保護した幼児の裸を撮影した疑い 児童相談所元職員逮捕

朝日新聞 2014年1月30日

 一時保護中の幼児の裸を撮影したとして、神奈川県警は30日、川崎市の児童相談所の元非常勤職員、川野雄太郎容疑者(28)=川崎市多摩区宿河原5丁目=を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造・提供)容疑で逮捕したと発表した。「幼い児童に性的興味があった」と容疑を認めているという。
 県警少年捜査課によると、川野容疑者は2012年5~7月、川崎市内の児童相談所に勤務中、一時保護された3~5歳の男児3人と女児1人が寝ている間に下着を脱がせて、携帯電話の動画機能で下半身を撮影した。また、動画の一部を知人男性(23)に提供した疑いがある。
 川野容疑者は2012年5月~昨年10月、児童指導員としてこの児相に勤務。入所している子どもの着替えや入浴などの世話をしていた。携帯電話には20点以上のわいせつ画像や動画が見つかっており、同課は余罪を調べている。

男子高校生を買春、児童相談所勤務の男を逮捕

SANSPO.COM 2014.1.20

 山口県警は20日、インターネットの掲示板を通じて知り合った男子高校生にみだらな行為をしたとして、児童買春・ポルノ禁止法違反(買春)の疑いで、児童相談所に勤務する北九州市八幡西区山寺町、同市非常勤嘱託員吉村直哲容疑者(36)を逮捕した。
 逮捕容疑は昨年5月12日ごろ、佐賀県内のホテルで、福岡県内に住む男子生徒=当時(17)=に現金を渡す約束をしてみだらな行為をした疑い。
 山口県警によると、吉村容疑者は「間違いない」と容疑を認めている。
 山口県警がほかの事件の捜査で生徒を事情聴取したところ、今回の被害が発覚した。(共同)

あざ30カ所 2歳女児死亡 怒声、泣き声…住民通報

東京新聞 2014年1月30日

 三十日午前二時半ごろ、東京都葛飾区東新小岩八の無職男性(33)が「子どもが苦しがり、息をしていない」と一一九番した。警察や消防が男性が住むアパートを訪れ、次女の坂本愛羅(あいら)ちゃん(2つ)を病院に搬送したが、間もなく死亡が確認された。愛羅ちゃんの上半身には約三十カ所のあざなどがあり、警視庁葛飾署は日常的に虐待を受けていた可能性があるとみて、男性と妻(26)から事情を聴いている。
 署によると、両親は愛羅ちゃんについて「二、三日前に近くの公園の滑り台から落ちた。三十日に入って具合が悪くなった」と説明しているという。愛羅ちゃんの頭から腹部にかけて比較的古いあざがあり、唇も切れていたことから、署は三十一日に司法解剖して愛羅ちゃんの死因を調べる。
 男性は愛羅ちゃんのほか、妻、生後九カ月の三男との四人暮らし。両親の話では、愛羅ちゃんと三男のほかに三人の子どもがおり「児童相談所などに預けている」と説明しているという。
 死亡した坂本愛羅ちゃんのアパート周辺では、複数の住民が子どもの泣き声を聞いていた。
 アパート向かいの民家に住む主婦(37)は、昨夏に二度ほど、しかりつけるような男性の怒鳴り声と、子どもの泣き声を聞いた。「午前中だったので、学校に行っていない小さい子どもなのかと思った。どこの部屋かは分からなかった」と振り返る。
 別の民家の男性(73)は、昨年十月七日午後五時ごろ、アパートの方向から「この野郎」などとののしる激しい男性の怒鳴り声と「ごめんなさい」と子どもが謝りながら悲鳴のような声を上げているのを聞き、一一〇番した。
 「虐待を疑って通報すると、警察が調べにきた。それ以来、こうした声は聞かなくなったので、引っ越したのかと思っていた」と話した。

幼児虐待?:2歳女児死亡 全身に多数のあざ 東京・葛飾

毎日新聞 2014年01月30日

 30日午前2時半ごろ、東京都葛飾区東新小岩8のアパートの一室で、坂本愛羅(あいら)ちゃん(2)が意識不明になっているのを両親が発見し、119番した。愛羅ちゃんは救急車で搬送されたが、間もなく死亡が確認された。警視庁葛飾署によると、愛羅ちゃんの全身には多数のあざがあり、虐待され死亡した可能性もあるとみて両親から事情を聴いている。
 同署によると、救急隊が到着した際、愛羅ちゃんは電気毛布の上でぐったりしていた。顔や胸、背中など約30カ所にあざがあり、唇が切れていた。31日に司法解剖して詳しい死因を調べる。両親は「30日午前2時ごろに便を漏らすなどして、あおむけに倒れた」と説明。虐待は否定し「2、3日前に近くの公園の滑り台から落ちた」などと話しているという。
 この家は、いずれも無職の父(33)と母(26)、次女の愛羅ちゃん、9カ月の三男の4人暮らし。母親と別の男性との間に生まれた長女(6)、長男(5)、次男(3)がおり、東京都家庭支援課によると現在、親類宅に預けられているという。同課は「児童相談所で虐待の通告は受けていない」としている。
 近所の男性によると昨年10月、この部屋から「ふざけんじゃねえ。こいつ何やってんだ」という男の怒鳴り声が聞こえ、子供が「ごめんなさい」と泣きながら謝っていた。男性は「泣き声は30分間ぐらい続いた。3日連続で泣き声がしたので警察に通報したことがあった」と話した。【松本惇、山崎征克、神保圭作】

大津の1歳死亡 ネグレクト認定…県検証部会

読売新聞 2014年1月30日

 大津市で2011年6月、高熱を出していた当時1歳7か月の男児が母親に放置されて死亡したとされる事件で、県の児童虐待事例検証部会(部会長=野田正人・立命館大教授)による報告書が29日、まとまった。原因は養育を怠るなどした「ネグレクト」と認定し、市による指導や情報収集が不十分だったことや、県の担当者は市町などの持つ情報を把握していない連携不足に陥っていたと指摘した。(西堂路綾子)
市の対応不十分、県との連携不足も指摘
 検証部会には弁護士や元児童相談所長、小児科医ら7人の委員がおり、12年9月から検討を開始。計5回の会議のほか、関係者からの聞き取りや、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の高橋由美子被告(30)の地裁公判(懲役5年の実刑判決、控訴中)を傍聴するなどして、死亡に至った経緯や問題点、再発防止に向けた課題などをまとめた。
 大津市については、主に初期の情報収集が不十分だった点と、危険が差し迫っていることを判断できなかった点を指摘。高橋被告はシングルマザーで、兄の世話が十分でない状況から、市は09年6月には育児放棄の兆しをつかみながら、男児が死亡した頃、保育士や市職員による訪問以外、踏み込んだ対策がなかった。
 また、それ以前に出産した兄は、出産する段階で初めて産婦人科を受診する「飛び込み出産」で、ネグレクトの危険性が予見できたが、市は事件が起きるまでこうした事実を把握しておらず、市の保健師や県の児童福祉司の目を十分に生かせなかった、と問題視している。
 市には育児に問題のある家庭の家事を支援する事業がないこともあり、母親は養育力が足りないまま、男児は十分な食事や入浴の機会を与えられず、発育状態が悪かったことも指摘。病院にかかっていれば、その内容をつかむよう求めた。
 一方、男児が死亡する直前の11年6月、県の子ども家庭相談センター(児童相談所)の児童福祉司は、大津市が要請した事例検討の会議に出席せず、市の報告も放置していた。報告書は「情報が漏れない仕組み作りと、センターの専門性を高めることが必要」と結論づけた。
 野田部会長は「子どもを殴るなど目に見えやすい虐待ではないだけに、危険性を読み取るのが難しかった」と感想を述べた。「県にとって市町の後方支援は大きな課題。研修の機会を増やすなど人材育成に力を入れてほしい」と話した。報告を受けた嘉田知事は、「二度と起きてはならない悲しい事件。県の施設や人材の確保を進めたい」と語った。