望ましい」など具体例を例示することを検討。緊急時の警察との連携のあり方なども盛り込むという。
障害者施設のほか特別養護老人ホームなども対象に含める方向。ガイドライン(指針)としてまとめるか、自治体などへの通知にとどめるか、中身を検討した上で最終的に決定する。

最大の危険因子はたばこ煙 慢性閉塞性肺疾患

山陽新聞デジタル 2016年8月1日

岡山ろうさい病院(岡山市)呼吸器内科の渊本康子副部長に「慢性閉塞性肺疾患COPDの現状」をテーマに寄稿してもらった。
COPDとは、Chronic Obstructive Pulmonary Disease(慢性閉塞性肺疾患)の頭文字をとった名称です。COPDは、たばこ煙を主とする有害物質を長期に吸入ばく露することによって生じた肺の炎症性疾患と定義され、呼吸機能検査では正常に復することのない気流閉塞を示します。従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
肺気腫とは、たばこの煙や有害な物質を長期間にわたって吸い込むことで、肺胞の壁が徐々に壊れたり、肺胞壁が拡大したりして、次第に肺全体の機能が低下する病気です。慢性気管支炎は、気管支の表面にある粘液腺が肥大して粘液分泌が増加し、慢性的に気道が狭くなったり閉塞する病気です。
たばこ煙はCOPDの最大の危険因子であり、COPD患者の約90%には喫煙歴があります。その他の原因としては大気中の汚染物質、小児期の呼吸器感染症などの外因性因子と遺伝素因(α―アンチトリプシン欠損症)の内因性因子とがあります。
COPDによる全身性の影響(systemic effects)が併存症を誘発すると考えられます。COPDのsystemic effectsとして全身性炎症、栄養障害、骨格筋機能障害、心・血管疾患、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、抑うつ、糖尿病などがみられます。また、肺の合併症として喘息(ぜんそく)、肺がん、気腫合併肺線維症が挙げられます。特に肺がんのリスクは約5倍にも上昇するという報告もあります。
厚生労働省発表によると、2014年のCOPDによる死亡順位は全体で10位となっています。男女ともに高齢者の割合が高く、COPDによる総死亡数は将来さらに増加する傾向にあると予測されています。
COPDは、健康日本21(第2次)のなかで、循環器疾患、糖尿病と並び、主要な生活習慣病に位置づけられました。しかしながら、その認知度はまだ低い状態です。14年の厚生労働省患者調査によると、病院でCOPDと診断された患者数は、約26万人です。一方NICE study(Nippon COPD Epidemiology Study 2001年)の結果では、日本人のCOPD有病率は8・6%、40歳以上の約530万人、70歳以上では約210万人がCOPDに罹患していると考えられています。このなかで、正しく診断されて、適切な治療を受けている患者は10%にも達していないのが現状です。