実録・ほめる育児は間違いだった?

R25 2016年8月11日

“命にかかわること以外は怒ってはいけない”そんなほめる育児は、形を変え、今もなお育児本や育児雑誌の特集として、紙面をにぎわせている。「子どもは、親がほめることで自己肯定感を育みます!」そんな育児論が謳われる一方で、ほめられて育ち、叱られた経験が少ない子どもは、うまく社会に適合できないとされる向きも…。そこでここでは、“ほめる育児”を信じて子育てをしてきたママの実録を紹介。はたして、とことんほめる育児がもたらした結果は…?

ほめて育てたのに、なぜか自己肯定感が低い息子
「マニュアル女の私にとって、育児雑誌はバイブル。これに従って育児していれば、失敗はないと思っていました」そう語るのは、都内に住むAさん(43歳)。私立高校に通う高校1年生の1人息子・Bくんを持つお母さんだ。
人当たりも良く、社会性に富み、普段は元気に学校に通っているというBくん。だがその一方で、時として気分がふさぎ、朝から頭が痛い…などと言って学校を休むこともあるそうだ。
「1人っ子なので、祖父母や親せきからもかわいがられて、欲しいものは何でも買い与えましたし、育児雑誌を信用して、とにかく怒らないように“ほめる育児”を徹底して実践してきました。なわとびや鉄棒、お手伝い…ちょっとしたことでもほめるように心がけていましたし、息子も穏やかないい子だったので、自分の育児に自信はありましたね。スーパーなどで“ふざけるんじゃない!”と怒鳴りながら子どもの頭を殴るお母さんを見て“ひどいわ…”なんて思ったり。叱らなくてもこんなにいい子に育つのにって。ところが、小学生の頃は無邪気で良かったんですけど、思春期に入った中学3年あたりから、急にネガティブになってきたんです。学校で少しのミスを先生に指摘されたくらいで“自分はクズだ”“生きている価値がない”などとつぶやくようになって…。あれだけほめて大切に育ててきたにも関わらず、あまりにもネガティブで自己肯定感が低いので、どうしたものかと本気で悩んでいます」(Aさん 以下同)

Aさんの話によれば、「友だちに僕が好きなアニメの悪口を言われた」「先生に理不尽なことで怒られた」と些細な理由をつけては、1カ月に2、3度学校を休むことが多くなってきたという。
「1日休むと気持ちが切り替わるみたいなので、今は休ませていますが、このまま不登校にならないか…いつもビクビクしています。主人には“お前が甘やかせてばかりいるからこんなことになったんだ。何といっても学校に行かせなさい”と言われるし、やっぱり、“あまり叱らずにここまできてしまったことが原因で息子が打たれ弱くなってしまったのかな?”という思いはぬぐえませんね。この先、社会に出て、自立していかなければならないのに、就職してもきちんと仕事が勤まるのかどうか、不安でなりません。私の育児は間違っていたのか? 育児をもう一度やり直したい…そう思ってしまうこともあります」
はたして、ほめる育児は間違いなのか…。保育士おとーちゃんとして、子育てカウンセラーを務める須賀義一氏に聞いた。
「叱るばかりじゃなく、ほめることが大事なんですよ…という考え方自体は間違っていません。でも、ほめるということは必ずしも万能ではなく、結果をほめるだけではかえって自己肯定感を下げてしまうこともあります。ほめる時は、結果だけではなく、頑張ってきた過程をほめることが大切なのです。もっと言えば、お母様方には、ほめるよりも“認める子育て”をして欲しいと願います。子どもは、大好きな親に、ありのままの自分を認めてもらい、受け止めてもらうことで“自分はこのままでいいんだ”という自己肯定感が育まれていくのです。子どもが健やかに成長していくために一番大切なのは“認める子育て”であると私は考えます」

ほめる子育て改め、その子自身のありのままの存在を“認める子育て”を…。須賀氏いわく、思春期を迎えた今からでも十分間に合うとのことなので、今すぐ実践してみては?

児童相談所の運用指針 「一時保護ちゅうちょなく行うべき」へ

フジテレビ系(FNN) 2016年8月11日

「一時保護をちゅうちょなく行うべき」とする方針を固めた。
現在の児童相談所の指針では、一時保護について、「子どもや親の同意を得ることを原則とする」とされている。
厚生労働省は、10月からの運用指針を「子どもや親の同意を得ることが望ましい」としたうえで、「親の同意が得られない場合でも、子どもの安全確保に必要な場面であれば、一時保護をちゅうちょなく行うべきである」とする方針を固めた。
一時保護をめぐっては、2014年、神奈川・相模原市で、両親から虐待を受けた男子中学生が、児童相談所に一時保護を求めていたにもかかわらず、保護されずに、その後、自殺した問題が起きていた。.

防犯カメラなし56%…福祉施設が対策苦慮 費用や地域連携で難しさ

埼玉新聞 2016年8月11日

相模原市の知的障害者施設で入所者19人が刺殺された事件を受けて、埼玉県が県内41の社会福祉施設などを対象に調査を行ったところ、56%の施設で防犯カメラを設置していないことが分かった。防犯カメラ設置には費用面の課題のほか、過度な防犯が地域に開かれた施設に逆行しかねないという声もあり、施設の運営者は防犯対策に苦慮している。
県の調査は県内の障害者支援施設や特別養護老人ホーム、児童養護施設など入居施設1077施設のうち41施設を対象に7月28日から8月3日にかけて行われた。
調査結果によると、不審者の侵入に対応する危機管理マニュアルを作成していない施設は56%。警察の協力を得た防犯訓練を実施していないのは85%に上り、42%は緊急時に直ちに警察や消防などに通報できる体制を整備していなかった。一方、76%の施設が夜間の参集体制や非常連絡網を整備。88%が外灯(防犯ライト)を備え、83%が緊急時における利用者の避難経路を確認していた。
相模原事件を受けて、9日に県内社会福祉施設10団体の代表者などが集まった県の防犯対策検討会議では、「防災対策は積極的に取り組んできたが、防犯対策は不十分」との意見が多かった。
会議では、相模原事件の現場となった「津久井やまゆり園」と同様に知的障害者らが入居する「県立嵐山郷」(嵐山町)の担当者が防犯体制の現状を説明した上で、小川署との防犯訓練の実施、携帯型通報装置や防犯カメラ、さすまた、催涙スプレーなどの防犯用品の導入などの見直し案を示した。
会議で県が防犯カメラや電子錠、防犯ガラスなどの導入を検討すべき事項としたことに対し、出席者からは「膨大な費用がかかる」「県から補助などの支援は受けられるのか」など懸念する声も。マニュアル作成でも「施設側は地域との連携を大切にしてきたので、がんじがらめになるようなマニュアルにはしないでほしい」との意見があった。
会議に出席した障害者支援施設「江南愛の家」(熊谷市)施設長で、県発達障害福祉協会の長岡均会長は「各施設には今まで地域と積み上げてきたものがある。防犯を強化することで、地域との信頼が崩れてしまうのは寂しい。防犯はもちろん大事だが、地域に開かれた施設に逆行しかねない面もあり、本当に難しい問題」と話した。