明日、ママがいない 批評まとめ

2014年2月3日に送信後、1週間経過しましたが、何も変化が見られないので、しつこいようですが再度、送信しました。今回は、こちらのメルアドに返信をくれるよう依頼しています。

日本テレビの全般に関するご意見・ご感想 投稿日:2014/02/11

「明日、ママがいない」視聴者の意見

 大切な視聴者からの意見として真摯に受け止め、番組担当者は、必ず検討し善処して下さい。日本テレビという善良な企業が、適正な指摘を無視することはないと信じています。
 真摯に対応した結果を確認させていただきたいので、メルアド に検討結果を送信していただきますよう、よろしくお願いいたします。

明日、ママがいない イントロダクションの間違い

 確かにフィクションドラマであり、表現の自由は遵守されるべきです。しかし、それが、実在する公的名称を使い、全く異なる世界観を描いて良いとの根拠にはなりません。
 存在しない架空の福祉施設を描くのであれば、存在しない架空の名称を創作すべきです。日本テレビは、イントロダクションにおける表現の誤りを正すべきです。

物語の舞台は、児童養護施設

 明らかに、現実の児童養護施設とは、違う舞台設定であり、「児童養護施設」と断定的に表現していることが誤解を招いてしまいます。

児童福祉施設最低基準 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
(職員)
第四十二条  児童養護施設には、児童指導員、嘱託医、保育士、個別対応職員、家庭支援専門相談員、栄養士及び調理員並びに乳児が入所している施設にあつては看護師を置かなければならない。ただし、児童四十人以下を入所させる施設にあつては栄養士を、調理業務の全部を委託する施設にあつては調理員を置かないことができる。

 ドラマの職員人員配置では、児童養護施設の基準を満たして居らず、「児童養護施設」と表現しているのは不適切です。
 では、地域小規模児童養護施設としては、どうでしょう。

地域小規模児童養護施設の設置運営について
4.定員等
地域小規模児童養護施設の定員は、本体施設とは別に6人とし、常に現員5人を下回らないようにすること(ただし、指定の直後はこの限りでない。)。

 ドラマの児童人数は、ポスト、ドンキ、ピア美、ボンビ、オツボネ、パチ、ハン、リュウの8名であり、この時点で、地域小規模児童養護施設に当てはまりません。

5.設備等
(1)日常生活に支障がないよう必要な設備を有し、職員が入所している子どもに対して適切な援助及び生活指導を行うことができる形態であること。
(2)個々の入所している子どもの居室の床面積は、一人当たり4.95㎡以上(幼児については3.3㎡以上)とすること。ただし、平成22年度において指定を受けているものにあっては、なお従前の例による。
なお、原則として、一居室当たり2人までとすること。
(3)居間、食堂等入所している子どもが相互交流することができる場所を有していること。

 また、ドラマでは4人部屋となっているため、原則に反しています。

6.職 員
(1)地域小規模児童養護施設専任の職員として児童指導員又は保育士を2人置くこと。
(2)その他の職員(非常勤可)を置くこと。

 職員数についても規定を満たしていません。

 従って、ドラマの設定は、児童養護施設でも、地域小規模児童養護施設でもありません。
 「物語の舞台は、児童養護施設」と言う断定的な表記は、撤回すべきです。

親の愛から見離された少女たちが集まる

 これは、ドラマの設定だから仕方ありませんが、現実の児童養護施設に住んでいる子どもたちが、みんな「親から見放された」子どもと誤解されたら心外です。保護者としても、「仕方なく預けるしか道がなかった」と言う方もいらっしゃる。例え、現実的に「見離された」状態であったとしても、その現実を受け入れられず、親を信じ続ける子どもたちも確かに存在しています。

そこは、親のいない子どもたちが暮らす場所

 舞台の年代が分かりませんが、この表現は、昭和40年代以前でないと当てはまりません、映像を見る限り、現在を舞台にしています。現在の児童養護施設では、「親のいない子ども」の比率は、低いため、児童養護施設を説明する文章としては不適切です。
*児童養護施設児童総数を100%とした時、両親共にいないか不明は、総数の8%、血縁関係もいない天涯孤独の児童は、総数の3%程度とデータが表しています。

子どもたちがやってくる理由のほとんどは 虐待だ

 すごく、断定的な言い回しです。この文言を信じた人は、児童養護施設の子どもたちは、みんな、虐待を受けているんだと捉えてしまいます。また、外部の人が面会に来ている保護者を見た時、「あの人が虐待していたんだ」と色眼鏡で見てしまう危険性を秘めています。確かに、措置理由として、「被虐待」もありますが、平成20年の調査では、児童養護施設の場合、53.4%が虐待を受けていたとの結果があるものの、それは、「ほとんど」と言う表現には当てはまりません。
*児童相談所が、福祉施設へ措置するときの措置理由を数値化した表があります。分析すると、家庭養育困難が44.7%、親の精神疾患8.2%、被虐待22.8%、養育放棄4.6%、経済的理由8.1%、児童に問題3.7%、その他7.9%となります。棄児や養育拒否も結果論としては虐待ですが、その時点では虐待の事実がないので、措置理由としては分類されます。従いまして、措置理由としては、被虐待22.8%です。福祉施設に入所後、生活を通して、子どもの身体の痣を発見したり、子どもがさりげなく過去の話をしたりする中で、虐待の事実が明白になってくることが多く、平成20年の調査結果では、53.4%でした。

 イントロダクションとは、ドラマの導入部ですが、その導入部に誤りがあります。最初に「物語の舞台は、児童養護施設」と断定しているため、「親の愛から見離された少女たちが集まる」「そこは、親のいない子どもたちが暮らす場所」「子どもたちがやってくる理由のほとんどは 虐待だ」、これらの文章が、児童養護施設を指していると誤解を招いています。