「死ぬなんて言わず、やってみよう」裁判官が諭す 児童養護施設育ちの被告に

上毛新聞社 2017年7月6日

「死ぬなんて言わないで、やってみようよ」。前橋地裁で5日開かれた刑事裁判で、鈴木秀行裁判官が高崎市の無職の被告(22)を諭す一幕があった。

「生きる道、自分で開拓できる」
被告は4月下旬、前橋市のネットカフェでネットゲームに課金した11万5000円分を払わなかったなどとして、詐欺罪で起訴された。
冒頭陳述や被告人質問によると、被告は3歳で児童養護施設に入り、経済的事情などで大学進学を諦めた。人付き合いを苦に職を転々とし、生活保護を受給していた。好きなネットゲームを思う存分やって死のうと考えたという。「自暴自棄だった」とつぶやき、白く細い体を震わせた。
鈴木裁判官は「確かに恵まれていないかもしれない。10代はつらかったろう」と推し量り、「今は大学を出た人と同じ、1人で稼いで生活していく20代の大人だ。生きる道は自分で開拓できる」と語った。
黙り込みがちだった被告は最終陳述で、被害店舗への謝罪の言葉を口にした。
被告は起訴内容を認めており、検察側は懲役1年6月を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。

 

人口減、最大の30万人…出生は100万人割れ

読売新聞 2017年7月6日

総務省は5日、住民基本台帳に基づく今年1月1日現在の日本人の人口が前年より30万8084人(0・24%)減少し、1億2558万3658人だったと発表した。
2009年をピークに8年連続で減少しており、減少幅は現行の調査を開始した1968年以降で最大となった。出生者数は98万1202人で住民基本台帳人口として初めて100万人を割り込んだ。
出生者数については、厚生労働省が6月、16年の人口動態統計で100万人を初めて下回ったと発表していたが、住民票を基にした調査でも裏付けられた形だ。
一方、死亡者数は過去最多の130万9515人となり、死亡者数が出生者数を上回る「自然減」が32万8313人と過去最大を記録。年齢別では、65歳以上の老年人口(3411万6389人)が総人口の27%を占め、3年連続で15歳未満の年少人口(1594万547人)の2倍以上となり、少子高齢化の進展でその差は拡大しつつある。

 

4月の生活保護受給世帯、2カ月ぶり減 雇用環境改善か

朝日新聞 2017年7月5日
4月に生活保護を受けた世帯は前月から4127世帯少ない163万7405世帯となり、2カ月ぶりに減少した。厚生労働省が5日、発表した。減少数は、1991年4月に前月比で4300世帯減って以来の規模となった。
雇用環境の改善などが背景にあるとみられ、現役世代などが大きく減った。一方で、65歳以上の高齢者世帯は85万9498世帯と前月より3912世帯多く、過去最高を更新した。

 

つい比べてしまう……自分の子どもと他人の子。やっぱりおかしい?

BESTT!MES 2017年7月5日

成長は早い、遅いじゃない
親にとって子どもの成長は喜びが大きい反面、一喜一憂してしまうものでもあります。隣のクラスのあの子より小さい、とか○○ができないとか……。でも、なかなか人には言いづらい。そこで現役保育士の方に聞いてみました。
子どもたちとの心温まるストーリーが大好評のてぃ先生・著書『ハンバーガグー』より子どもの接し方を紹介します。
2回目の今回は『“差”じゃなくて、“違う”だけ』です。
ついつい自分の子どもとほかの子どもを比べてしまうことがあると思います。保育士でもありがちです。
例えば、
「あの子はもうオムツとれたけど、この子はまだとれない」
「あの子はあんなに話せるのに、この子はまだ話せない」
「あの子はあんなに背が伸びたのに、この子はまだ小さい」
なんて具合につい比べちゃう。不安になり、大丈夫かなと心配をする。
僕は思います。それでは子どもも大人ももったいない! と。
ぜひ、こう考えてみませんか?
「差じゃなくて、ただ違うだけなんだ」
子どもは、大人の数十倍もの早さで成長が進みます。
同じクラス(同じ年度生まれ)のなかでも、4月生まれの子どもと、3月生まれの子どもではかなり違います。

育児本の数字はあくまで目安
1歳児クラスで言えば、極端な話、まだ赤ちゃんみたいな子がいれば、少しお兄さんお姉さんらしくなっている子もいるのです。
そこで比べたって仕方ないですよね。生まれた月が違うんですから。
またはお誕生日が近いのに、自分の子とほかの子で成長の度合いが違う場合。
これも違うだけです。
早かった、遅かったということではなく、例えば、
「その子は昨日オムツがとれた」「この子はこれからとれる」
これだけなんですよ。差があるのではなく、タイミングが違うだけ!
だから、なにかに焦る必要なんてないんです。
よく育児本にこんなことが載っています。
「オムツは○歳までにとれると良い」
「○歳までに自分で着替えられるようになると良い」
まるで必須事項のように書いてあることがありますが、あくまで目安なんです。子どもによって全然違いますから。
だから「この子はこうなんだ!」と自信を持ってください。
大人の不安そうな顔を見たら、子どもも不安になります。そっちの方がよっぽど問題だと思います。
ほかの子と比べて不安になるよりも、
「この子には、どんな素敵なところがあるだろう?」と、良いところをたくさん見つけて、それをいっぱい褒めてあげてください!
きっと、子どもも大人も笑顔になれますよ! (「ハンバーガグー」より構成)

 

言っても聞かない子どもたち。保育士はこう対応して落ち着かせる。

BESTT!MES 2017年7月4日

子どもを落ち着かせるには?
「走らない!」「辞めなさい!」そう言ってもなかなかきいてくれない……大人からすれば、それにストレスがたまってしまうこともあります。こんなとき現役・保育士はどうするでしょう。
子どもたちとの心温まるストーリーが大好評のてぃ先生・著書『ハンバーガグー』より聞く子どもの接し方を紹介します。
今回は、「子どもを落ち着かせる方法」。

なぜ子どもたちは走り回っているのかを考える
子どもを落ち着かせたい時ってありますよね。どうした!? っていうくらいお部屋の中で走り回っているなどなど……。
「走らないの!」「危ないからやめなさい!」と注意して止めることもできますが、その効果は、ほんの数分。下手すると数秒後には同じことをやっている……。
一方で注意するのもかわいそうだから「絵本でも見ようよ」なんて、切り替えるための言葉がけをしても無視。ずっと走り回ってる……よくあります。
それを見てさらにイライラして怒っちゃったり、どうしてなんだろうと訳がわからなくなっちゃったり……経験がある人多いと思います。
こんな子どもの行動を上手く切り替える方法があるんです! たった1つだけ!
それは希望通りにしてあげること。つまり、走り回らせることです。
「何の解決にもなってないじゃないか!」
そう思った人、ちゃんとした方法があるのでもうちょっと待ってください(笑)。

子どもが走り回るのは「楽しいから」
走り回っている子どもは、
「走りたいから」
「体を動かしたいから」
「楽しいから」
そういう行動をしているんです。
「走らないの!」とか「危ないからやめなさい!」などと言われても響かないですし、「絵本見ようよ」なんて言われてもそれは無視です。だって興味がないですから。また同じことをしちゃいます。
お部屋で走り回ることを止めるには、別の形で走らせてあげましょう! 走りたい気持ちは、走ることでしか解決できません。だからといって外にも出られない! それでもできることがあります。
僕がよくやるのは、「先生はここから動かないでとっても早く走れるよ!」と言ってその場で全力駆け足してみせます。
すると、子どもは真似をします。走れますし、体を動かせますし、大人がその場で駆け足する姿が面白いからです。
複数の子どもがいる場合には「誰が早く走れるかな?」なんてゲーム形式にしても面白いです。より盛り上がります。
なにより、その場での駆け足って全力でやると大人でもかなり疲れます。走り回るより疲れます。
だから「走りたい!」「体を動かしたい!」という子どもの気持ちがかなり満足します。そうすれば、わざわざ大人がイライラしながら注意しなくても、これだけで解決です。
走り回ること以外でも同じです。
その行動を注意してやめさせる、全然違うことへ誘ってやめさせる、そんなやり方よりも子どもが「やりたい!」と思っていることを別の形でやらせてあげる。この方が圧倒的に切り替えやすいです。
ぜひ試してみてくださいね。(『ハンバーガグー』より構成)