保育士の約3割がうつの経験あり

@DIME 2015年7月20日

保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービス「保育のお仕事」を展開する、株式会社ウェルクスは、読者を対象に行なったアンケートに基づいた独自のコンテンツを発表した。これは保育士を中心とした読者100人に、仕事におけるストレスの現状や、うつをはじめ心の不調をきたした経験などを伺ったもので、保育士が日常的に大きなストレスにさらされている現状や、生涯でうつ病を経験する割合が10~15人に1人と言われる中、保育士のうつ発症リスクが大きいことなどが伺える内容になっている。
調査の結果、今回は保育士さんを中心とする100名の読者さまにアンケート調査を実施。まず現在仕事に関して精神的なストレスを感じているかを聞くと、実に全体の約半数、49.0%の人が「常に感じている」と回答する結果となった。次に、日頃の業務で「ストレスを感じている」と答えた人に、そのストレスが原因で日常生活に支障が出たことがあるか伺ったところ、「支障が出たことがある」と回答した人が92.0%という結果になった。
実際に現われた症状について聞いたところ(複数回答可)、「気分の浮き沈みが激しくなった(66人)」「眠れない、または眠りが浅くなった(61人)」「倦怠感が強くなった(54人)」といったご意見が寄せられた。仕事が原因で「うつ」と診断された経験がありますか?という質問に「はい」と回答されたのは全体の27.0%。また「診断されたことはないが、自分はうつ状態にあると思う」と自覚症状を訴える人も24.0%いた。また、仕事が原因で、他の心因性の疾患にかかった経験があるかも聞いたところ、「かかった経験がある」という人は32.0%、「診断されたことはないが、何かしらの病気であると思う」と回答した人は12.0%だった。
一方でメンタルの不調で精神科など専門の医療機関を受診することに抵抗があるか(既に受診済みの場合は抵抗があったか)を聞いてみると57.0%、半数以上の人は「抵抗がある(あった)」と回答する結果に。受診経験のある人にも、抵抗があり、なかなか受診に踏み切れなかったというご意見もあった。自由回答の中には「うつになり自殺しかけた。(50代/女性)」というご意見も…。うつから回復した人の意見では、しっかり医療機関を受診し、職場環境を変えることで、改善することができたというご意見が多くあった。
また「病院じゃなくて話を聞いてくれるカウンセリングみたいなところがあれば…。(30代/女性)」「定期的に保育士の話を聞きに来てくれる機関があったらいい(30代/女性)」など、手軽に話を聞いてくれる窓口があれば良いというご意見が多数見受けられた。「精神的に不調でも病院に行く時間を取れない仕事です。(40代/女性)」というご意見もあり、電話相談窓口がつながりにくい、病院などの対応時間内に受診しにくい…そういった潜在的な悩みもあるようだ。
保育士不足が待機児童問題における課題とも言われる現在。保育士の離職率を下げ、また保育に関わりたいと思える体制を作るためには、処遇の改善はもちろん、こういった保育士のメンタルケアに対しても、配慮が必要と言えるのではないだろうか。

調査概要
・実施期間:2015年7月2日~7月13日
・実施対象:保育士(75.0%)・幼稚園教諭(18.0%)・その他保育関連職(3.0%)・主婦その他(4.0%)
・回答者数:100人(平均年齢:33.7歳)
・男女割合:女性/96.0%・男性/4.0%

子を守る「安全管理士」 事故犠牲者遺族が資格化

カナロコ by 神奈川新聞 2015年7月21日

事故で子どもを亡くした親が、再発防止の思いを込めて創設した「子ども安全管理士」という認定資格への関心が高まっている。医療や工学、法律などさまざまな分野の専門家が協力。保護者や保育士など立場を超えた人たちが受講に集まり、子どもの安全を守る意識を共有している。
「単なる見守りには限界がある。ミスを許容したり、ちょっと目を離したりしても大丈夫な環境づくりが重要だ」。6月、東京都新宿区の会議室。子ども安全管理士の資格認定講座で、製品安全を研究する専門家が呼びかけた。
乳幼児の転倒事故では、転び始めてから倒れるまで平均約0・5秒。見守りだけで防ぐのは難しい。安全な環境や状況を整えるべき-。専門家は実験データを挙げて「事故前の対策のほうが社会的コストは低い。先生や保護者を守る方法でもある」と強調。小児科医や保育制度の問題点を研究する専門家も、必要な対策を訴えた。
8講座の受講とリポートの提出で一般社団法人「吉川慎之介記念基金」から子ども安全管理士の認定が与えられる。今年2月から3月にかけての第1期で、医療や工学、法律など各分野の専門家による講座が開かれ、81人の修了者が認定を受けた。
法人を創設した吉川優子さん(43)と夫の豊さん(45)は、2012年7月に長男=当時(5)=を失った。川遊びの最中に流された。私立幼稚園のお泊まり保育中だった。
園関係者は刑事事件で立件された。園を相手取った民事訴訟も起こした。「法的責任はおろそかにしてはいけない」と考えた吉川さんだが、一方で「対立関係から何が生まれるか」という思いも募り、再発防止への気持ちが強まった。
13年に勉強会を設け、子を事故で亡くした遺族と話し合いを重ねた。医師や弁護士らを招き、事故防止に必要な視点も学ぶ。得た知見を「一般の人にも伝えよう」と、認定資格の創設を思い立った。
講座には当初の予想を超えた人数が集まった。吉川さんは「多くの人に関心を持ってもらえたことに希望を感じる」。学童保育で働く受講者の女性(38)は「学んだ意見を職場で共有したい」と話す。
講座に協力するジャーナリストの猪熊弘子さんは、「子どもの安全について各分野の専門家が研究を進めているが、バラバラでは限界がある。それぞれの考察を複合的に学び、多角的に捉えることが事故予防につながる」と提言している。
受講には事前の申し込みが必要。受講料など詳細はホームページhttp://shinnosuke0907.net/

「責任追及に限界 啓発こそ」
子どもの安全を守る認定資格には、県内の遺族も期待を寄せる。法的責任の追及だけでは事故の防止に限界があるとの考えからだ。
大和市の男性会社員(40)は2011年7月、長男=当時(3)=を私立幼稚園のプール事故で失った。当時の担任教諭と園長が業務上過失致死罪に問われた裁判に参加し、「現場で安全対策が軽視されている」と感じた。独立した組織である私立幼稚園では事故対策を共有する仕組みが不十分という思いも強くした。
裁判では、現場にいて長男が溺れたときに目を離していた担任教諭に、「園児の注視を怠った」として罰金刑が言い渡された一方で、教諭を指導する園長の過失は認めず、今年3月に無罪となった。責任者の罪が認められてこそ事故の抑止につながると期待したが、刑事裁判の枠組みではかなわなかった。
男性は再発防止には「子どもに関わる立場の人に安全対策を徹底してもらうことこそ必要」と考えている。講座で遺族としての思いを語るなど、「子ども安全管理士」の養成にも協力している。「我が子の命を無駄にしないためにも、必要な知識を学ぶ取り組みが広まってほしい」

広がる朝型勤務、課題も浮上 交通機関や保育園、体制整わず

SankeiBiz 2015年7月21日

ワークライフバランス(仕事と家庭との両立)の確立や省エネルギーなどを目指し、企業や官公庁の間で、始業時間を繰り上げる「朝型勤務」の動きが広がっている。会議時間の短縮で仕事の効率化が進み、余暇の時間が増えるなどの利点がある一方で、鉄道など公共交通機関で早朝時間帯に混雑が発生するといった課題も浮き彫りになっている。
損害保険ジャパン日本興亜は7月1日~10月31日、午前9時の出社時間を1時間繰り上げる「朝型勤務」を実施している。原則として午後7時までに退社することとした。
新事業開発部課長代理の木全(きまた)智子さん(35)も午前8時前、東京都新宿区の本社に出社する。「早起きが得意」という木全さんは、出社すると自席のパソコンでメールのチェック、朝刊数紙に目を通す。そして仕事の段取りを考える。「午前9時過ぎまでは社外からの電話はほとんどなく、考える仕事に没頭できます」と話す。

多様な働き方可能に
一方、勤務時間が午後4時までなので、以降の会議や打ち合わせは基本的にはできない。社内の会議の場合は時間帯を前倒しできるが、外部との場合は4時を過ぎるのもやむを得ない。ただ、その場合でも午後5時までには終えるようにする。5歳の女児と3歳の男児を持つ母でもある木全さんは、保育園へ迎えに行かなければならないからだ。
半面、夕方以降に時間が持てるようになり、「保育園であったことなど、子供たちの話にじっくり耳を傾ける余裕ができました」と笑顔を見せる。同社の社員の中には、朝型勤務で生み出された夕方の時間を使って、英会話教室に通うなど自己啓発に努めるケースも多いという。
同社は働き方改革の一環として、社員向け小冊子を作成し、会議の時間を30分以内にとどめるなど会議の効率化や生産性向上を指導している。
人事部企画グループの吉田彰リーダーは「朝型勤務は働き方改革のための方法の一つ」と話す。同社は、育児や介護などの理由で勤務時間の制約が必要な「制約社員」に限らず、多様な働き方を可能とするために、従来の午前9時~午後5時以外にも、8つの勤務時間のパターンを用意した。例えば、海外とのやり取りが必要な部署の社員が、午後1~9時のパターンを選ぶケースもあるという。

政府「ゆう活」提唱
朝型勤務は、昨年5月に伊藤忠商事が正式導入をして注目を浴びた。残業時間が減り、仕事の効率も向上。時間外手当が減るとともに、省エネルギーも実現した。他企業でも導入が徐々に進んでいることから、政府も成長戦略の一つに採用。今月から政府が率先して範を示そうと、夏場に国家公務員の始業時間を通常より1、2時間早める勤務を導入した。また、政府は「ゆう活」と称し、朝型勤務シフトによる定時退社後の時間の有効活用を提唱。安倍晋三首相が、公務を早めに切り上げて美術館に出向くなどし、その効果をアピールした。こうした動きの中で朝型勤務の導入機運が一段と高まる見通しだ。
しかし、朝型勤務の普及には課題もある。毎朝、電車で出勤する損保ジャパン日本興亜の木全さん。自宅最寄り駅から7時過ぎの電車に乗るが、「最近は車内で新聞が読めないくらい混んでいる」と話す。
鉄道各社は定期的にダイヤ改正を行うが、一度決まったダイヤを急には変えられない。車両の運用、乗務員の確保、使用する電力量などのさまざまな条件をクリアする必要があり、改正作業は1年以上を要する。早朝の混雑は、政府の「ゆう活」の動きに、ただちに対応できなかったことが主因とみられる。
ただ、東京急行電鉄や京王電鉄などでは朝型勤務のニーズを受け、ここ数年、早朝時間帯で列車を増発している。首都圏の鉄道各社は、他社路線への相互乗り入れも多いため、ダイヤ改正には他社との調整が不可欠だが、各社ともさらなる増発について、「検討課題の一つ」(東急広報)としている。
一方、保育園の開園時間も課題だ。午前7時台の開園が多い首都圏では、片道の通勤時間が1時間を超えるケースも多く、「従前から、東京の郊外を中心に保育時間帯の繰り上げを求める声はある」(グローバルキッズ広報)という。ただ、認可保育園の場合、開所時間や保育時間が自治体で決められており、簡単に繰り上げができない。また首都圏を中心に保育士が慢性的に不足しており、「勤務シフトをずらすことで、保育士の労働環境が悪化する可能性がある」(業界関係者)ともいう。
子育てだけでなく、将来は介護による制約社員が増えることが予想される。ただ、決められた勤務時間ではどうしても仕事ができないことで退職となれば、「社員が培ったキャリアを生かせないことになり、会社にとっても大きな損失」(損保ジャパン日本興亜の吉田リーダー)だ。朝型勤務のさらなる定着には、公共交通機関や保育所など、働く人を支えるインフラの充実も求められる。(松村信仁)

うつ病併発も 4年間で半数が認知症になる軽度認知障害〈週刊朝日〉

dot. 2015年7月21日

4年後には約半数が認知症になるという認知症予備軍の軽度認知障害(MCI)は、疾患ではなかった。認知症早期治療実体験ルポ「ボケてたまるか!」筆者の山本朋史記者は、早期治療を1年半も続けて初めて知った真実だという。

オリーブクリニックお茶の水で朝田隆医師から脳の血流スペクト画像を改めて見せてもらったのは6月2日。脳を上から横から数ミリ単位で写し、画像で血流を調べるものだ。
朝田医師が4階にある診察室でパソコン上の血流画像を拡大した。画像を見ると確かにぼくの脳の後頭葉の一部が青くなったり緑がかった丸い点になっているところがあった。これが血流の低下を表す部分である、と朝田医師は言った。
「アルツハイマー病の方の脳を調べると、後頭葉に近い部分に血流の低下が多く見られます。レビー小体型認知症の方は同じ後頭葉でも別の部分の血流が悪くなる傾向があります」
ぼくは以前、特殊なたんぱく質によって神経伝達が障害されるレビー小体型認知症の初期の可能性が高いと言われたことがある。レビー小体型認知症は男性のほうが女性より多いそうだ。
「ぼくの場合は? アルツハイマー病かレビー小体型か、認知症を発症するとしたらどちらの可能性が高いのでしょうか」
「現況の血流低下は少しで個体差の範囲内かもしれません。ただ、いずれの病態にせよ、そのような要素というか因子を持たれていることは否定できません」
朝田医師は、MCIについての定義がそもそも曖昧であることから、勘違いや誤解がときどき生まれることがあると言った。
「MCIというのは特定の疾患ではなく病的な状態を指す医学用語なのです。ですから、認知症の薬も保険適用で処方することはできません。一概にMCIといっても幅があります。ごく初期の方と障害が進んだ方とでは認知機能テストの結果も大きく違います」
ぼくはMCIを特定の疾患だと思い込んでいた。厚生労働省のサイトにはMCIは「物忘れが主たる症状だが、日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない状態」と書かれている。疾患ではなく状態である。MCIの場合、うつ病とか適応障害を併発している場合も多いという。
「認知症予備軍であるMCIの人たちを音楽や絵画など専門の先生をつけて本格的にトレーニングする病院は、私が前にいた筑波大学附属病院とここだけだと思います」
厚生労働省はMCIの五つの定義を[1]記憶障害の訴えが本人または家族から認められている[2]日常生活は正常[3]全般的認知機能は正常[4]年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する[5]認知症ではない――としている。
ただ、MCIの原因となる原疾患を放置すると認知機能の低下が続き、4年間で約50%の人が認知症になると言われている。
ぼくの場合は、原疾患がアルツハイマー病かレビー小体型認知症。対処の仕方としては、薬物治療か、ぼくが励んでいるデイケアなど非薬物治療がある。
朝田医師によると、これまでの治験の結果、既存の抗アルツハイマー病薬はMCIにほとんど効果なし。「全敗だった」。現在開発中の新薬にはMCIに効果が期待されているものもあるが、実用化には時間がかかるようだ。

便秘やストレスはがんの原因になるものか? 専門医が解説

NEWS ポストセブン 2015年7月20日

日本の女性の14人に1人が検診で見つかっているというのが大腸がん。死亡率も格段に高い。そんな大腸がんだが、便秘が原因となっているとの説もあるが、実際にはどうなのだろうか。
40~69才までの男女約6万人を対象に、厚生労働省研究班が『便通、便の状態と大腸がん罹患の関連』(1993~2002年までの7年間調査し2006年に発表)の大規模疫学調査を実施した。
その中で排便回数を、「毎日2回以上」「毎日1回」「週に2~3回」のグループに分けてがんにかかる割合を比較した結果、「毎日2回以上」の人と、「週に2~3回」の人では大腸がん発症リスクに差はなかった。秋津医院院長で著書に『がんにならないのはどっち?』(あさ出版)などを持つ秋津壽男さんはこう説明する。
「便秘だから大腸がんになるわけではありません。ただ便秘が長引くと腸内環境が悪化して免疫低下につながり、結果、大腸がんを誘発することも。食物繊維を豊富に摂るなど生活習慣の改善を心がけるとともに、長びくようなら病院へ」
部位別のがん死亡率では、男女ともに2位なのが「胃がん」。ストレスで胃痛を起こし、「このままでは胃がんになってしまうかも…」と不安になることもあるが、ストレスで胃がんになることはホントにあるのだろうか?
「ストレスは個人差があるので、がんとの関連性を裏づける研究結果はありません。ただし、胃潰瘍はストレスからくることもあり、これを繰り返すことで胃の粘膜が傷つけられ、胃がんを起こしてしまう可能性も否定はできません」(秋津さん)
ストレスは溜めないに越したことはないようだ。

マイクロソフト 児童ポルノ摘発ツールを無償提供開始

Forbes JAPAN 2015年7月20日

マイクロソフトはPhotoDNAのクラウド版を立ち上げた。これはウェブ上の児童ポルノイメージの発見と削除を手助けする無料のサービスだ。
PhotoDNAサービスは数年前から存在してきたが、以前のバージョンは企業のサーバに直接インストールし、専門の技術者や更新を続けるための費用が必要だった。今回のクラウド版はこうした障壁を取り除き、小規模の企業での導入も容易になった。より多くの企業が児童ポルノとの戦いに参加することを可能にしている。
プレスリリースでマイクロソフトは、18億ものイメージが毎日インターネットにアップロードされ、約72万件の児童虐待が発生していると述べた。膨大な件数に及ぶ違法行為をオンラインプラットフォームが完全に検知することは難しい。PhotoDNAやグーグルの児童ポルノ発見ツールへの期待は高まっている。
PhotoDNAは児童ポルノの画像データを、NCMEC(行方不明及び搾取された子供たちのための国民センター、National Center of Missing and Exploited Children)などの組織から入手している。データの署名情報であるハッシュ値を、ウェブ上の膨大なデータと照合することで、児童ポルノを発見する仕組みだ。
TwitterやFacebookは数年前からこの技術を採用してきた。マイクロソフトによると、キュレーションアプリのFlipboardやチャット・ネットワークのKikも既にクラウド版PhotoDNAを導入済みという。