子供の貧困は経済問題だけではない 保護者の成育歴も

教育新聞 2017年8月24日

川崎市はこのほど、生活に困窮している子供・若者とその家族の生活状況に関する調査結果をまとめた。貧困世帯で生活する18歳未満の子供の割合は7.0%。世帯の所得格差は、入浴や食事といった基本的な生活習慣から、学習状況、進学を含めた将来展望まで、子供たちにも大きな格差をもたらしているのが分かった。また貧困に陥る背景には、保護者の複雑な成育歴など、経済的な課題以外の側面がある点も指摘。
同市はこの結果を踏まえ、地域への働きかけや制度・仕組みの構築など、包括的な支援体制の拡充に取り組む構え。
調査は今年1月から3月にかけて、▽市内の0~23歳の子供・若者がいる世帯の保護者6千人を対象にした市民アンケート(回答率43.9%)▽生活保護受給世帯など、支援を必要とする保護者、子供、若者1627人を対象にした支援ニーズアンケート(回答率84.0%)
児童相談所や児童福祉施設の職員を対象に実施した支援者ヒアリング――の3つを実施。さまざまな視点から貧困の現状と課題を探った。
手取り収入が国の貧困線の水準(年間245万円)を下回る、いわゆる「貧困世帯」の割合は6.9%。ひとり親世帯では42.9%が貧困世帯に該当した。
貧困世帯の子供は「毎日入浴していない」「治療していないむし歯がある」割合が高く、夕ごはんを子供だけで食べる「孤食」の状況も多く発生していた。経済的な理由で文具や教材が買えない、子供に進学を断念、あるいは中退させる可能性がある世帯もあるとしている。
一方、保護者には「金銭管理や家事、子育てができない」「病気や障害があって働けない」「保護者自身が親から虐待を受けた経験がある」「社会的に孤立していてSOSが出せない」といった課題がある実態が、個別事例のヒアリングで明らかになった。
こうした課題を持つ保護者の中には、自分自身が過去に貧困や虐待を経験しているケースもみられ、貧困や家庭内暴力の連鎖を示唆する支援者の声があったという。
また良好な対人関係や親子関係を築きにくい一面があり、孤立しやすい傾向にあるとの意見もあった。
支援者の多くは、子供の貧困について経済的な問題にとどまらないと指摘しており、今後必要な取り組みとして、生活の基盤を形成する乳幼児期からの養育支援や、地域における子供の居場所づくりなどを挙げている。

 

里親養育 「脱施設」の実現へ本腰を

西日本新聞 2017年08月20日

虐待や貧困により親元で暮らせない子どもの社会的な養育の在り方について、厚生労働省が新たな方針を示した。
「脱施設」を目指して、里親などによる家庭的養育を増やすために、意欲的な数値目標を掲げた。政府は本腰を入れて実現に取り組んでほしい。
家庭的環境で育つことは、子どもの心理的発達に良い影響を与えるとされる。残念ながら、欧米に比べ、日本では里親制度の普及が遅れている。
厚労省によると、親が養育できず、保護が必要な子どもは約4万5千人に及ぶ。その大半が児童養護施設などで暮らしている。
親代わりの養育者が住居に5~6人の子どもを預かるファミリーホームや里親の元で暮らす子どもの割合を示す「里親等委託率」は、17・5%にとどまっている。
そこで厚労省は就学前の子どもについて、施設への新規入所を原則停止する方針を打ち出した。
その上で、就学前の里親等委託率を5~7年以内に75%以上へ引き上げ、就学後は10年以内に50%以上を目指すという。高い目標設定といえるだろう。
全国の児童相談所が対応した虐待件数は増加傾向にあり、2016年度は12万件を突破して過去最多を更新した。里親はこうした子どもの大切な受け皿となる。
里親を増やすには、きめ細かい研修や相談などで、手厚く支援する態勢づくりが欠かせない。制度の中核を担う児童相談所の人員拡充は喫緊の課題だ。
地域全体で困窮する子どもを守り育てる機運も高めたい。
戸籍上、養父母の実子扱いとなる特別養子縁組を5年で倍増し、年間千件以上の成立を目指す目標も示された。実現すれば、永続的に安定した家庭環境を子どもに提供できる。ぜひ達成したい。
高い目標設定で数字を追うあまり、里親の認定審査や子ども一人一人に対するケアがおろそかになっては本末転倒だ。あくまで子ども本位の視点を大切にして社会全体で丁寧に取り組んでいきたい。

 

「日本のネット児童保護関連は、世界的に見て無法地帯」ひろゆき

日刊スパ 2017年8月21日

児ポ通報1000件の学生、高い検索能力に懐疑の目
ネット上の援助交際募集や児童ポルノ画像などの投稿を探し関係機関に通報、削除やアカウント凍結につなげた19歳の大学生がネット上で話題だ。というのも、3月までの通報件数8841件中、1249件が同学生の通報だったから。日に最低10件の通報を課すなど問題探索能力に長けていることから、「こいつのパソコンを調べろ」とネット民が邪推している

サイバー防犯ボランティア活動
警察庁生活安全局のサイバー防犯ボランティア活動のためのマニュアルより
日本のネット児童保護関連は、世界的に見て無法地帯な件
一昨年から『4chan』という英語のサイトの管理人をしているんですけど、アメリカでコミュニケーションをするサイトを運営するには、アメリカのいろんな法律に従って運営する必要があって、児童虐待やら児童ポルノがユーザーからアップロードされた場合には、某NPOに報告する義務があったりします。んで、こういうのって日本だと任意で警察に報告したりするんですけど、アメリカの場合は報告を怠ると結構な罰則があったりするのですね。
ってなわけで、アメリカのサイト運営者は児童の被害者を守るってのが義務付けられていて、そういうのが起きないように気を使ったりするのですが、日本の場合って児童虐待を告白しているブログがあったり、児童ポルノがアップロードされていたりするサイトが普通に運営されてたりと、かなり緩いんですよね。。。
ってなところで、サイバー防犯ボランティアの大学生が児童ポルノの通報を最低一日10件やっているっていうのでニュースになったんですけど、そのニュースには「児童ポルノ画像などの投稿を見つけ、関係機関に通報。書き込みの削除やアカウントの凍結につなげた」って書かれているものの、加害者が逮捕されたことは書かれていないんですよね。
まったく逮捕されないんだったら、児童虐待とかをやる人は児童虐待をやり続けるだろうし、サイトも対応する義務がないんだから「言われたら削除しますよー」ってぐらいにしかならないですよね。。。
なのでせっかくの通報も、警察が加害者を逮捕するなりしてれば意義はありますけど、削除されるだけでいたちごっこになってるだけだったら、あんまり意味はないような気がするのですよ。。。
本当に問題を減らしたければ学生にできることはなくて、罰則を設けるのが一番だと思うんですけど、政府にそこまで重要な案件だと思われてないからか逮捕されないわけです。ってことで、日本は児童の保護に関して、海外から無法地帯って言われることがありますけど、そう言われても仕方ないよなぁ、、、って思うのはおいらだけなんですかね。。。

 

恐竜展、20万人到達 磯子の親子らに記念品

カナロコ by 神奈川新聞 2017年8月24日

パシフィコ横浜(横浜市西区)で7月15日から開かれている「ヨコハマ恐竜展2017」(神奈川新聞社などでつくる実行委員会主催)の入場者数が23日午前、20万人に達した。40日目での達成。最終的に20万人弱が訪れた3年前の前回を超えた。
20万人目となった同市磯子区の鈴木和代さん、玲央君(10)、蓮君(8)、凛ちゃん(1)と友達の山口蓮央君(12)、琉偉君(9)には、パシフィコ横浜の鈴木隆社長らから恐竜のフィギュアなど記念品がそれぞれ手渡された。
「子どもたちが企画して付き添いで来たのですが、まさか20万人とは…。動く恐竜を見てみたい」と鈴木さん。玲央君も「ティラノサウルスが好き。化石を見るのが楽しみです」などと笑顔で話した。
9月3日まで。問い合わせは、同展事務局電話045(232)4923。

夏休みに思い出を 施設の子163人招く 実行委
夏休みの思い出をつくってもらおうと、ヨコハマ恐竜展2017実行委員会は、こどもミライ応援プロジェクト「太古の森にタイムスリップ」を開催し、横浜市内にある児童養護施設の子どもたちを同展に招待した。
7月下旬に実施。市社会福祉協議会の協力で、11日間に市内17施設・団体から計163人の子どもたちが会場を訪れた。
参加者からは「動く恐竜が楽しかった」「夏休みの宿題にも提出できる内容が良かった」「大きな恐竜にドキドキした」などの声が上がっていた。

 

児童虐待 埋もれた被害、なお

毎日新聞 2017年8月23日

全国の児童相談所(児相)が児童虐待として対応した件数は2016年度に12万2578件と過去最多でした。法制度の整備や市民の関心の高まりなどで通報が増えていることが背景にありますが、埋もれた虐待も、まだなおあるようです。【藤沢美由紀】
児童虐待は、殴る、たたく、激しく揺さぶるなどの「身体的虐待」▽子どもに性的行為を行うなどの「性的虐待」▽家に閉じ込める、食事を与えないなどの「ネグレクト(育児放棄)」▽言葉や態度で傷つける「心理的虐待」--の4種類に分類される。
近年、特に増加が目立つのは心理的虐待だ。親が子の前で配偶者に暴力を振るう「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」が心理的虐待に含まれると認識されるようになり、警察からの面前DVの通告数が増え、全体の件数を押し上げている。虐待の増加に対し、対応する児童福祉司の不足が問題となっている。
一般市民が児童虐待について通報や相談をする場合、窓口となるのは、児童相談所全国共通ダイヤル「189」だ。固定電話からかけた場合は、市内局番などから地域を特定し、管轄の児童相談所に直接つながる。携帯電話の場合、現在は郵便番号などの入力が必要だ。手間がかかるため、今秋からはまずコールセンターにつなぎ、センターから地域を特定するよう運用が改まる。
児相は相談を受理すると、ケースの緊急性や危険性を評価し、原則48時間以内に子どもの安全を確認。面接や生活環境の調査などを経て、保護者への援助方針が決まる。

保護者への指導 家裁勧告で「お墨付き」
今年6月、児相による保護者への指導を、家庭裁判所が勧告できるとする改正児童福祉法が成立した。子どもを親から引き離して施設などへ入所させる前に、親子関係の改善を促すもの。指導はこれまでもできたが、家裁の関与で司法の「お墨付き」を与え、実効性を高める狙いがある。
親による養育が困難と判断されると、現行ではほとんどの場合、子どもは児童養護施設や乳児院など施設へ入所する。しかし、子どもが育つ場として施設は不十分ではないかとの声が高まり、昨年成立した改正児童福祉法では、養父母が戸籍上の実の親になる「特別養子縁組」や里親による養育を推進すると明記。これを受け厚生労働省は7月、新たな方針をとりまとめた。
方針では、より家庭に近い環境で子どもが養育されるよう、未就学児の施設入所を原則停止。里親への委託率を現在の2割未満から7年以内に75%以上とすることや、特別養子縁組の成立を、5年以内に現状の倍の年間1000人以上とするなどの目標を掲げた。実現に向けて、里親の研修や支援を一貫して担う機関の創設や特別養子縁組の年齢要件の見直しを進める。一方で、虐待被害に関して専門的なケアが必要なケースでは、小規模施設に限り入所を認める。

見逃される死亡例 検証の徹底、課題に
15年度に虐待で死亡した子ども(無理心中を除く)は計52人に上った。0歳児が最も多く30人、主な加害者は実母が26人、実父が12人などだった。
厚労省の専門委員会では毎年、虐待で死亡した子どもの調査分析をしている。15年度分は初めて、都道府県などが「虐待による死亡と断定できない」と報告した12人の事例を含めて調査した。そのうち8人を「虐待死」と認定し、死亡数に含めた。
8人のうち、幼児が肺炎で死亡した事例では、死後の解剖で骨折などが発見された。都道府県側は「警察の捜査で死亡と暴力に因果関係は見られなかった」ことなどを根拠に虐待死と断定しなかった。だが、専門委では「死因は病死だが身体的虐待が行われていた。適切に受診していれば、肺炎による死亡も避けられた可能性がある」と指摘した。
この調査は、子どもの死亡事例の検証が不十分という別の専門委の指摘を受けて実施された。今回の結果は、虐待死が見逃されている可能性を示している。委員長の関西大学の山縣(やまがた)文治教授は「虐待が疑われる事例は他にもあると思う。自治体はもっと虐待死を疑ってほしい。分析を通じ、子どもの死亡数を減らすことにつなげたい」と説明している。