大学生や大学院生、返済不要の「給付型奨学金」の選考条件は

マネーポストWEB 2017年6月1日

子供の教育費には多額の費用がかかるが、賢く減らせる方法がある。そのひとつが、奨学金の活用だ。奨学金を大きく分類すると、卒業後に返済義務のある「貸与型」と、返済しなくてよい「給付型」の2種類がある。
貸与型の代表格が日本学生支援機構の奨学金で、2015年度は大学生全体の38.2%が利用している。そのうちの7割が有利子の奨学金で、平均借入額は343万円。
「利息がつくと返済額が膨らむので、有利子型が厳しいのは当然ですが、つかなくても学生に300万円を超える借金を背負わせるのは避けたいものです。滞納問題や教育格差が指摘されたこともあり、2018年度から大学生や大学院生などを対象とした返済不要の給付型の募集が始まります」(ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さん・以下同)
利用できるのは住民税非課税世帯の子供で、1学年2万人程度。高校時代の成績や学外活動なども選考条件になる。本格的な実施は2018年度からだが、私立大学の下宿生や児童養護施設出身者など一部の学生には、2017年度から先行実施されている。
給付額は、進学先や通学形態によって月2万~4万円。児童養護施設出身者は、入学一時金として24万円が別途支給される。
「給付型奨学金の利用を希望する場合は、高校を通じて申請することになっています。担任の先生などに相談してみましょう」
国の制度のほかにも、地方自治体、スポーツ振興団体、民間企業、私立大学などが独自に行っている給付型奨学金もある。これらを利用すれば、卒業後に返済の負担がないので申請してみよう。

LGBT 児童養育施設の45%「経験」 静大教授ら全国調査

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS 2017年6月1日

児童養護施設を対象にした性的マイノリティー(LGBT)に関する全国調査で、当事者と思われる子を養育した経験が「ある」と回答した施設が45%あった。
当事者の子にとって入浴や着替えなど集団生活で困難を感じる場面があることから、一般社団法人レインボーフォスターケア(さいたま市)、静岡大の白井千晶教授らが児童養護施設への調査を計画。全国の601施設に調査票を送り、202施設が回答した。
当事者とみられる子を「養育した経験がある」と回答した施設は99施設。過去の在籍者も含めた人数は144人だった。把握のきっかけは、裸を見られるのを嫌がるそぶりなどから「職員が気付いた」が68%と最多で、「本人に告げられた」が48%と続いた。学校で心の性に合わない制服の着用を求められた、同級生に避けられた―といった「トラブル」も32%あった。
対応を巡っては「職員が学校と調整し、体操服での登校を実現した」「日頃から『ありのままでいい』と伝えて信頼関係を築いた」との事例も。その一方で、48%が職員研修を「していない」と回答した。白井教授は「職員全体の理解を深める研修機会の創出が課題」と指摘する。「男女分け」を前提とした施設の構造上、個室の提供など「対応が難しい」というハード面の悩みも寄せられた。

「充実残高」ある社会福祉法人7% WAMが福祉法改正で調査

福祉新聞 2017年5月30日

2017年の社会福祉法改正について社会福祉法人を対象に行った調査で、新たに定められた社会福祉充実残高が生じる見込みなのは1割以下であることが18日、福祉医療機構(WAM)の調査で明らかになった。
調査は17年4~5月、WAMが融資する9009法人を対象に実施(有効回答率41%)。法人の内訳は、高齢者福祉事業のみが34%、児童福祉事業のみが28%、障害者福祉事業のみが15%、複数事業が22%。サービス活動収益の規模は、1億~5億円未満が46%、5億~10億円が21%、10億~15億円が7%だった。
改正法では、法人の保有する財産から事業継続に必要な財産を控除して残った資金を「社会福祉充実残高」とし、「社会福祉充実計画」を策定した上で、計画的に再投資するよう定めている。
調査では、充実残額が「生じる」と回答した法人は7%だった。「生じない」71%、「試算していない」22%。充実残額の見込みは「1億~5億円」44%、「1000万円未満」15%、「1000万~5000万円未満」「5000万~1億円未満」14%の順だった。
充実残額が発生する法人のうち、充実計画を策定しているのは49%。投下先は社会福祉事業が95%、地域公益事業が3%、公益事業が1%と「社会福祉事業が第一優先の投下先であることを考えると妥当な結果」(WAM)となった。
社会福祉事業の中身についてみると、「既存施設の建て替え・増改築など」が52%、「新規事業開始」が26%、「職員処遇改善」が12%、「職員教育訓練」が5%だった。地域公益事業の具体的な事業としては、生活困窮者レスキュー事業やこども食堂などが挙がったという。
また、新定款に定める理事定数については「6人」が83%と最多。同様に評議員数には7人が66%を占めた。
調査結果についてWAMの担当者は「各法人が6月あたりに開く評議員会では、充実計画なども決めると思うので、参考にしてもらえれば」と話している。