児童養護施設で職員が性的虐待 岡山県が運営法人に改善勧告

山陽新聞ニュース 2014年2月18日

 岡山県は18日、県内の児童養護施設で20代の男性職員が男子児童3人に性的虐待を行ったとして、運営する法人に対して児童福祉法に基づき、再発防止などを求めて改善勧告した。
 県子ども未来課によると、1月20日に施設から県へ通報があった。入所児童、生徒全員に面接調査すると、男性職員が1人で宿直していた同17日未明に児童の寝ている部屋に入り、下半身を触った。別の2人も昨年秋ごろから同様の被害を受け、うち1人は複数回だったとする。
 男性職員は同19日から自宅待機中。県の調査に対し、同17日に被害を受けた1人への虐待は認めたが、他の2人については「覚えがない」と話しているという。
 勧告は法人に対し、性的虐待の再発防止と早期発見のための勤務体制構築、入所児童生徒が問題を訴えやすい環境づくりなどを要請。3月17日までに改善計画書を提出するよう命じている。
 県は今後、児童の精神状態を見ながら男性職員の告発も検討。他の児童養護施設にも緊急自己点検の実施を求める。

豊橋双子の虐待死、行政対応に難しさも

朝日新聞デジタル 2014年2月18日

 愛知県豊橋市で双子の女児が「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」とみられる症状で相次いで死亡した事件で、県警は17日、次女への傷害致死容疑で父親の鈴木和也容疑者(34)=三女に対する傷害致死罪で起訴=を逮捕した。

容疑の父、否認
 逮捕容疑は2012年2月23日夜、豊橋市民病院で、入院していた生後2カ月の次女紅玲愛ちゃんを激しく揺さぶるなどし、死なせたというもの。
 児童相談所からの通報を受け、県警は捜査に乗り出したが、否認している▽不特定多数が出入りできる場所で起きた▽外傷がはっきりしない――などの理由で難航。しかし、病院関係者に事情聴取を重ね、紅玲愛ちゃんに暴行できたのは鈴木容疑者しかいなかったと判断。さらに複数の専門家に鑑定を依頼し、体を揺さぶるなどして脳内が傷ついた可能性が高いことを突き止め、疑惑浮上から約2年後の逮捕に踏み切った。
 一方、鈴木容疑者は「逮捕された事実を否定します」と供述。三女の事件と同様、虐待死させたとする容疑を否認している。

兆候発見後の保護 課題
 SBSとみられる症状で双子の女児が死亡した愛知県豊橋市。虐待に携わる行政の担当者や関係者は「兆候が分かっても、そこから先の対応が難しい」と頭を悩ませる。虐待は防げるか――。救える命を見逃さないため、行政が育児世帯の情報を地域に開示する試みも始まった。
 全国で児童虐待相談の対応件数は増えている=グラフ。東三河児童・障害者相談センター(豊橋市)の水野清司センター長は今回の事件について、児童相談所に対し、父親が虐待を否定したほか、警察のような捜査権がないという2点を挙げ、「児相が虐待を疑っても、それを確認し、強制保護に踏み切るのは難しい」と打ち明ける。
 児相には、虐待を受ける子どもを救出する一方、家庭に戻し、親子関係を修復する――という2種類の使命があることにも触れ、「疑ったり強制保護に踏み切ったりして保護者の信頼を失ってはいけない。子どもが一生、親元に戻れなくなる可能性がある」と話す。
 こうした中、豊橋市では昨年5月から、新しい取り組みが始まった。
 「おはようございます! お母さんですか?」。1月下旬、市内のアパートに主任児童委員の大林泰子さん(54)と民生・児童委員の佐々木みさ子さん(64)が訪れた。この部屋には母親(34)と生後3カ月の男児が暮らす。2人はお尻ふきシートをプレゼントしながら、悩みはないか▽相談できる人はいるかなどを聞き出した。最後に「心配なことがあれば連絡して下さい」とチラシを渡した。
 この「こんにちは赤ちゃん訪問事業」は2012年9月に起きた育児放棄による女児(当時4)の衰弱死をきっかけに始まった。市は1カ月ごとに市内36地区の民生委員児童委員協議会に出生情報を提供。協議会は生後3カ月過ぎの子どもがいる家庭を訪問し、訪問拒否や気になる家庭があれば、市に連絡している。
 事業の開始にあたり、個人情報の開示が議論になったが、市が地域ぐるみで取り組もうと導入を決断した。愛知県尾張旭市も同様の取り組みをしているが、東海3県でほかの自治体への広がりはないという。(寺本大蔵)

生後3か月の男児死亡、虐待の疑いで捜査

日本テレビ系(NNN) 2014年2月18日

 大阪市住吉区で先月、生後3か月の男児が頭の骨を折るなどして死亡し、警察は虐待の疑いがあるとみて捜査を始めた。
 先月、大阪市住吉区のマンションの一室で、生後3か月の男児が心肺停止の状態となり、搬送先の病院で死亡した。司法解剖の結果、男児には硬膜下血腫が生じ、頭の骨が数か所折れていた上、体にもアザがあったという。
 男児は両親と姉らと暮らしていたが、病院に搬送された時、部屋にいたのは男児と父親だけだった。父親は、暴行については否定しているが、「誤って頭から落としたことはある」と説明しているという。警察は、男児が虐待を受けた疑いがあるとみて慎重に捜査している。