三上博史「明日ママ」質問に無言…質疑応答中止、10分早く打ち切りの厳戒態勢

デイリースポーツ 2014年2月1日

 日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」(水曜、後10・00)に児童養護施設の施設長役で出演する俳優・三上博史(51)が1日、都内で、舞台「新版 天守物語」の会見に出席した。会見は質疑応答が急きょ中止となる厳戒態勢で、会見後には、報道陣からドラマに関する質問が飛んだが無言のまま会場を後にした。
 1月29日放送の第3話から、スポンサー全8社がCM見合わせ、激震が走っている同ドラマ。三上は、施設の子供たちに厳しい規則や罰を課し、「魔王」とあだ名をつけられている施設長・佐々木友則役を演じている。
 この日の会見は、最初からピリピリムードで、司会者が3問質問をするのみ。予定していた記者の質疑応答は中止となり、会見自体も10分早く終了した。
 会見後、スタッフに囲まれ退場する三上に対し、報道陣から「ドラマが問題となっていますがどう思われますか?」「内容変更ということですが」「視聴者に一言」と矢継ぎ早に質問が飛んだ。しかし、三上は声に反応して振り返って笑顔を見せたが、質問には答えず無言のまま足早に立ち去った。

『明日ママ』経過
1月15日 初回放送
・同16日 熊本市の慈恵病院が会見で「養護施設の子供や職員への誤解偏見を与え、人権侵害」と放送中止を申し入れる。日本テレビは「最後までご覧いただきたい」
・同22日 慈恵病院が放送倫理・番組向上機構(BPO)に申立書送付。第2話放送。スポンサー3社がCM放送見合わせ
・同24日 さらに2社が第3話以降のCM見合わせ決定
・同25日 出演する城田優が「全部見てから判断して」とコメント
・同27日 残る3社がCM見合わせを決定。スポンサー全8社がCMを放送しない異例の事態に
・同29日 「高須クリニック」の高須克弥院長がスポンサーに名乗り(最終的に日テレ側から断られる)
・同30日 日テレが都内で全国児童養護施設協議会の幹部と面接。ドラマの内容改善の方針を伝える。

第3話は過去最高視聴率15.0% 芦田愛菜『明日ママ』週2回再放送する「日本テレビの強気ぶり」

日刊サイゾー 2014年1月30日

 団体などから抗議を受けている芦田愛菜主演のドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)の第3話が29日に放送され、平均視聴率15.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前作よりも1.5%アップし、過去最高視聴率となった。
 これまでスポンサー企業として報じられてきた8社に加え、NTT東日本・西日本も提供スポンサーであったことが29日、一部スポーツ紙の取材で発覚。第3話では、この全9社がCMを見合わせ、ACジャパンの公共CMなどに差し替えられた。
 第3話では、「星座が射手座であれば、年齢性別不問で子どもを引き取りたい」という里親候補の夫妻が現れ、ポスト(芦田)とオツボネ(大後寿々花)が“お試し”(養子縁組となる前に、その家で試験的に過ごすこと)へ。しかし、そこに夫妻の姿はなく、現れたのは、家政婦と孤独な暮らしを送る車いすの娘・アズサ(優希美青)。ポストはアズサのよき話し相手となるが、アズサに悲劇が訪れる――。
 これまで、周囲から「施設の子」とばかにされ、一番の幸せは“本当のママが自分を愛してくれること”だと疑わなかったポストとドンキ(鈴木梨央)。だが第3話では、両親がいながらも孤独を抱える少女たちの姿を目の当たりに……。「実の親がいても、寂しいと思うやつがいるんだな」「何が幸せなんだか、分からなくなるよ」と、悩ましい表情を浮かべるポストが印象的であった。
 今回、ネット上で意外と多いのが「今まで見てなかったけど、あまりにも騒がれているので初めて見た」という視聴者。その感想は、「描き方が過激すぎる」「こんなひどい“あだ名”はおかしい」「このドラマが何を訴えたいのか分からない」「子役に、大人みたいなセリフを言わせないでほしい」といった否定的な声から、「報道を見て、暗くジメジメとしたドラマを想像していたが、実際はカラッとした明るいドラマだった」「子どもたちの心を尊重した良い作品」「どこがそこまで問題なのか分からなかった」「子役たちのコミカルなシーンに笑った」といった声まで、さまざまだ。
「騒動が発端で見始めた人も多く、今回の視聴率上昇を受けて『騒げば騒ぐほど、視聴率は上がる』『見せたくないなら、騒ぐのを辞めることだ』という皮肉めいた声も。同作は、放送を中止するどころか、関東では水曜夜10時の本放送以外にも再放送を行っており、これまで各話週3回ずつ放送されている。同局で放送中の武井咲主演『戦力外捜査官』でさえ、放送後に一度、簡単なPR番組を流すだけ。さらに、田中直樹主演『慰謝料弁護士』に至っては、本放送のみ。再放送の多さからも、日テレの強気の姿勢がうかがえます」(芸能記者)
 次回の第4話では、アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットのような夫婦に引き取られることを夢見るボンビ(渡邉このみ)が、初めて“お試し”に行くというストーリー。騒動による、視聴率への影響にも注目したい。

芦田愛菜主演『明日ママ』が内容改善を検討も……日テレは“なあなあ”に問題収束へ!?

日刊サイゾー 2014年01月31日

 スポンサー全社がCM放送を見送っている芦田愛菜主演のドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)が、全国児童養護施設協議会の抗議を受け、内容の変更を検討することが明らかとなった。
 30日、同局の佐野譲顕制作局長、福井雄太プロデューサーら3人と、協議会の藤野興一会長、武藤素明副会長が1時間以上にわたり面会。同協議会が改善を求めたのは、「施設内での子どもへの暴力や暴言」「子どもをペット扱いするような表現」「子どもに対する『ポスト』などのあだ名」の3点で、さらにドラマにより傷ついた児童への謝罪も求めた。
 これを受け、日テレ側は「改善する。具体的には持ち帰り検討する」とコメント。次回放送前日の2月4日までに、変更点を具体的に提示するという。
 一見、折れたようにも見える同局だが、ある記者は「“なあなあ”な返事を繰り返しながら、最終回までこじつけるのでは?」と話す。
「同協議会が改善を求める項目を見る限り、問題視されているのは、主に施設長(三上博史)の登場シーン。しかし、もともと施設長の暴言が目立つ脚本は、主に第2話まで。第3話では、傷ついて帰ってきたオツボネ(大後寿々花)にカレーを食べさせ、『うまいか?』と優しく投げかけるシーンなどもあり、今後はさらに、不器用ながらも愛情が垣間見えるシーンが増えていくとか。なので、脚本の修正点はさほどないともいえます。ただし、“あだ名”の改善は難しい。突然、主人公の名前が変わっては不自然ですし、『捨てられたんじゃない。親を捨てたんだ』と前向きに生きる施設の子どもたちを表す象徴が、このあだ名ですから」(同)
 改善が見られない場合、あらためて放送中止を訴える意向を示している全国児童養護施設協議会。日テレはどのような説明で、同協議会と視聴者を納得させるのだろうか?