卒業3年以内の離職率、大卒3割・高卒4割…宿泊・飲食サービス業が半数超

リセマム 2015年11月2日

厚生労働省は10月30日、平成24年3月に卒業した新規学卒者の卒業後3年以内の離職状況について公表した。大学卒の離職率は32.3%で前年から0.1ポイント減った。離職率の高い産業は宿泊業・飲食サービス業で、大学、高校卒ともに半数以上を占めている。

新規学卒者就職内定率と3年以内離職率
離職率は、事業所からハローワークに対し、雇用保険の加入届けが提出された新規被保険者資格取得者の生年月日、資格取得加入日等、資格取得理由から学歴ごとに新規学校卒業者と推定される就職者数を算出。さらに、離職日から離職者数・離職者率を算出した。
平成24年3月に卒業した新規学卒者の卒業後3年以内の離職率は、大学卒で32.3%、短大等卒で41.5%、高校卒で40.0%、中学卒で65.3%。大学卒以外はすべて前年より0.3~0.5ポイント増加している。同省によると、内定率が低い時に卒業した者の3年以内の離職率は高くなる傾向があるとしている。平成24年の内定率は大学卒で93.6%、高校卒で96.7%と、前年より内定率は大学卒で2.6ポイント、高校卒で1.5ポイント増えていたことから、平成24年卒の離職率の変動は小さかったようだ。
事業所規模別の離職率をみると、大学卒で1,000人以上の事業所は前年同様の22.8%。500~999人の事業所では前年より0.6ポイント増の29.3%、100~499人の事業所で0.1ポイント増の32.2%。高校卒で1,000人以上の事業所で21.6%、500~999人の事業所で29.5%、100~499人の事業所で37.0%と前年より0.2~1.6ポイント増えている。
産業別でみると、大学、高校卒ともにもっとも離職率が高いのが宿泊業・飲食サービス業だった。大学卒は53.2%で前年より0.9ポイント増、高校卒は66.2%で前年より0.7ポイント減。2位は大学、高校卒ともに生活関連サービス業・娯楽業だった。

現役保育士ら、安すぎる給与の改善など訴え

フジテレビ系(FNN) 2015年11月2日

現役の保育士などが、安すぎる給与の改善などを訴えた。
手取りの月収は、24歳、2年目で、およそ11万4,000円、28歳、6年目で、およそ14万円。
これは、フルタイムで働く保育士の給与明細。
保育士や保護者などでつくる団体が2日、会見を行い、保育士の給与の低さや、過酷な勤務の実態などを訴えた。
団体によると、昇給もほとんどなく、多くの人が、10年以内で辞めていくため、現場の人手不足は深刻だということで、「専門職であるということと、労働の実態にふさわしい対応として、国には、人件費を増やしてもらいたい」と話している。.

虐待疑われる子の聴取を一本化 児相・検察・警察が連携

朝日新聞デジタル 2015年11月2日

虐待を受けた疑いがある子どもに対して、これまで児童相談所(児相)、検察、警察がそれぞれ実施してきた聞き取りを、3機関の代表者1人で済ませる「協同面接」が、各地で試験的に導入される。厚生労働省、最高検、警察庁がそれぞれの関連機関に通知した。
それぞれが個別に聴取する従来の方法は、「子どもに心理的苦痛を与える」「子どもは相手によって証言を変える傾向がある」などと問題点が専門家の間で指摘されてきた。
厚労省によると、刑事事件になる疑いがある虐待を把握した際、児相や検察、警察のいずれかの代表者1人が聴取。ほかの2機関は別室に待機し、モニター画面か外からしか見えない鏡を通じて面接の様子を観察するという。同じ話を繰り返し聴取しないことで、子どもの負担を減らす狙いもある。厚労省の担当者は「運用はケース・バイ・ケースだが、試みを重ねていく中で、よりよい方法を構築していきたい」と話す。

治療につながりにくい20代の「ニコチン依存症」 その理由と対策とは

Mocosuku Woman  2015年11月2日

今年10月、厚生労働省が、中央社会保険医療協議会(=厚生労働大臣の諮問機関)において、「ニコチン依存症」治療の保険適用範囲を20代の若者にまで拡大することを提案しました。
「ニコチン依存症」とは、タバコのニコチンが切れるとイライラするなどの離脱症状(禁断症状)が出ることから再びタバコを吸いたくなり、喫煙をやめられなくなる状態を指します。この依存症の治療(禁煙治療)については、2006年度から保険診療が受けられるようになりましたが、いまのところ健康保険や国民健康保険といった公的医療保険が適用されるのは、「1日の平均喫煙本数×喫煙年数」が200という指標を超える人に限られています。

「1日40本×5年」でようやく保険適用に
上記の指標では、1日40本タバコを吸う習慣がある人でも5年以上たたないと保険が適用されないことになり、厚生労働省によると20代のニコチン依存症患者の約8割は保険適用の対象外になっているとのこと。保険が適用されれば患者の自己負担は原則3割ですが、保険が適用されず全額自己負担となると、支払う医療費の高額さから、依存症患者が積極的に治療に踏み切るのは難しいといえるでしょう。

「病気」を認識されないことも問題
また、若年層がニコチン依存症の治療で医療機関を受診しづらい理由は、保険適用の問題ばかりではありません。
厚生労働省の資料などによると、「喫煙者の約7割はニコチン依存症」とのことですが、ニコチンが切れるとイライラや疲労感といった症状が現れるにも関わらず、ニコチン依存症の場合はこれを「病気」と認識しない人が多いことも、医療機関の受診を妨げる一因となっています。一般に、依存症患者は「自分は依存症ではない」と思い込みたがるといわれていますが、タバコにおいては入手や喫煙の手軽さもあり、特にこうした傾向が強いといえるでしょう。

保険適用は国の将来のためにも必要!?
タバコが喫煙者本人の健康に与える影響については、肺がんや虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)のリスクが高まることにくわえ、慢性気管支炎や喘息などの呼吸器疾患や、歯周病の原因との関連も指摘されています。また、近年では、タバコの煙を喫煙者の周囲の人が吸い込むことで起こる、受動喫煙による健康被害も問題となっています。
厚生労働省では、冒頭に述べた保険適用範囲の拡大を「将来の医療費削減につながる」として提案をおこなったとのことですが、負担の増える保険の支払い側からは反対もあるといわれています。
しかし、自分ひとりの意志で禁煙を成功させることができないケースも多い「ニコチン依存症」の問題を考えると、「依存から脱けだしたい」と考えたときに、だれもがサポートを受けられる制度があることは、国民の健康問題として、大切なことかもしれません。

胃がんの99%はピロリ菌原因 バリウム検査での発見率は低い

NEWS ポストセブン 2015年11月2日

厚生労働省は、来年度からの胃がん検診に、これまで唯一推奨してきたバリウム検査に加え、初めて内視鏡検査を「推奨」することを決めた。実はこの背景には、同省や関連組織が長くバリウム検査だけを推奨してきたことに対する現場の医師や患者団体からの強い不満と疑念があった。
バリウム検査による集団胃がん検診は、全国で年間1000万人が受診しているとされる。しかし、実際には技術は古くてがん発見率は低く、しかも事故が多く受診者を大きな危険に晒すものであると専門医たちは口を揃えて批判する。検診機器に挟まれる、あるいは固まったバリウムにより大腸に穴が開くなどの事故で、死亡例も多数ある。
この問題を初めてメディアで発表したジャーナリストの岩澤倫彦氏は、このほど上梓した新刊『バリウム検査は危ない』(小学館刊)で、専門医、検診関係者らに幅広く取材している。専門医のひとりは、こう言い切った。
「医者でバリウム検査を受ける人間は僕の知る限りいません。内視鏡のほうが何倍も胃がんを発見できることを知っていれば当然ですよ。僕ですか? ピロリ菌未感染なので、胃がん検診は受けていません」
事実、医学的には胃がん患者の99%はピロリ菌感染が原因と証明され、この感染の有無と胃粘膜の萎縮度を示すペプシノゲン値を組み合わせた「胃がんリスク検診」を集団検診に採用すれば、胃がんの発見率は3~4倍に向上し、検診および治療にかかる医療費は5年間で4200億円も削減されるとする試算がある。内視鏡技術も日進月歩だ。日本人のピロリ菌感染率は4割程度と推定され、6割もの人が、不要で効率の悪い検査を毎年受けていることになる。
しかも、バリウム検査は大量被曝という問題もある。最低8枚のX線写真を撮影するだけでなく、撮影の合間にも胃の状態を「透視」するために放射線を浴び続ける。1回の検査による被曝量は、実験によって最大13.4ミリシーベルトに達することが判明した。放射線被曝が100ミリシーベルトを超えると、がん発症率が上がることが知られており、これだけの被曝量の検査を毎年受けていることは大いに問題がある。世界で最も権威ある医学雑誌「ランセット」に発表されたオックスフォード大の研究では、75歳以上でがんを発症した日本人の3.2%は医療被曝が原因だとされている。
それでも、先進国でいまや日本だけというバリウム集団検診制度が改まらないのは、巨大な利権があるからだ。国立がんセンターや集団検診を行なう地方自治体からの天下り組織となっている日本対がん協会と全国の傘下組織が検査を推奨・実施し、メーカーや医者・病院も潤う。その巨大な公共事業に投入される税金は年間600億円に達する。
かつて血液製剤によるC型肝炎感染の実態を暴いて新聞協会賞、米・ピーボディ賞を受賞した岩澤氏らの追及により、「検診ムラ」の利権がついに崩れ始めている。