社会福祉法人の事業は年度によって区切られますので、3月末が決算となります。
そのため、4月は決算書類の整備で、その決算書類は、厳しい監事監査を経て理事会にて報告する段取りとなります。
決算書類の内容は、
決算チェックリスト
会計報告
決算収支分析表
財産目録財務諸表
資金収支計算書
事業活動計算書
貸借対照表
注記
財産目録
付属明細書
基本財産及びその他の固定資産明細書
引当金明細書
拠点区分資金収支明細書
拠点区分事業活動明細書
積立金・積立資産明細書
借入金明細書
寄附金収益明細書
補助金事業収益明細書
基本金明細書
国庫補助金等特別積立金明細書
固定資産管理台帳
固定資産増減明細表
固定資産集計表
リース契約一覧表貸借対照表明細表(全ての数字の根拠を示す証明書類を揃えます。)
資金収支計算書明細表(主な数字の根拠を示す証明書類を揃えます。)
全てが揃うと、181ページの書類になりました。
財務諸表と付属明細書は、会計ソフトによって作表します。ところが、今回は、大幅に改定された新会計基準での初の決算なので、緊張の連続でした。
幾つか、これまでと仕訳が違う項目があったり、新たに登場した勘定科目があったりするため、テキストとにらめっこしながらの作業です。
「あっ」と間違いに気づくと修正しますが、数字は、一箇所を修正すると他の書類に連動するため、そのために再チェックを行います。
決算は、全ての書類が整合していなければいけませんので、仕訳ミスがあると致命的です。
何度も何度も再チェックを行い、決算書類を整備していきます。
また、監事監査では、決算の数字の証明を求められます。つまり、数字の根拠を示す証拠書類(領収書や自治体の証明書等)を揃えておかなければいけません。
もちろん、残高証明書や登記簿謄本も必要です。
決算によって、黒字経営か赤字経営かが判明しますが、黒字の場合、資金的に余裕がありますので、その余裕分を施設整備等積立金などに計上します。
そのためには、予算書の補正が必要になってくるため、補正予算書を策定し直すことになります。
とにかく難関は、監事監査です。細部にいたるまでチェックされますので、ミスがあぶり出されていきます。ミスが指摘されたら、即座に修正します。数字は、連動していますので、プリントアウトのしなおしとなります。
社会福祉法人でも、時には不正が発覚しニュースになることがありますが、それは、チェック体制の甘さが招いているとしか言いようがありません。
事業所施設長、監事監査、理事会、自治体の指導監査と四段階のチェックを通過するわけですので、罪を犯した者だけが責めを負うのではなく、組織も真摯に反省し改善を実行しなければ行けません。
理事会で、決算の承認と補正予算書の承認を得て、やっと決算業務からの開放となります。
その後、ホームページ上に、財務諸表を公開します。もちろん、サイボウズ等のグループウェアを用いて、職員にも開示します。
まぁ、数字の羅列ですので、見る気にならないとは思いますが開示します。財務状況を開示する姿勢が重要なのです。
財務諸表や事業計画・報告書、寄附金報告等の情報が開示されている児童養護施設は、まっとうな経営・運営をしているだろうとの指標になります。