作家・石井光太が暴く「子ども殺し」の全貌――親はなぜ、愛するわが子を殺してしまうのか?

BOOKSTAND 2016年9月22日

2015年5月。神奈川県厚木市のアパートから、白骨化した幼児の遺体が見つかるというショッキングな事件が起こりました。殺人罪に問われたのは、被害にあった齋藤理玖君の父親、齋藤幸弘。家出をした母親の代わりに、育児と言うには程遠いやり方で理玖君の”世話”をしていた齋藤は、徐々に浮気相手との逢瀬を優先するようになり、アパートに理玖君を放置。死に至らしめ、7年間放置したまま、逃走しました。
このネグレクトが引き起こした「厚木市幼児餓死白骨化事件」をはじめ、嬰児を殺し遺体を天井裏や押し入れに隠した「下田市嬰児連続殺害事件」、3歳児をウサギ用ケージに監禁し死亡させた「足立区ウサギ用ケージ監禁虐待事件」という3つの悲惨な事件の真相を探ったのが、作家・石井光太さんによる『「鬼畜」の家 わが子を殺す親たち』です。家庭という密室で子どもたちはどのように殺されていったのか、そしてこうした痛ましい事件を葬り去るためにできることは何か。石井さんに話を聞きました。

これまでも世界の貧困地域やスラム街、東日本大震災の遺体安置所など、壮絶な現場を数多く取材されてきた石井さんですが、今回「子ども殺し」を執筆のテーマに選ばれた理由からお聞かせいただけますか。
テレビをつければ、子どもの虐待や殺害事件についての報道は週に1つは耳に入ってくる昨今、私たちはこうした悲惨な事件のニュースを”消費”するようになってきてしまっています。例えば、子どもの殺害事件が起きればネットニュースにポンと取り上げられて、1日、2日すればみんなその話題に触れなくなる。ニュースのコメント欄を見てみれば、「子どもを殺した親はなんて鬼畜なんだ。子どもと同じように殺してやれ!」といった書き込みが並びます。しかし、こうした報道や書き込みが繰り返されても、きっと同じような事件は起こってしまいますし、何の解決にもならない。ある統計によると、日本では1日一人の割合で子どもが殺されているという。同世代に生きる人間として、この問題には必ず向き合う必要があると思い、取材を始めました。

多くの事件の中でも、この3つにフォーカスされた理由は何ですか?
3つの事件は、被害者が子どもであるという共通点がありますが、それぞれの実態は異なります。もちろん家庭環境、経済状況の違いはありますが、例えば「厚木市幼児餓死白骨化事件」は育児放棄、つまりネグレクトが引き起こした事件です。一方「下田市嬰児連続殺害事件」は、子どもを産んだその日のうちに殺してしまう嬰児殺し、そして「足立区ウサギ用ケージ監禁虐待事件」は子供に対する身体的虐待によって子どもを殺しています。つまり、子どもが殺された経緯が全く違うのです。その経緯にひとつひとつ向き合うために、それぞれにおいて象徴的な事件を取り上げました。

この本の執筆にあたり、犯人だけでなく、その友人や親族のもとにも足を運んでいらっしゃいますよね。取材を通して、犯人たちの人間像はどのように浮かび上がってきましたか?
私も、当初はネットニュースにコメントをする人たちのように犯人たちのことを「ただの鬼畜だ」と思っていたんです。しかし、その認識は取材を重ねるにつれ改まっていきました。犯人たちは皆、彼らなりのやり方で育児をして、子どもを育てようと本気で思っていたんです。厚木市の事件でも、齋藤は出て行った妻の代わりに、理玖君にコンビニで買ったパン、おにぎり、ペットボトルの”食事セット”を与えていました。ゴミ屋敷と化した家の中でも、齋藤は理玖君に寄り添って寝ていたとも言います。もしも、自分が齋藤と同じ状況下で子どもを育てなければならなかったら、すぐに施設に預けているでしょう。少なくとも私にはあそこまでできない。だから、加害者の親たちが口を揃えて言う「愛していた、でも殺してしまった」という言葉は、ある意味で真実なんです。しかし、その「愛し方」「育て方」が根本から間違っていた。だからこそ、彼らは愛情を持って育てていたつもりでも、客観的にはネグレクトであって子供を死に至らしめてしまう。

そうした事実が見えてくると、取材を通して犯人たちに感情移入してしまうこともあったのではないでしょうか?
そうですね、彼らが「間違った愛情」を持ってしまった原因は、多くの場合その成育歴にあります。虐待家庭などに育ったことによって、普通の人が当たり前のように持っている「愛情」がねじれてしまう。そういう意味では、犯人を哀れに思う気持ちもありました。
ただし、だからと言って犯人を肯定することはできません。事件の結末として、子どもたちが死んでいるんです。被害にあった子どもの周りにいた兄弟たちも、きっと大きな傷を抱えて生きていくことになるでしょう。そう思うと、書きながらどれくらい犯人たちに共感してよいものなのか、子どもたちに寄った書き方をすべきなのか、その距離感をずっと考えながら筆を執っていました。

では、事件の背後に家庭の事情みたいなのはあるのでしょうか?
よく「虐待は連鎖する」と言われますが、私はそうは思わないんです。虐待を受けた子どもが、我が子にも手を挙げるかというと、必ずしもそうではないですからね。少なくとも「遺伝」はしない。ただし、傾向としては虐待を受けた子供は、大人になって虐待に走ることは少なくない。

それはなぜなんですか?
人の心は、例えれば「コップ」みたいなものです。人はそれぞれ、大なり小なりコップを持っています。けど、そこに水――虐待による精神的な負担――がどんどん注がれていくと、あふれてコップが倒れてしまうことがある。心が壊れるというのは、そういうことなんです。そして、その壊れ方の一つの形としてわが子への虐待がある。ただし、人によってコップの大きさも違えば、注がれる水の量も違うので、かならずしも虐待が連鎖するとはいえない。けど、虐待が虐待を生むという因果関係は否定できない。そういうことだと思います。

コップの大きい小さいという問題もあるんですね?
ありますね。たとえば、三人兄弟が同じような虐待を受けていても、心が壊れる子とそうでない子がいます。それはコップの大きさに起因するでしょう。この本に出てくる加害者たちも、かならずしも「ありえないぐらいの暴力」を受けてきたわけではありません。たとえば、齋藤幸裕の場合は、母親の統合失調症という問題があった。けど、同じように統合失調症の親を持つ子供はたくさんいるでしょう。全員が全員、齋藤幸裕みたいになるわけではない。彼の妻だってそう。ものすごいスパルタの家ではあったけど、暴力行為はありませんでした。ただし、そのスパルタが彼女にとっては暴力以上の精神的苦痛を与えていた。ここらへんはコップの大きさ、あるいは性質の違いでしょうね。だからこそ、虐待というものを相対的に考えることはできないのです。あくまで、その子にとって親の行為がどういう意味を持ったかということですから。一つひとつわけて考えていかなければなりません。

厚木市の事件の中でも、齋藤とその妻の共通の知人が「二人は子どもを産んではいけない夫婦だった」と語っていたのが印象的でした。
齋藤の夫婦は、その成育歴から子どもを育てる能力が完全に欠如していたんだと思います。僕はむしろ同じ知人が言っていた「夫婦は理玖君を愛していた。けど、子供がクワガタを愛するのと同じような愛し方でしかなかった」という言葉が印象的でした。子供がクワガタを買ってもらったら喜んで1週間は育てるけど、やがて飽きて放置して餓死させてしまう。でも、子供はかならず「かわいがっていた」と言う。それと同じことが、人間の子供に対しても起きてしまっているという。一般的な家庭では、どちらかが育児能力がなくても、もう一方がフォローできるような夫婦体制をとっているから家庭が成り立っているわけですが、齋藤の場合は違った。「愛」の概念がズレた二人が一緒になって、子供をネグレクトしてしまうのです。

ということは、齋藤の夫婦が子どもを産んでしまった以上、理玖君は悲惨な事件に巻き込まれることは必然だったのでしょうか。
そうとも言い切れません。例えば、齋藤幸裕はちゃんと会社に通って働いていて、手当ももらっていました。会社の上司が「お子さんは元気? 今度家族で遊びに行かない?」というコミュニケーションを取っていれば、異変に気づいたでしょう。そういう関わりがまったくなかった。それは彼のせいじゃなく、社会環境のせいです。下田の事件だって同じですね。(母親で加害者となった)高野愛はバイト先のファミレスで破水しています。それで家に帰って生んだ赤ちゃんを殺害してしまうのですが、普通ならば店長が「だいじょうぶか」と心配して病院に送っていくなり、救急車を呼ぶなりするでしょう。信じられないことに、そういうことが一切ない。バイトの仲間だって破水したのを知っているのに、家にお見舞いにすら行こうとしていません。みんながみんな、知らん顔してしまっている。だから、赤ん坊を育ててかわいがるということができない親が孤立して間違ったことをしてしまうのです。

二重にも三重にも異常な状況ですね。
率直に言って、子供を育てることができない親というのは、いつの時代にも存在すると思うんです。けど、そういう親だって子供を持つ。大切なのは、その時に周りがどうするかです。今は、みんな児童相談所などに責任を押しつけて知らんぷりをしている。けど、児童相談所が何から何までできるわけがないんです。プライベート空間にどこまで介入するかという問題だってある。だからこそ、そのプライベート空間で一緒に過ごしている周りの人たちが力にならなければならない。今の社会には、その周りの人たちのサポートが欠落している。齋藤幸裕の会社の人たち、高野愛のバイト先の人たちが典型的です。

加害者、その周囲の人々、それをとりまく町の環境、ひいてはこの国の社会構造……どこで境界線を引いていいのかわかりませんが、”社会が見放した人たち”が事件を起こしてしまったと感じてしまいます。そういう意味では、この社会に生きる我々全体が考え なければいけない問題なのかもしれませんね。
だからこそ、虐待について真正面から見ることが必要なのです。加害者を「鬼畜」と呼んで現実から目をそらしては、事件が減ることはありません。彼らがなぜ親としての責任が欠落した人間になったのか、そういう人間がどういうふうに子供と接しているのか、彼らに対して私たち一人ひとりがサポートできることは何なのか。それを考えて取り組んでいくことが、子供の命を救うことにつながるのです。この本がそうした一助となってくれればうれしいです。

赤ちゃんの30人に1人、外国人の親を持つ日本社会―進む多様化と今なお続く、いじめと差別

Yahoo!ニュース 2016年9月23日

30人に1人が外国人の親を持っている
2016年9月8日、厚生労働省の最新の人口動態統計が発表されました。それによると、2015年の一年間に日本国内で生まれた赤ちゃんは約102万人。そのうちの3.27%にあたる33,393人―30人に1人の赤ちゃんは両親またはどちらかの親が外国人でした(筆者調べ)。前年度と比べるとやや減少はしているものの、10年前の1995年にはその割合が2.6%であり、増加の傾向は続いています。
国内で毎年生まれる外国にルーツを持つ赤ちゃんたち。そして、2010年の時点で183万人(*1)以上いるとみられる外国にルーツを持つ子どもと若者たちの存在は、日本社会が「単一的」「画一的」とされた時代から、新たな一歩を踏み出していることの証左と言えるのではないでしょうか。
「ハーフタレント」ら外国にルーツを持つ著名人が次々とカミングアウト
最近よくメディアでは「ハーフタレント」や「外国人タレント」、「ハーフアスリート」の方々の活躍を目にするようになりました。彼らの中にも、日本で生まれ育ったりごく幼いころに来日して日本国内で育ってきた方々は少なくありません。
その活躍に比例するように、過去のいじめや差別を受けた体験のカミングアウトも注目を集めるようになりました。最近では、ミス・ユニバース日本代表の宮本エリアナさんを皮切りに、ざわちんさん、ミス・ワールドに日本代表として選ばれた吉川プリアンカさん、モデルのラブリさんなど、さまざまな方が過去に経験してきた「いじめ」について言及されていて、初めて「ハーフ」や外国にルーツを持つ子どもたちの苦しみを知った、と言う方もおられるのではないでしょうか。
中には過去のつらかった体験を「笑い」として語っている芸人さんやタレントさんも。こうした「外国にルーツを持つ”元子ども”」である方々の告白やアクションにより、現在進行形で道が切り拓かれていっており、少しずつ変化の兆しを感じます。

子どもたちに対する差別といじめは今なお続く
一方で、現場で出会う子どもたちは、学校をはじめとする日本社会でいじめや差別を経験していることが少なくありません。
外国出身者の父と母の間に、日本で生まれたAさん。外国籍ではありますが、日本で育ち、自らのルーツのある国には一度も行ったことがありません。最も自由に話したり読み書きができる言葉は母語ではなく、日本語です。日本の保育園、公立小学校、公立中学校と進み、スポーツが好きで、休日も部活に励むどこにでもいる中学生です。
中学に入学した後、先輩から「ガイジン」であることを理由にいじめを受けました。「自分の国帰れ」、「税金勝手につかってんじゃねーよ」と言われ、自らのアイデンティティについて深く悩むようになったと言います。
彼のように「自分の国に帰れ」と言われるのはよくあることで、このほかにも肌の色を「汚い」と言われたり、外国出身の自分の親のことを馬鹿にされたり、と、「ハーフタレント」や「外国人タレント」のみなさんが告白した彼らの経験とまったく同じようなことが今なお繰り返されています。そしてそれは、子どもたちに限らず、主にインターネット上で日本社会の大人の間にすら見られることには、強い憤りを感じざるを得ません。

「いじめが怖くて学校に行かせられない」
外国にルーツを持つ子どもたちの保護者は、我が子が日本の学校で差別を受けたり、いじめられることについて外国にルーツを持たない子どもたちの保護者よりも強い不安や恐怖を感じていることも少なくありません。私たちが過去に支援した外国にルーツを持つ生徒の保護者は、「日本の学校に行くと、外国人の子どもはいじめられると友人から聞き怖かった」と、子どもが来日後、約1年間の間学校に行かせることができませんでした。
このような極端なケースばかりではありませんが、ほとんどの外国にルーツを持つ子どもたちの保護者が学校でのいじめや差別を心配し、不安を抱えています。そして実際に差別やいじめを受けた子どもたちは、日本社会に「居場所」が見つけられずに苦悩し、心身ともに傷ついています。こうした経験が積み重なった結果、自ら命を絶ってしまったり、他者を傷つけてしまったりといった悲しい出来事につながることも皆無ではありません。

国際化の現実、まず受け止めて
今、国は労働力不足を背景に海外からの人材を確保しようと、表に裏にその門戸を開き始めています。しかし、日本で安心して働き、生活することができなければ、外国から日本でがんばろうとする人々にその力を十分に発揮していただく事はできません。今、日本社会に暮らす外国人の5割以上が日本国内に定住・永住可能な資格を有しています。彼らは「稼ぐだけ稼いで帰ってくれる」都合のよい存在ではなく、私たちと同じ、日本社会の生活者にほかなりません。
まず私たちがすべきことは、毎年生まれる子どもたちのうち、30人に1人は外国にルーツを持つ”くらい”に日本社会を構成する人々は「多様化している」という現実を受け止めることではないでしょうか。
そして、日本社会に暮らすすべての人々が、そのルーツや国籍、障害の有無など多様なバックグラウンドにかかわらず教育、医療、福祉など、生活におけるあらゆる資源を安心して活用することができること。
そうした環境の実現を、すでに日本社会に根付いている外国にルーツを持つ方々と一緒になって、地域から国家まであらゆるレベルで目指していくことが、新しい時代を目前とした今、求められているのではないでしょうか。
田中宝紀 NPO法人青少年自立援助センター定住外国人支援事業部責任者

なぜ!?乳幼児の4人に1人が毎日排便していないワケ

ベネッセ 教育情報サイト 2016年9月23日

厚生労働省の2015(平成27)年度「乳幼児栄養調査」で0~6歳までの乳幼児のうち、4人に1人が毎日排便していないなど健康状況に懸念があることがわかりました。その一方で、家庭に経済的ゆとりがあるかないかで、乳幼児の食生活に大きな違いが見られることも明らかになりました。

生活習慣などは保護者次第だが……
調査は2015(平成27)年9月に実施し、6歳未満(同5月末時点)の子どもがいる3,871人の保護者からの回答を集計しました。
子どもの健康状態に関して、排便の状況を聞いたところ、「ほぼ毎日排便がある」と答えたのは76.2%でした。子どもの排便と起床時間(平日)の関係を見ると、ほぼ毎日排便があるという子どもの割合は、起床時間が午前6時前で82.0%、午前6時台が78.4%、午前7時台が74.1%などで、起床時間が遅い子どもほど毎日排便していないという傾向があります。
起床時間が早い子どもは、当然ながら就寝時間も早くなっています。そして、保護者の就寝時間が遅いほど、子どもの寝る時間も遅いということがわかりました。また、きちんと朝食を食べない保護者の子どもは、やはり毎日朝食を食べる割合が低いこと、さらに、子どもが欲しがる時におやつを与えたり、甘い飲み物やお菓子を与えたりすることが多い保護者の子どもは虫歯がある割合が高い……という結果も出ました。このことから、乳幼児の生活習慣や健康は、保護者次第ともいえます。

家庭の経済的要因が食生活などに影響も
一方、調査では初めて、経済的要因と食生活の関係を調べました。まず家庭の「経済的な暮らし向き」について、「ゆとりあり」は29.3%、「どちらともいえない」は33.0%、「ゆとりなし」は37.5%などとなっています。
さらに、主要食物を「毎日1~2回以上」食べるという家庭(2~6歳の保護者)の割合を見ると、魚を毎日1~2回以上食べている家庭は、「ゆとりあり」が20.6%、「ゆとりなし」が15.9%でした。同様に、肉は「ゆとりあり」36.2%・「ゆとりなし」31.3%、野菜は「ゆとりあり」82.3%・「ゆとりなし」74.8%、果物は「ゆとりあり」47.0%・「ゆとりなし」32.7%などとなっています。
反対に、甘味飲料は、「ゆとりあり」28.1%・「ゆとりなし」32.7%、お菓子は「ゆとりあり」55.6%・「ゆとりなし」61.0%で、ゆとりのない家庭のほうが多く食べています。また「週に1~3回」食べるもので、インスタントラーメンやカップ麺は「ゆとりあり」7.3%・「ゆとりなし」11.5%、ファストフードは「ゆとりあり」10.1%・「ゆとりなし」13.1%となっています。これらのことから、暮らしにゆとりのない家庭では、仕事や生活に追われて食生活や生活習慣が乱れやすいと推測されます。
乳幼児の生活習慣や健康は、保護者に大きく左右されます。だからこそ発達の原点となる乳幼児期の健全な育ちを支えるためには、自己責任と切り捨てるのではなく、経済的な困難などを抱えた家庭への社会的支援が強く求められている……といえるのではないでしょうか。

※平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000134208.html

生活保護の男性、3割超がメタボ 女性も非受給者の3倍

朝日新聞デジタル 2016年9月23日

生活保護を受けている男性では、3人に1人がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)で、喫煙者が4割以上いることが厚生労働省の調査で分かった。いずれも生活保護を受けていない男性より割合が高い。受給者は健康への関心が低いという結果もあり、厚労省の担当者は「食事が安くて高カロリーのジャンクフードなどに偏っているとみられる」としている。
2014年度にメタボ健診を受けた40歳以上の生活保護受給者約10万8千人の診断結果を分析した。メタボと診断されたのは男性が32・7%で女性が17・5%。受給していない男性(21・0%)より10ポイント以上高く、女性は3倍近かった。
60代後半の男性が34・6%(受給者以外は27・4%)、70代前半の男性が33・3%(同26・9%)と割合が高い。受給男性の喫煙率は43・0%(同33・7%)で、とくに50代が51・9%と多かった。
生活保護費のうち約半分は医療扶助が占めている。厚労省は医療費を減らすため、今年度中に受給者の生活習慣病対策をまとめる方針だ。(井上充昌)