「明日、台本が届かない!?」芦田愛菜『明日ママ』現場、放送10日前までギリギリ撮影の実態

サイゾーウーマン 2014年1月30日

 熊本市・慈恵病院、全国児童養護施設協議会および全国里親会が放送中止などを訴えたことで、賛否両論を巻き起こしているドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)。29日放送の第3話では、スポンサー全8社がCM放送を見合わせる事態に発展。前半がACのCMに差し替えられ、ネット上では「AC祭りキタ!」などいろいろな意味で話題を独占した。視聴率も2話の13.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から1.5%アップの15%を記録した。しかし現場ではそんなネットの祭りを話題にする余裕すらないという。
もともと松嶋菜々子主演で進められていたドラマがドタキャンされたことで始まった代替ドラマ。そのため準備期間が通常のドラマより短い。加えて、1話放送後に騒動に発展したことで、社内チェックが厳しくなり、台本の上がりも遅くなってしまった。一部週刊誌では『1話放送時にすでに7話まで撮り終わっているから変更がきかない』と報じられましたが、実際は放送の10日ほど前に各話を撮り終わるというギリギリのスケジュールです」(テレビ誌記者)
 確かに、24日発売の「FRIDAY」(講談社)では1月17日に和光市で行われたという同ドラマのロケの様子が掲載されているが、写真には3話ゲストの優希美青の姿も確認できる。さらにロケを目撃した近隣住民からはこんな証言も出てきた。
 「私が目撃したのは、芦田愛菜ちゃんが車椅子を坂で離すというシーンですが、それも17日に撮影していましたよ。和光市駅からほど近い中学校の裏手の線路沿いで撮影していたので、昼休みには中学生たちも野次馬にきていましたね。そのシーンも、3話の予告ですぐ使われていたので、撮影からすぐに放送されるもんだなと驚きました」(近所の住民)
 7話まで撮影済みどころか、現場はハードな進行に追い詰められているようだ。
 「日テレのドラマは、他局に比べてなぜかタイトなスケジュールの作品が多い。それにしても、3話の段階で10日ほど前まで撮影しているというギリギリの進行は聞いたことがありません。通常は天候などで外ロケが中止になることも想定し、初回放送の5週間ほど前にクランクインし、最終回は10日~2週間ほど前に撮り終わる。しかし『明日、ママ』はクランクインが遅かった上、メインキャストが子役のため夜中の撮影もできず、どうしてもタイトなスケジュールになってしまう。その上、社内チェックの強化で台本の完成が遅れているため、現場では『明日、台本が届かない』と揶揄されていますよ」(制作関係者)
 今期は各局でソチオリンピック特番が組み込まれているため、放送休止になる週に撮影の遅れを取り戻すことも当初から想定済みなのだろう。しかし今後さらなる騒動に発展し、台本のチェックが厳しくなれば、謎の打ち切り……という事態に発展する可能性も否定できないようだ。

明日、ママがいない:第3話視聴率15.0%と番組最高に

毎日新聞 2014年01月30日

 人気子役の芦田愛菜ちゃん(9)が主演する連続ドラマ「明日、ママがいない」(日本テレビ系)の第3話が29日放送され、番組平均視聴率は15.0%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、第1話の14.0%を超え番組最高を記録した。
 同ドラマは、赤ちゃんポストに預けられた設定の主人公が「ポスト」のあだ名で呼ばれていることから、「こうのとりのゆりかご」を設置する慈恵病院(熊本市)が放送中止を求めたほか、全国児童養護施設協議会などが同局に内容の改善を求めている。
 ドラマは、さまざまな理由で親と離れ離れになった子供たちが児童養護施設の厳しい規則や世間からの冷たい視線にめげることなく、たくましく生きていく姿を描いている。
 第3話では、児童養護施設「コガモの家」を来年には出ていかなければならない17歳のオツボネ(大後寿々花さん)が条件の合う里親候補がなかなか見つからず悩んでいた。そんな中、年齢性別不問で子供を引き取りたいという里親候補が現れる。条件はただ一つ、星座が射手座であることだけだった……というストーリーだった。毎週水曜午後10時放送。

「明日、ママがいない」第3話の視聴率は15・0%と微増

産経新聞 2014年1月30日

 29日午後10時から放送された日本テレビの連続ドラマ「明日、ママがいない」第3話の視聴率は、関東地区で15・0%だったことがビデオリサーチ社の調べで分かった。
 第1話は14・0%、第2話は13・5%。
 同ドラマでは、児童養護施設の職員が児童に暴言を吐くなどの内容に、関係団体が相次いで抗議。施設で暮らす児童の自傷行為や、学校でからかわれた-などの報告が全国児童養護施設協議会に寄せられている。

慈恵病院、「明日、ママがいない」への見解をサイトで公開
全国児童養護施設協議会も日本テレビに改めて番組改善を要請。

ねとらぼ 2014年01月29日

 熊本の慈恵病院は1月29日、公式サイトに「現在放送中の『明日、ママがいない』放送に当たりまして」と題する見解を公開した。
 同病院は、日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」に対して、その内容が「児童養護施設で生活する敏感な子どもたちに与える影響が大きいと予想される」と放送以前から問題視。昨年12月から内容変更を申し入れており、第1回が放送されるにあたり放送中止を求めていた。
 サイトでは「当院のお願いが一種の論争を引き起こす形となったにも関わらず、皆様に十分な情報が伝わりにくくなっていることに対し、深くお詫び申し上げます」と謝罪するとともに、9項目について見解を述べている。
 項目では「第1回放送分の問題点」に言及。「フィクションだから、いいのでは?」「売名行為では?」といった疑問や意見について答えている。
 見解の公開については、誤解を招く状況が生じており、改めて理解を求めるためであり、「一般家庭のお子さんだけではなく、児童養護施設へ入所する前に家庭で虐待を受けたお子さんの、傷ついた心のケア」の問題であり、「虐待を受けた中にはトラウマ(心的外傷)の影響から脱却できないケースがあります。友達が冗談で投げかけた『ポスト』『ロッカー』『ドンキ』などの言葉も、虐待を受けた子どもの心には刃物のように突き刺さり、フラッシュバックの引き金になりかねません」と説明している。
 また、全国児童養護施設協議会からも「施設の子どもたちを、これ以上傷つけないでください」とする改善要求が公開されている。それによると、第2回の放送においても「子どもを動物扱いしたり、恐怖心で子どもを支配する表現が多くみられる」と改善が見られなかったため、実態を調査するために都道府県の本会役員に対しアンケートを実施。その結果、「子どもが情緒不安定となり自傷行為に及ぶ事例や、施設の子どもがクラスメイトに心ない言葉をかけられる事例等が報告」されたことを明らかにしている。
 その上で、日本テレビに対して改めて「施設の子どもたちをこれ以上傷つけることのないよう、子どもの人権に配慮した番組内容とするように要請」するとともに文書による回答を求めた。

「明日、ママがいない」第3話、ACの公共CMで対応

スポーツ報知 2014年1月29日

 日本テレビは29日、児童養護施設の団体などから内容改善を求められている連続ドラマ「明日、ママがいない」の第3話を予定どおり放送した。番組を提供しているスポンサー全8社がCM放送を見合わせたため、ACジャパン(旧公共広告機構)の公共CMに差し替えて対応した。
 同局は番組内でACジャパンのCM計10本のほか、提供スポンサー以外の企業のCMや、他番組の宣伝を放送した。

児童虐待をテーマにした曲で賛否両論 文月メイは『明日ママ』問題に一石を投じるか

Real Sound 2014年1月29日

 児童虐待をテーマにしたデビュー曲「ママ」が波紋を呼び、YouTube動画が新人としては異例の140万回再生を記録した文月メイが、アンサーソングともいえる「Angel」のYouTube動画を1月29日に公開した。
 「ママ」は虐待を受ける子どもの視点から、母親に愛情を与えられずにこの世を去るまでの心境を綴った一曲で、「ぼくのことが邪魔なの? あのゴミ袋と一緒に捨てるの?」「ぼくね、天使になったよ。いつでもママを見守っているよ」といった衝撃的な歌詞が話題となった。ネット上では「心に響く。涙がとまりません」「一人でも多くの人に聴いてほしい」と、同曲が問いかけるメッセージを支持する声があがる一方、「救いがない」「子どもが可哀想すぎる」「虐待する親側にとって都合の良い解釈であり、自己正当化を助長する」と、その表現に疑問を呈する意見も出ている。
 一方、この度公開された「Angel」は、アコースティックギターに乗せて母親の視点から子どもへの愛情を歌った一曲。「ママ」では虐待された子どもが亡くなり、自ら天使を名乗る描写が見られるが、「Angel」では母親が生まれたばかりの子どもに対し「You’re my angel(あなたは私の天使よ)」と歌っている。両曲では「天使」というフレーズがまったく違う文脈で用いられており、2曲を並べた場合、その解釈をめぐって新たな議論が提起される可能性もある。
 同じく児童虐待をテーマにした日本テレビのドラマ『明日、ママがいない』は、児童養護施設から「預けられた子どもを傷つけ、精神的な虐待、人権侵害になる」などといった批判が起こり、番組スポンサー全8社が1月29日放送の第3話でCM放送を見合わせるなど、大きな波紋を呼んでいる。日本テレビの大久保好男社長は「抗議は重く受け止めるが、それは必ずしもストーリーを変えることとイコールではない。最後まで見ていただければきちんと理解してもらえると思うし、私もそう現場に指示している」と、全9話の放送を表明している。報道の倫理や表現の自由、人権保護といった問題が複雑にからみ合っているため、なにが正解とは一概に言い難い事例だが、同作が人々の倫理を問おうとする作品であることは間違いない。テーマの扱い方や、登場人物の描き方は大きく異なるものの、非常にセンシティブな問題に踏み込んでいるという点では、文月メイの楽曲と共通するものがあると言える。
 もっとも、文月メイの音楽では、社会派シンガー的な一面のみが持ち味なわけではない。2月5日にリリースされるファーストアルバム『She is.』では、母親との深い信頼関係を描いた「実家」や、生まれ育った街を歌った「ひまわり」など、自身の生活に根ざした等身大の歌も披露している。現在27歳の彼女が、アコースティックなサウンドとともに歌い上げる生々しい心象風景は、今後も波紋を広げそうだ。
 「ママ」が巻き起こした議論により、一層の注目を集めることになった文月メイ。果たしてアルバム『She is.』はどう評価されるのだろうか。
(松下博夫)

『明日ママ』スポンサーに高須克弥氏が名乗りも、日テレ局内からは「いい迷惑だ!」の声が……

日刊サイゾー 2014年1月29日

 児童養護施設を舞台にした過激な内容から、提供スポンサー全8社がCMを自粛した日本テレビ系連続ドラマ『明日、ママがいない』の騒動に、「イエス! 高須クリニック」でおなじみの高須克弥院長が“参戦”した。
 28日、高須氏がTwitter上で「『僕が今からスポンサーになるからしっかりやってくれ』といま日テレと電通に連絡したぜ。今夜のオンエア(※のちに明日のオンエアに訂正)に間に合うといいな♪」と、ドラマのスポンサーに名乗りを上げたことを明かしたのだ。
 その真意について高須氏は「僕はがんばる人たちを応援したいだけ」と説明しているが、その後のツイートで「今のスポンサーは僕が新しいスポンサーになることを歓迎しないようだ。もめてるらしい」と一筋縄ではいかないことを吐露。それでも最後は「僕の申し出は博報堂、電通、日テレ全てが喜ぶ提案だよ。僕が全部買うよ!」とCM全枠を買い取り、1社提供までブチ上げた。
 提供スポンサー8社が総撤退する中、高須氏の提案は日テレにとって“渡りに船”かと思いきや……。局員の1人は、ため息混じりに次のように語る。
「高須さんはCMの仕組みを知っているんですかね。提供スポンサーは枠ごと買い取る年間のタイム契約がほとんどで、放送を自粛したからといって広告費は支払われているんですよ。今回もそう。時間帯の指定なしに放送されるスポットCMならまだしも、突然割って入ってきて、CM全枠を買い取るなんて100%不可能です。むしろそれをTwitterで発信しては、現スポンサーとの間に波風が立つだけ。はっきり言って、いい迷惑ですよ!」
 ネット上では高須氏に対して「また売名行為か!」という声も上がっている。過去には資金難の女子アイスホッケーチームのスポンサーを買って出るなど“太っ腹”で知られる高須氏だが、今回は混乱に拍車をかけただけだったようだ。