親と暮らせない子受け入れ ファミリーホーム、県内2カ所新設 佐賀

佐賀新聞 2017年9月13日

計4カ所で協議会発足 寄り添う環境充実へ
親代わりの大人が少人数の子どもと共同生活をする「ファミリーホーム」が本年度、佐賀市と三養基郡みやき町に1カ所ずつ新設された。里親と児童養護施設の中間的な役割を担い、虐待や育児放棄などさまざまな事情で親と暮らせない子どもを受け入れる。佐賀県内のファミリーホームは4カ所になり、協議会も設立された。養育や運営の在り方を共有し、家庭的に寄り添う環境の充実を目指す。
ファミリーホームは、親と別居する18歳以下の子どもたちが、児童相談所から委託を受けた養育者と暮らす。定員は5~6人で、一般の住宅でも開所できる。
森田真二さん(38)、眞奈美さん(37)夫妻はみやき町に「モリタホーム」を4月に立ち上げ、1人を受け入れている。真二さんは児童養護施設で16年間働いた経験があり、「施設を退所した後も子どもたちが相談できる場所が必要だと思った。ファミリーホームは少人数で、自立した後も長く太く関われる」と話す。
佐賀市の瀬戸雄也さん(38)、美保さん(34)夫妻は飲食店を改装して「かみぞのホーム」を4月に設立、1人を受け入れている。児童養護に関心があった雄也さんと乳児院に勤めていた美保さんが、自身の子どもと一緒に「地域で育てたい」という思いで始めた。
県内7カ所の児童養護施設や乳児院に入所する子どもは8月1日現在220人で、里親への委託児童数は45人(4月1日現在)。国は、児童養護施設に多くの子どもたちが入所する現状を変えようと、里親やファミリーホームでの家庭的養護の拡充を目指している。ただ、登録里親数は全国的に伸び悩み、児童福祉の担い手としてファミリーホームの役割が増している。
森田、瀬戸両夫妻は子どもとの信頼関係づくりに努め、「心に傷のある子どもたちの『育ち直し』を目指して、安心できる場をつくっていきたい」「自立後も帰ってきてくれる温かいホームにしたい」と話す。
佐賀県ファミリーホーム協議会は7月に発足し、養育者と児童養護施設の職員ら8人がメンバーになっている。2カ月に1度のペースで集まり、家庭的な雰囲気の中でもどうしつけに向き合うかや、ホームと施設が互いに支援し合う仕組みを話し合っている。
ファミリーホームは全国で年間に20~30カ所が新設される一方、養育者の高齢化に伴い閉鎖するケースもあるという。協議会代表で、唐津市肥前町で「まきやまホーム」を営む牧山勇人さん(51)は「若い人が安心して担い手になれるようにしなければならない」と話し、サポート役の補助者も雇用できるように、ファミリーホームの安定的な運営につながる措置費の拡充を関係機関に働きかけていく考えだ。

ファミリーホーム
2009年の児童福祉法改正で制度化された小規模住居型の養護施設。養育者と補助者の計3人で育てることが条件とされている。国は家庭的養護を推進するため2011年、委託率を「児童養護施設」「小規模グループホーム」「里親とファミリーホーム」で3分の1ずつとする目標を設けた。ファミリーホームは16年3月末現在、全国に287カ所ある。佐賀県は15年3月策定の家庭的養護推進計画で19年度までに、ファミリーホームで12人を受け入れる数値目標を掲げている。

 

援交「小遣い稼ぎ」6割は“普通の女子高生” サイバー補導163人最多、全国の2割 福岡県警まとめ

西日本新聞 2017年9月13日

インターネット上で援助交際相手を探す少女に、警察官が身分を隠して接触する「サイバー補導」で、福岡県警が昨年補導した少女が163人に上り、過去最多となった。今年も6月までの半年間で既に105人(前年同期比43人増)と昨年を上回るペースで推移している。県警は「援助交際は立派な犯罪。事件に巻き込まれる恐れもあり、安易に手を出さないでほしい」と呼び掛けている。
「エッチしたらお金くれるお兄様おらんの」。8月、会員制交流サイト(SNS)上で投稿を見つけた福岡県警の捜査員が書き込んだ相手と連絡を取り、会う約束を取り付けたところ、待ち合わせ場所に現れたのは非行歴も、補導歴もない“普通の女子高生”だった。「まさかこんなことをするなんて…」。県警から呼び出しを受けた女子高生の母親は絶句した。

サイバー補導、前年の14倍163人と急増
「えん(援助交際)」「イチゴ(1万5千円)」「ホ別(ホテル代は別)」「15本3(15歳で本番3万円)」といった隠語で援助交際を持ちかける書き込みも多い。
サイバー補導は2013年から福岡を含む11都道府県警で導入され、現在では全都道府県警に広がる。援助交際から別の事件に発展することも多く、福岡県警は昨年10月、補導をきっかけに未成年を雇用していた無店舗型風俗店を発見、摘発した。
県警によると、県内の補導者は県警本部のみで実施した13年は2人、14年は5人、4警察署に広げた15年は12人だったが、昨年から15署と少年少女の立ち直りを支援する県警少年サポートセンター5カ所に態勢を拡充したことで前年の14倍にあたる163人と急増。全国の補導者数(862人)の2割を占める。
補導された少女の6割は非行歴がなく、「小遣い稼ぎ」目的で援助交際するケースが多いという。県警は中学校や高校に警察官を派遣し、援助交際をしないよう呼び掛ける「非行防止教室」を開いており、昨年秋からは児童養護施設や児童自立支援施設も対象に加える。
県警少年課の中村宗雄次席は「ネットを利用した援助交際は無数にあり、補導だけでは解決しない。根絶するには、少女たちへのモラル教育に取り組むことが重要だ」と話している。

 

準備金や奨学金返済助成 足立区、困窮世帯の大学生ら対象

産経新聞 2017年9月13日

足立区は12日、国の貸し付け型の奨学金制度などを利用している生活困窮世帯の大学生らに対し、大学等入学準備金として上限15万円、奨学金返済金として上限100万円をそれぞれ助成する「新・足立区育英資金制度」案を発表した。区によると、同準備金の支援助成制度の創設は全国初という。区議会で承認されれば、10月下旬にも同準備金支援助成制度利用者の募集を開始する。
同区では、区の大学の育英資金貸し付け制度の応募状況が、平成22年度の60人をピークに減少傾向にあり、28年度には35人にまで減少。区は背景に(1)区の育英資金は他の制度との併給を認めていないため、金額面で有利な都や国の制度を利用する人が多い(2)区の育英資金については、保証人2人を求める要件が障害になっている(3)大学進学費用は返済負担が大きい-などの課題をあげた。
このため区は、他の奨学金制度などとの併用を認め、児童養護施設入所者らについては、保証人を免除する方針へ転換。さらに区に6か月以上在住し、大学などに入学する「国の教育ローン」利用者で、生活保護受給または区民税所得割が非課税の世帯、児童養護施設等入所者ら計200人に、大学等入学準備金上限15万円を助成する制度を創設。日本学生支援機構の第1種奨学金を利用する大学生らに、奨学金返済金として上限100万円を支援する制度も設けた。
同案の創設にあたり、近藤弥生区長は「(学生らが)国と都の制度を活用して、大学進学へつなげられるよう区の制度を整備した」などと話した。

 

みんなはどうしてる? 学童保育を卒業した後の小学生の放課後の過ごし方

ベネッセ 教育情報サイト 2017年9月12日

学童保育は3年生までの地域も。小学生高学年以降の放課後の過ごし方は?
働いている親にとって、放課後の子どもの過し方は悩むところではないでしょうか。学童保育に預かっているかたも多いですが、地域によっては、小学校3年までしか預かってくれない場合も。学童保育がなくなったあとはどうしているのでしょうか。

地域の児童館を利用する
子どもが小学校に上がって、ほっとすると同時に、放課後の子どもの過し方で悩むという働いている保護者も多くいます。保育園では、夕方まで預かってくれていましたが、小学校になると、それがなくなってしまいます。そのかわり、授業が終わったあとは学童保育があります。学童保育は、働いている保護者の子どもを夕方まで指導員が見守る保育事業の通称です。
しかし、地域によっては学童保育を受けられるのは、小学校3年生までというところも。小学校4年生からの子どもの放課後の時間をどうするか、保護者として悩ましいところです。小学校4年生以降、子どもを一人で留守番させるのは、心配というかたは、地域の児童館を利用してみるのもよいのでは。児童館は、児童福祉施設です。児童厚生施設で、子どもに健全な遊びを提供することで、心身の健康や情操を豊かにすることが目的です。

児童館の利用について
・年齢については、基本的に18歳未満のすべての子どもが利用することができます。
・専門の知識を持った指導員が子どもたちを支援してくれます。
・開館時間は施設や季節によって異なりますが、多くは9時~18時の間です。
・利用料金は無料。おやつ代などは別途必要です。
・利用登録は、必要なところと不要なところがあります。

地域や施設によって利用方法は異なる場合がありますので、近くの児童館でチェックしてみてください。

平日の夕方は習い事や塾へ通う子どもも
児童館へ行かせていないという子どもの場合、放課後は塾や習い事というケースも多いようです。放課後は、毎日塾と習い事でいっぱいという子どもも。家でダラダラ過してしまうより、活発に過すことができそうですね。
また、自治体による学童保育は小学校3年生までというところもありますが、民間の学童保育であれば、小学校4年生以上でも通えるところがあります。学区の縛りがないため、少し遠い場合もありますが、どうしても学童保育を受けさせたいというかたは民間を選ぶのもおすすめ。学習や習い事のプログラムが充実しているところもありますが、料金が少し高めです。
最近は、近居という考え方もあり、保護者のどちらかの両親の家が近い場合は、子どもの祖父母に見てもらうという家庭も少なくないようです。
小学校4年生以上になったら留守番をさせるという家庭も。自分のことは自分でやることが身につきそうですね。留守番をさせる際には、知らない人が来ても出ないなどの防犯のルールなどを決めておくと安心です。留守番のときにお風呂にお湯を入れてもらったり、炊飯器をセットしてもらうなどをお願いすることで、家族も少しラクになったり、お手伝いの経験にもなりそうです。
それぞれの家庭の考え方があるので一概には決められませんが、子どもにあった過し方を見つけられるといいですね。