福祉関係奨学金を新設 富山市

読売新聞 2014年1月16日

 富山市は4月から、生活保護世帯の子供や児童養護施設に入所している子供を対象に、市福祉奨学資金給付事業(仮称)を新設することを決めた。将来福祉関係の仕事に就くことを目指して、社会福祉士などの資格を取得するために県内の大学や短大、専門学校などで学ぶ資金を援助する。
 貧困の連鎖を断ち切り、自立の促進を図ることと、福祉に携わる人材を育成することが目的。給付対象となる資格としては、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、看護師などを想定している。
 返済を求めない給付型の奨学金で、給付額の案では、学費などの経費に対する奨学金が年50万円以内、在学期間の生活費の一部を援助する奨学金が月4万円以内、入学にかかる経費に対する奨学金が30万円としている。給付予定人数は若干名。

「中の上」層を直撃する家計負担

荻原博子 2014年1月16日

 今年は、4月の消費税5%から8%へのアップがあり、年収500万円家庭で年8.5万円の負担増、年収800万円家庭で年10.8万円の負担増(三菱UFJリサーチ&コンサルティング試算)とのことですが、それだけにとどまりません。
 今年4月に高校に入学する新1年生から、高校授業料無償化に所得制限が導入され、年収910万円以上の家庭は無償化の対象外となります。
 年収910万円以上というのは、かなり恵まれているので、それほど影響は無いだろうという方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、収入の「中の上」といわれる年収1000万円前後の家庭は、意外と厳しい状況です。なぜなら、年少扶養控除が廃止され、さらに児童手当が削減されているからです。しかも、これまで16歳から18歳までなら使えた特定扶養控除の上乗せ分(所得税25万円、住民税12万円)も減ります。
 こうした隠れた負担増をすべてひっくるめると、年収1000万円前後の世帯だと、年間50万円前後の負担増もめずらしくないでしょう。
 いっぽう、住民税が非課税となる低所得の方に対しては、1回限りではありますが、ひとり1万円を「臨時福祉給付金(仮)」として支給しようという動きがあります。所得の低い年金受給者には、さらに5000円を加算する案が出ています。
 子育て世帯に対しても、子ども1人あたり月1万円から1万5000円の児童手当を受け取っている世帯を対象に、臨時特例給付金として1回限りで1万円支給される予定。さらに、年収250万円未満の家庭には、新たに高校生になった子ども1人あたり、国公立で年3万7400円、私立で3万800円支給される。

人事院、国家公務員給与改革に本格着手 高年齢層、地方引き下げ

MSN産経ニュース 2014年1月4日

 人事院は、国家公務員給与を民間水準に近づけるため、週明けから大幅な制度改革に本格着手する。55歳以上の職員や、地元企業との格差が大きい地方勤務者の水準引き下げが柱だ。2015年度からの実施を予定していたが、政府の意向を受け一部の改革は14年度中に前倒しして開始する。
 高年齢層の給与は、06年度からの給与構造改革で最大7%引き下げるなど数度にわたり見直された。しかし55歳以上の給与は依然として民間を約6%上回っている。人事院は若年層の給与水準を維持し55歳以上を一段と引き下げることで世代間の配分を適正化する。
 また12県で国家公務員との給与格差を百分率で調べたところ、平均で全国を2ポイント半ば上回っていた。改革では、地方勤務者の給与水準を一律2%強引き下げた上で、手当に差をつけ各地域の官民格差是正を図る案が有力だ。

消費税率10%、7─9月状況で判断するのが政府見解=官房長官

Reuters 2014年1月16日

[東京 16日 ロイター]
 菅義偉官房長官は16日午前の記者会見で、消費税率の10%への引き上げについて、7─9月の状況を見て判断するというのが政府の見解だと語った。
 本田悦朗内閣官房参与が15日夜、消費税率引き上げについて12月の判断を先送りすることもあり得るとの認識を示したことに関連して、政府内で共有されているか、との質問に答えた。
 菅官房長官は「首相が発言しているのはまさに経済状況を総合的に判断しながら、最終的に判断されるということだ。そういう中で7─9月の状況をみて判断したいと発言されている。それが政府見解のすべてだ」と答えた。
 また、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の新再建計画が認定されたことについては、東京電力の賠償、廃炉、汚染水対策などは国としての最優先課題だと指摘、「エネルギーコストの削減や日本経済の先行きについても、東電改革の成否が極めて大事だ」との認識を示した。計画の前提となる柏崎刈羽原発の再稼働については「あくまで収支計画上の仮定だ」とし、「今回の認定は再稼働のタイミングなどについて何ら予断を与えるものではない」と述べた。
 小泉進次郎内閣府政務官が、東京都知事選挙に立候補する舛添要一元厚生労働大臣を自民党が支援する大義がないと発言したことについては「できれば(舛添氏を)応援してほしい」とした。
(石田仁志 編集:吉瀬邦彦)

ホリエモン「日本のカード・信販会社の終焉が見えてきた」

週刊朝日 2014年1月9日

 簡単に決済のできるクレジットカードは現代社会でなくてはならないものの一つだが、ライブドアの元社長・堀江貴文氏は最近の体験から、カード会社の終焉が遠からずやってくると予測する。

 記事に巧妙に企業の宣伝を盛り込んで報酬を得る行為をステルス・マーケティング(以下ステマ)という。あるいは、ドラマとか映画に商品を報酬付きで登場させることを、プロダクト・プレースメントという。あらかじめ言っておくが、この原稿はステマ記事ではない。
 先日、知人が東京の麻布十番にオープンした「ウルトラチョップ」というラムチョップの美味しい店を訪問した。オープンして1週間くらいの時だ。実は中目黒に1号店があり、好評につき2号店をオープンしたというわけだ。
 確かに味は以前よりも焼き方が進化したのか、相当レベルが高い。1本480円とお手頃価格なのも嬉しい。さて本題はここからだ。飲食店では、もはやあたり前のことだが、カード決済をするためにカード決済端末を導入する。しかし、2号店にもかかわらずオープンに合わせて端末を導入できないと信販会社が通告してきたらしい。
 当初の1カ月くらいはカーボンコピーの機械を使って「ガッチャン」してほしいと言ってきたのだ。通信回線を使ってリアルタイムで決済できないので、いろいろと手間がかかるし、入金も遅れるだろう。業を煮やしたオーナーは、すぐにタブレット端末iPadで「Squareレジ」をダウンロードし、住所や法人名・銀行の口座番号などを入力して、ローソンで980円で売っている「Squareレジ」のカードリーダーを購入した。「Squareレジ」に登録すると千円がキャッシュバックされるため、端末は事実上タダなのだ。
 そしたら、すぐに決済ができて、三井住友銀行かみずほ銀行に口座があれば翌営業日に入金されるのだ。しかも決済手数料は3.25%である。日本の飲食店でカード端末を導入したら、4%以上の手数料設定が普通なのだが……。
 初期導入が簡単にできる分、Squareはカードの使用履歴を詳細にモニタリングしており、自分のカードを使って不正に決済した場合、数時間後にすぐにSquareから不正使用していないか連絡がきたらしい。日本のカード会社の場合、そういう利用をしても連絡がこないことがよくあるらしい。ちゃんと見ていないのだ。その代わり最初の審査に時間を掛けているということなのだろうか。
 この状況からしても、日本のカード会社は終わっていると思った。Squareは決済手数料も安いし、不正のモニタリングも強化されていて、スマホアプリでお手軽。しかもお客さんの目の前で決済できるので、スキミングの恐れも低い。
 今後レジアプリと連携して販売管理もシステム化できるだろう。アメリカでは年間1兆5千億円以上がこのSquareで決済されているらしい。個人事業主も簡単に導入できる。他にも同様のサービスにPayPal Here、楽天スマートペイなどがあるが、ローソンで端末が買える気軽さと初回審査の迅速さでSquareが一歩先を行っているようだ。このサービスがキャズム(溝)を越えた時、それが日本のカード会社の終焉の時なのかもしれない。

「児童虐待」を防ぐ切り札となりうるか? 「親権停止」とはどんな制度なのか

弁護士ドットコム 1月16日

 児童虐待が後を絶たない。厚生労働省によると毎年、約50人の児童が「虐待死」しているという。昨年12月上旬にも、生後7カ月の三女の頭をゆさぶるなどして死亡させた疑いで、愛知県の33歳の父親が逮捕されるという事件が報道されている。
 年間6万件を超える虐待相談で、加害者の9割近くが「実の親」だとされる。「虐待ではなく、しつけだ」と無理な主張をする親もいる。児童相談所が子どもを保護しても、「親権」を持ち出して、子どもを連れ帰ろうとするケースもあるという。
 民法には以前から、親の親権を完全になくす「親権喪失制度」があったが、親子関係を取り戻せなくなる恐れもあるため、利用が少なかった。そこで、激増する虐待に対応するため、親権を一時的に停止させる「親権停止」の制度が2011年から加わった。
 この「親権停止制度」とは、いったいどのような内容で、どのような場合に使えるのだろうか。子どもの人権問題にくわしい中田憲悟弁護士に聞いた。

子どもの「手術」に親権者が同意しない場合などに適用
 「親権停止は、2011年の民法改正で初めて作られた制度です。親権者が子どもの利益を害するときに、『2年を超えない範囲内』で、親権を停止するという内容です」
  中田弁護士はこのように述べる。具体的には、どのように使う制度なのだろうか。
 「親権停止制度は、たとえば次のような場合に、非常に有効といえます。
 1つは、子どもが病気となり、手術等の治療をすれば非常に高い確率で命を失わずに済むのに、親権者が宗教上や思想上の理由で手術に同意しないといったケースです。
 こういった例では、たとえば一時的に親権を停止するとともに、未成年者後見人を選任し、親権者に代わって手術の同意をしてもらうことが可能です」
 こうした場合、治療の間だけ「親権を一時的に停止」することが問題解決に繋がりそうだ。他にはどんな場合があるのだろうか?

「もう1つは、こんなケースです。
 離婚によって母親が親権者となったが、子育てを放棄して児童養護施設に預けていた。ところが、実父が亡くなり、子どもに多額の保険金が入ってきたとたん、母親が親権を強調し、自分の銀行口座に入金するようにと主張し始めた――。
 こうした事例では、母親が自分自身のためにお金を使ってしまう危険性がありますので、親権を停止して未成年後見人を選定し、後見人に財産管理を委ねたほうが安心です。私も実際に、似た事例で親権停止をしてもらったことがあります」

緊急案件には向かない「親権停止制度」
 では、親の日常的な虐待に対して、親権停止制度は有効に機能するのだろうか。
 「もちろん、親権者が子どもに暴力をふるったり、食事を与えずに放置したりする虐待行為に対しても、親権停止制度は利用できる形になっています。
 しかし、児童虐待の中でも、子どもが命を失うような緊急性が高い案件には、家庭裁判所による裁判手続を前提とする親権停止制度は不向きといえます。この制度だけでは、今にも命を落としたり、大怪我をしてしまうのではないかといった緊急事態には対応できないのです」

 それでは、子どもが命を失う危険性のあるような緊急事態に対しては、どのように対応するべきなのだろうか?
 「緊急案件については、警察の援助も得ながら、児童相談所に子どもを一時保護したうえで、家庭裁判所の承認を得て親子を分離し、子どもを児童養護施設に預けるという仕組みがあります。
 ただ、この仕組みがより有効に機能するためには、国民が意識を高め、虐待の気配に気づいたときは、児童相談所や市町村の窓口に通告をすることが必要です」
 それに加えて、児童虐待に関する専門家の育成も必要だと、中田弁護士は強調する。
 「児童相談所が通告を受け、警察を伴って安否確認をする際に、子どもの怪我の様子や表情、親の怪我に関する説明から、虐待の疑いを察知しなければならないからです」
 子どもの虐待死という悲惨な結果が報道されたとき、「そういえば、寒い日に子どもがベランダに出されていた」とか、「いつも怒鳴り声と悲鳴が聞こえていた」といった近くの住民のコメントを目にすることがある。つまり、国民の意識や相談機関の専門性がもっと高ければ、幼い命が救われたかもしれないのだ。
 「虐待防止に向けての取り組みは、まだまだ不十分だと思います」。中田弁護士はこう指摘しながら、社会全体の意識向上を呼びかけていた。

野島伸司監修ドラマ「明日、ママがいない」に大反響 「児童養護施設はこんな所じゃない!」怒りの声も

J-CASTニュース 2014年1月16日

 「家なき子」企画・原案、「高校教師」「聖者の行進」脚本など、数々の話題作に携わってきた野島伸司さん脚本監修の日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」が2014年1月15日にスタートした。初回の平均視聴率は14.0%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)とまずまずの数字だった。
多くの人に見られたドラマだが、内容を支持する人ばかりではなかったようだ。主演の芦田愛菜さん(9)らが生活する児童養護施設の描かれ方がかなりセンセーショナルで、怒りの声も上がっている。
 「お前たちはペットショップの犬と同じ」施設長が言い放つ
交際相手を灰皿で殴って母親が逮捕された少女・真希(鈴木梨央さん)が、児童養護施設「コガモの家」に預けられるところから物語は始まる。
不穏な空気で薄暗い施設の中では、子供達はあだ名で呼び合っている。芦田さん演じる施設の代表格の少女「ポスト」は、赤ちゃんポストに預けられていたことからそう名乗るようになった。
ポストら施設で暮らす少女たちは、真希に対し「ママが彼氏鈍器で殴ったんでしょ?あだ名ドンキでいいよ」など無神経と思える言葉をぶつける。
「魔王」と呼ばれる施設長の佐々木(三上博史さん)は、杖で床をドンドンと叩き威圧する、言うことを聞かない子供は怒鳴りつけ殴る、バケツを持って立たせるなど、恐怖の存在だ。食事前には「泣け。お前たちはペットショップの犬と同じだ。飼い主の庇護欲をそそるように泣け。泣いた奴から食っていい」と言い放つシーンもあった。
真希は母親と一緒に帰宅することを心待ちにしていたが、釈放された母親は殴った交際相手と結婚すると言って、真希を施設から連れて帰らないと決めた。ポストは真希に「今日、あんたが親を捨てた日にするんだ」という言葉をかけ、真希は施設で「ドンキ」として暮らすことを決意する――というストーリーだった。

慈恵病院が放送中止求める意向明かす
衝撃作だけあって、インターネット上では視聴者から様々な意見が書き込まれている。
特に児童養護施設の関係者という人々からは、
 「こんなのあり得ません。もっと子供たちは純粋だし、職員は親元にいつか返すために本当に頑張ってるし!」
 「施設では体罰は虐待として通告義務があり、あのような光景は見られません。怒鳴っただけで通告されます」
 「いくらドラマだからってもう少し内実を知って、脚本書いてほしい」
 「今後施設児童が『親がいない、離れて暮らしている』ってだけで、学校で虐めやペット扱いされたり、同情されたりしたら許せない」
 など、怒りの声が相次いでいる。
児童養護施設から社会に巣立つ子供達の支援をしている、NPO法人「ブリッジフォースマイル」代表の林恵子さんも、Facebookで
 「一番残念なのは、施設ってこんなところ、職員ってこんな人たちって、思われる所。児童養護施設で、日々子ども達のために尽力している職員のみなさん、児童相談所のみなさんは、どんな思いでいるのでしょうか。里親さんも、怒っているんじゃないかな。子どもの人権侵害で訴えられてもおかしくない」
 と苦言を呈した。
赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」を設置する慈恵病院(熊本市)や全国児童養護施設協議会は、「子供の人権侵害になる」などとして放送中止の要請も含めて日本テレビに意見する方針を明かした。
一方、「あの施設は何かワケアリで普通の児童養護施設じゃないっていうのは職員じゃなくてもわかるわ。フィクションドラマをマジに捉えるほうが馬鹿馬鹿しいしそんなこと言い出したらきりがない」「これから子ども達がどう立ち上がるか、職員はどう考えてあんな立ち回りをしてるのか、ホントは施設の子どもも職員に見せてない顔があるかも、注目するのはそこでしょ」など、ドラマを支持する声も上がっている。
施設で育ったという人の「いいドラマだ!絶対幸せになってやる!」「『施設の実情はうんたら~』とか『施設というものが誤解される』とか言ってる大人ども!施設育ちのわたしからしたら、そんな事どうだっていいんだよ!」といった書き込みもある。
日本テレビはこうした反響を受けて、「ドラマは子どもたちの心根の純粋さや強さ、たくましさを全面に表し、子どもたちの視点から『愛情とは何か』を描くという趣旨のもと、子どもたちを愛する方々の思いも真摯に描いていきたい」とコメントした。今後も予定通り放送するとのことで、演出やストーリーはどうなっていくのか、注目が集まる。