小6息子が「アダルト動画」を検索していた…親がやるべき対応って?

弁護士ドットコム 2016年9月4日

小6の息子のタブレットにアダルト動画の検索履歴があり、ショックを受けたという女性が、子育て情報サイト「ママスタ」のBBSに相談を投稿しました(実際に寄せられた投稿はこちら→http://mamastar.jp/bbs/comment.do?topicId=2563911)。
投稿者によると、タブレットは息子が自分で購入したものとのこと。あらかじめ「抜き打ちでチェックする」と言ってあったため、ある日履歴をチェックをしたところ、「アダルト動画の検索履歴」が沢山出てきたそうです。
今回の出来事は、投稿者による抜き打ちチェックで発覚しましたが、そもそも、子どものタブレットを勝手にチェックすることは、法的に問題ないのでしょうか。また、どのような対応をするべきなのでしょうか。家族の法律問題に詳しい浮田美穂弁護士に聞きました。

「検索履歴をチェックすることは法的に問題ない」
子どもが携帯電話やタブレット、パソコンでインターネットを利用することが増えています。インターネット上には、子どもの成長にとって好ましくない情報も多く載せられていますので、そのような情報に触れさせないようにするのは親の監護義務でもあります。
平成20年に「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が制定されています。
その法律では、18歳に満たない者を「青少年」とし、青少年の保護者は、「インターネットにおいて青少年有害情報が多く流通していることを認識し」、教育方針やその青少年の発達段階に応じて、「インターネットの利用の状況を適切に把握するとともに、青少年有害情報フィルタリングソフトウェアの利用その他の方法によりインターネットの利用を適切に管理し、及びその青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得の促進に努めるものとする」とあります。
青少年有害情報の中には、わいせつ動画も含まれます。
息子さんの年齢を考えると、まだまだ未成熟な段階ですから、インターネットの利用状況を適切に把握するために、検索履歴をチェックすることは法的には問題はありません。むしろ、利用状況の把握に努めるべきだと思います。
また、検索履歴のチェック以前に、フィルタリングの利用によりわいせつ動画にアクセスできないようにしておくことが大事でしょう。携帯電話事業者のフィルタリングサービスもありますし、タブレットを使用する場合のフィルタリングサービスもありますので、お子様が適切にインターネットを利用できる環境を整えてあげて下さい。

「生活苦しい奴声上げろ!」貧困バッシングに怒る名古屋の若者たち

週刊SPA! 2016年9月3日

先月18日に放映されたNHKのニュース番組に登場した女子高校生へのバッシングがネット上で過熱した。経済的な理由から専門学校への進学を諦めた女子高生の部屋にアニメグッズがあったり、アーティストのライブに行ったりしていることが判明。その結果、「この女子高生は貧しくない」と批判する声が続出した。この「貧困バッシング」をきっかけに、貧困や貧困バッシングに関する記事が連日配信されている。
そして、先月28日、名古屋駅前で、最低賃金を時給1,500円にするよう求める若者のグループ「エキタス 東海」のメンバーらによって、「貧困叩きに抗議する名古屋駅前緊急大街宣」が行われた。27日、東京の中心部である新宿では若者ら400人や作家・雨宮処凛らが集結するなど盛り上がりをみせた「貧困叩きに抗議する新宿緊急デモ」だが、地方都市・名古屋の若者の「貧困バッシング」への関心はどうなのだろうか。
「にっぽんど真ん中祭り」開催中の名古屋駅前は人で溢れかえっていた。その人ごみに埋もれるように、「エキタス 東海」のメンバーら20名ほどがプラカードを持って立っている。プラカードには、「貧困バッシングを許さない」「生活苦しいヤツは声あげろ」「富の再分配」「守れ憲法25条」「最低賃金は¥1,500」「片山さつきは議員を辞めろ」「NO残業代ゼロ」と書かれていた。
主催者「エキタス 東海」メンバーによる街宣開始の挨拶を皮切りに、1人ずつ集団の前でマイクを使ったスピーチが始まる。トップバッターの31歳男性は、今回の貧困バッシングに対して、「ネット上での人権侵害が無視されている」と主張。さらに、NHKの番組に登場した女子高生に、「チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買える」とツイートした片山さつき国会議員へ、「分断をつくる政治家は政治家を辞めてもらいたい」と抗議した。
他にも、障害者施設で働く男性は、「『いいよね、障害者年金は高くて』とよく言われるが、障害者年金と障害者が働いてもらえる給料では、家賃代を引いたら、デートもできないお金しか残らない」と訴える。貧困家庭の学習支援をする男性は、「(貧困家庭の子供たちの)七夕イベントで、小学5年生の女の子が短冊に、『普通に生きたい』と書いていました。貧困家庭でも、裕福な家庭でも、子供が困っていたら助けてあげましょうよ」と声を上げた。今回の街宣を仕切っていた男子学生は、「お母さんはパートで、母子家庭。貧困でないわけがない!」と声を張り上げている。また、子ども食堂を立ち上げた男性が、「貧困であることを語るのがなぜバッシングされるのか?」と叫んでいた。
「貧困バッシング」へのそれぞれの想いを、名古屋の駅前を歩く大勢の人たちに計8人が投げかけていく。スピーチを交代する合間、ドラムの音とともに、「貧困叩きをやめろ!」というコールも鳴り響いた。しばらくすると、街宣の前で一瞬だけ歩みを止める若者がちらほら出だした。開始から約1時間、雨が降り始めた頃、緊急街宣は終わりを迎えた。
「エキタス東海」メンバー・佐藤氏(男性・大学生)は、「街宣にお金を使う資金や時間があるならバイトしろ」というネットの批判に、「僕はそれでいいかもしれないけど、子供とか孫とか友達はどうなるの? そこを考えていないのは許せない」と答える。佐藤氏は、「高校生時代、残業代がもらえないブラックバイトで働いていたが、バイト先に訴えてきちんとお金を払ってもらった。その経験から、『貧困問題』もしっかり言えば解決できる」と思ったそうだ。
厚生労働省によると、標準的世帯の可処分所得の半分(約122万円)未満で生活する人の割合を示す「相対的貧困率」(平成25年 国民生活基礎調査)は16.1%となっており、調査を重ねるごとに増加の一途を辿っている。貧困で苦しむ人がいなくなる日は来るのだろうか。 <取材・文/赤地則人>

治安的観点の保護観察制度に「断固反対」-日本精神神経学会が見解

医療介護CBニュース 2016年9月5日

日本精神神経学会の法委員会は、神奈川県相模原市の障害者支援施設の入所者殺傷事件に伴い、精神医療が「保安のための道具」になることを懸念する見解をホームページに掲載した。治安的な観点に基づく保護観察制度や強制通院制度の導入に「断固として反対」としている。【新井哉】
この殺傷事件については、厚生労働省が先月、検証・再発防止策検討チームを設置。事件の前に容疑者を入院させた「措置入院」の判断などを検証して課題を明らかにした上で、今秋にも再発防止策を取りまとめる方針を示している。
見解では、今回の事件によって精神保健福祉法が患者管理のための法律として強化されることを懸念。精神医療が特殊な医療に逆戻りすることや、精神障害者の差別が助長されることは「許されない」としている。
また、措置入院を含めた精神保健福祉法については「犯罪予防のためにあるのではないことを明確にしなければならない」と指摘。制度面で措置入院が解除されて数カ月後の犯罪を予測することまでは要求されていないことや、犯罪の予測は医学的に不可能なことを挙げ、「この事件が措置入院制度の不備によって起きたと断ずることはできない」と説明している。
措置入院の経験者についても「治安対策の対象者ではなく、地域社会の一員として平穏に生活する権利を持つ市民」と説明。「その支援策は治安的観点ではなく、医療による支援と住民福祉の考え方に基づいて講じられるべき」としている。