保育士が子どもとコミュニケーションを取るときに気をつけていること

BEST!TIMES 2017年7月6日

目が会うことでいろいろなことが見える
ふだんからたくさんの子どもと接している保育士さんは、どんなことに気をつけて子どもと接しているのでしょうか。
子どもたちとの心温まるストーリーが大好評のてぃ先生・著書『ハンバーガグー』より、子どもの接し方を紹介します。
3回目の今回は『心がけていること』です。
子どもとコミュニケーションを取るために、僕は普段から心がけている、といよりも、自然とやっていることがあります。
それは《子どもと目が合うようにすること》です。とっても簡単!
子どもは、一人遊びができるようになると好き勝手に遊びまわっているような印象があるかもしれませんが、
大人がどこにいるか?
大人がなにをしているか?
大人がなにを見ているか?
こういったことをチラチラ見て確認をしています。
特に年齢が低いうちは「僕のこと、私のことを見てほしい!」という気持ちが強いですから、そんな姿が多く見られます。
だから、子どもの視線がこっちに向くことをあらかじめわかったうえで、子どもの目を追うのです。そのうち必ずと言っていいほど目が合います。
そうしたら、ニコッと笑うでもいいですし、手を振るでもいいのですが、なにか反応をしてください。
ここで大人が恥ずかしがってはダメです!
分かりやすい反応をする! これだけがポイント。

目を合わせるだけでコミュニケーションになる
そうすると、子どもは照れて笑ったり、手を振り返したりしてくれます。
なにも反応せずに遊びへ戻る子どももいますが、「見てくれてる」という満足や嬉しい気持ちは確実にあります。
これはご家庭だけではなく、保育園などでもオススメ。
ほかの子と遊んでいるときも、時々目線を周りの子へ向けるだけで、先に書いたようなことができます。そうすると、「○○くんと遊んでるだけじゃなくて、僕のことも見てくれてる!」という安心感につながります。
さらに子どもは、大人が近くにいるという安心感や見てくれているという満足感があると、よりダイナミックに、積極的に活動ができます。
わかりやすいのは、授業参観やスイミングスクールなどですかね。みなさんも記憶があるのではないでしょうか?
見てくれていないときよりも、見てくれているときのほうが張り切るし、もっと頑張ろうという向上心も湧いてきませんでしたか? そんな気持ちです!
遊びの中でも同じように安心感と満足感があるといいですよね。
ただ、無理に目を合わせようと、ちまなこになっても意味がありませんから、あくまで自然に。
お話したり、遊んだり、そういうことだけがコミュニケーションではなく、子どもと目が合うようにする、ただそれだけでも十分なコミュニケーションになる! そんなお話でした。(『ハンバーガグー』より構成)

 

鑑別所実態伝え非行防止 法務少年支援センター静岡

静岡新聞 2017年7月6日

非行・犯罪防止と青少年の健全育成に取り組む「法務少年支援センター静岡」の地域援助活動が本格始動から2年を迎え、実績を伸ばしている。心理学や法教育を修めた専門性の高い静岡少年鑑別所の職員が中学校に出向き、鑑別所の役割や処遇を具体的に伝える出前授業は特に好評だ。吉田智子所長は「知らないことが一番怖い。多感な思春期の生徒に説得力ある講話を届け、非行防止につなげたい」と意気込む。
6月末、焼津市立大富中の体育館。「いじめも犯罪で、逮捕されることだってある。(処分を決める)法的流れに入ってしまったら、親も学校も手出しできない」。鑑別所入所者のケアを担う法務教官の三島平さん(35)は2年生約230人にこう強調し、部屋や面接室の写真をはじめ入所少年の実録なども披露した。
少なくとも約4週間は強いられる収容生活の実態を明示し、「仮に今非行をして入所したら、夏休みは終わってしまう。友達が1人も入らないよう意識して生活を」と訴えた。
同鑑別所によると、検挙・補導される未成年の4割近くが中学生で、高校生より多い。罪別では男女ともに窃盗が最多で、傷害・暴行や薬物使用も上位に入る。講話後、学年委員長の女子生徒(14)は「鑑別所の存在を初めて知り、犯罪が身近にあることも分かった」と驚いた。
同鑑別所入所者は2015年が263人、16年が212人と減少が続き、10年間でみるとほぼ半減した。こうした傾向の中、少年鑑別所法施行で力を入れ始めた地域援助の件数は15年に212件と急増し、16年も200件を超えた。特に外部の依頼で出向く研修や授業は増加が顕著で、「非行事例や少年の『生の声』を具体的に聞ける」と継続開催を依頼する中学も多い。
2度目の開催の大富中の今村達哉教諭は「昨年受けた3年生は授業後に変化が生まれた。教員も効果的な指導方法を学べる」と意義を述べ、活動が県内の教育現場で浸透拡大することを期待した。

<メモ>法務少年支援センター静岡 思春期の子どもの行動理解などに関する知識と経験を生かし、児童福祉機関や学校、NPOなどの民間団体と連携して非行・犯罪の防止活動を続ける専門機関。全国52カ所の少年鑑別所に併設されている。2015年6月に少年鑑別所法が施行されたことを受け、地域や家庭の個別相談などに応じたり、学校に授業で出向いたりする「地域援助」が業務の柱の一つに位置付けられた。

 

酒を飲まなければ良い人?いいえ酔ってDVする夫です

碓井真史 新潟青陵大学大学院教授 2017年7月6日

「酒を飲まなければ良い人」と考えず「酒を飲んでDVする夫」と考えて、自分と子どもを守ろう。

妻と子が焼死、放火容疑で夫を逮捕
悲惨な事件です。
~全焼した民家から母子とみられる3人の遺体~妻美由さん(31)が「酒に酔った夫からドメスティックバイオレンス(DV)を受けている」と警察に相談~「深酒した夫に平手で頬をたたかれる」~同署は島谷容疑者に口頭で警告し、「二度と妻に手を上げない」という内容の誓約書を書かせた。それ以降、美由さんや同居の家族らからDV被害の相談はなかった。
出典:<放火母子死亡>妻が相談「酔った夫からDV」:河北新報7/6(木) 10:24配信
亡くなったのは、妻と3歳と1歳の子どもです。別の報道によると、酔った夫がライターで布団に火をつけたと見られると報道されています。妻は1年前から警察に相談相談していました(最近は相談していなかった)。また知人らの話によると、「仲の良い家族に見えた」とも報道されています。容疑者である夫も、仕事上の問題もなく、悪い評判もなかったと報道されています。

酒を飲まなければ良い人?
夫、恋人のアルコール問題で悩む人がよく言うセリフです。「酒を飲まなければ良い人」。気持ちはわかります。それは、本当なのでしょう。大量飲酒する人の中には、仕事もせず日常的に問題を起こし続ける人もいますが、普段は全く問題が見えない人もいます。真面目に働き、収入を得て、妻子にも優しい人です。しかし、酒を飲むと人が変わります。
欧米で大きな社会問題になるアルコール依存症などの問題が、日本ではそれほど大きくなりません。その理由の一つが、日本人は仕事には行くからです。従業員の1割が酒の問題で休んだりすれば大問題になりますが、仕事をきちんとしてくれれば、社会問題にはなりにくいでしょう。
本当に良い人、良い夫、良い父と言ってよい人たちもいます。同僚も、友人も、親でさえ、酒に伴う暴力、DVの問題に気づかないこともあります。
普段は、良い人で、おとなしい人で、暴力を振るうなど想像もできない人が、家庭内で暴力(DV:ドメスティック・バイオレンス)をふるうことがあります。酒を飲むと、そうなる人もいます。

酒を飲んでDVをする夫
「酒を飲まなければ良い人」。それ自体は間違いではないかもしれません。しかし、その男性への見方として「酒を飲まなければ良い人」は間違っています。その男性は「酒を飲んで暴力(DV)をふるう人」なのです。
「酒を飲まなければ良い人」と考えてズルズルと関係を続けると、悲劇が生まれることがあります。妻の中には、子どもが産まれればあの人も変わってくれるだろうと思う人もいますが、父親になっても酒を飲めば暴力をふるう行動は変わりません。
さらに妻の中には、もう一人子どもを産めば変わってくれるだろうと考える人もいるのですが、何人子どもが生まれてもやはり変わりません。問題がさらにこじれて悪化するだけです。
夫や恋人を私の支えと力で正しい人に変えてあげようと思う女性もいます。その気持ちは素晴らしいと思うのですが、問題は解決しません。

警察への相談と反省
誰かに相談することは良いことです。普通なら、誰かに、特に警察などに叱られれば、反省します。反省文や誓約書などを書かせれば、変わることもあるでしょう。しかし、多くのアルコール問題、家庭内暴力(DV)は、変わりません。
妻や恋人に暴力をふるう男性は、暴力の後は優しくなったりします。ただし、しばらくは優しくしながらもストレスが溜まり、また暴力をふるいます(DVサイクル)。酔って乱暴する人は、酔いからさめて冷静になれば、本気で反省することもあるでしょう。しかし、酒はやめられません。酒を飲むと暴力を振りたくなることも変わりません。
相談することは大切です。そして、相談し続けることが大切です。
反省を見せ、誓約書などを書かせ、それでも酒や暴力が止まらない時、女性は相談をあきらめることがあります。相談する前よりもさらに孤立することがあります。

自分と子どもを守ろう
結婚して、私がこの人の酒や暴力をやめさせようと思う女性もいるのですが、男性の大量飲酒と暴力が止まってから結婚しましょう。その女性の愛は素晴らしいですが、妻は看護師でもカウンセラーでもありません。
男性への愛と責任感は素晴らしくても、問題は解決せず悪化します。時には、優しさやよりも心を鬼にする必要のある時があります。酒を飲んで暴力をふるう人とは一緒に暮らせません。子どものことを思って別れない人もいますが、何が本当に子どものためかを考えましょう。
日本中で、夫の大量飲酒や暴力で悩んでいる女性がたくさんいます。男性だって、自分の行動に悩んでいる人が多くいます。男性への優しさが本当の優しさとは限りません。妻は、みんなのために、自分と子どもを守りましょう。
警察以外にも相談できる場所はあります。シェルターもあります。まず、自分を守ることが、結局はみんなの幸せにつながるのです。