児童養護施設入所者(出身者)へ 「紺碧の空奨学金」募集のお知らせ(9月30日〆切)

早稲田大学 奨学課 2016年7月11日

「紺碧の空奨学金」は、児童養護施設入所者または出身者が、経済的理由により早稲田大学への進学を断念することなく、入学前に在学中の奨学金支給を約束する入試前予約採用給付奨学金です。
本奨学金採用候補者は、早稲田大学が実施する入学試験に合格・入学することで奨学金に正式採用されます。
本奨学金は入学前の就学支援そして入学後の経済支援を目的に2017年度入学者より開始する新しい奨学金です。

2017年度版 「募集要項」・「申請書」・「推薦書」のダウンロード
「紺碧の空奨学金」募集要項╝
「紺碧の空奨学金」申請書・推薦書╝

制度の概要(詳細は募集要項╝をご覧ください。)

申請資格
1. 奨学金出願時に満20未満の者で、2017年度または2018年度に本学の学部へ進学を希望する者。
2. 奨学金出願時に児童養護施設に入所している者、または児童養護施設を退所して2年以内の者。
3. 入学後、独立して生計を営む予定の者で、生活困窮のための経済的支援が必要な者。

奨学金額・支給期間
① 入学検定料および入学金免除(※1)
② 授業料、実験実習料等、その他諸経費を免除
③ 月額9万円を給付(※2)
④ ②・③について原則として在学中4年間の継続支援
※1…大学入試センター主催のセンター試験の検定料は対象外です。
※2…他の外部機関等から経済支援を受けている場合は、内容に応じて月額を減額することがあります。

採用候補者数
若干名

申請方法
所定の期間に申請書類を早稲田大学学生部奨学課宛に簡易書留郵便で送付してください。

申請期間
2016年8月1日~(月)~2016年9月30日(金)【消印有効】

申請にあたっての注意事項
本奨学金の申請・選考は、入学試験の合否に全く影響いたしません。
また、本奨学生のための入試制度は設けません。

昨年の夏、子どもが被害者となった事件を覚えていますか?

週刊女性PRIME 2016年7月16日

子どもが被害者となる犯罪が後を絶たない。埼玉県朝霞市で行方不明だった女子中学生が今年3月、約2年ぶりに保護された事件は記憶に新しい。寺内樺風容疑者が少女を連れ去った手口はあまりに巧妙だった。
まずは、ネットの地図アプリで田舎すぎず都会すぎない朝霞市を選び、市内の中学校から1人で帰る少女を見つけて後をつける。自宅近くで少女のフルネームを知って声をかけると、「お父さんとお母さんが離婚するので、弁護士が君を保護する」と言葉巧みに車に乗せて連れ去ったのだ。
自分の欲望のために、当時13歳だった少女を2年にわたってひとり暮らしの自宅に監禁した寺内容疑者。未成年者略取・誘拐罪の量刑は「3か月以上7年以下の懲役」にすぎない。子を持つ親たちの多くが憤りや戦慄を覚えたに違いない。
このような凶悪犯罪もさることながら、子どもを狙う犯罪は、未遂や水面下のものを含めると膨大な数にのぼる。
警察庁『平成27年の犯罪情勢』によると、子ども(19歳以下)が被害者となった犯罪被害件数は、15万1644件。うち高校生5万9754件、中学生3万849件、小学生1万4915件、未就学児494件。また、子どもが被害者となる割合が高い罪種は1位:略取・誘拐※(77.5%)、2位:強制わいせつ(48.8%)、3位:公然わいせつ(47.3%)、4位:強姦(37.0%)、5位:恐喝(33.5%)となっている。
(※)略取は暴行や脅迫によって、誘拐はだましたり誘惑したりして、連れ去ること。ここではあわせて“連れ去り”としている。
加えて内閣府の昨年度の調査では小学生の3割台後半、中学生の5割強、高校生の9割台後半が自らの携帯電話やスマホでインターネットを活用しており、ネット上のトラブルに巻き込まれる危険性も高まるばかりだ。
特に、親や教師の目が届きにくい夏休み期間を含む7~10月は、子どもが被害者になる犯罪が増える時期。最後に、1年前の夏、子どもたちが被害にあった事件のニュースを紹介する。この夏、このような恐ろしい犯罪から可愛いわが子・孫を守るため、まずは「大人が知っておくこと」、そして「未然に防ぐこと」が大事だ。
週刊女性PRIMEでは、16日と17日に公開する4本の記事で「凶悪犯罪から子どもを守る方法」について特集する。
《昨年の夏、子どもが被害者となった事件を覚えていますか?》

寝屋川市の中1男女が殺害(大阪)
当時中学1年の平田奈津美さん(13)と星野凌斗さん(12)が8月13日早朝、京阪寝屋川市駅前の防犯カメラに映ったのを最後に行方不明になり、遺体で発見された。2人とも顔などに粘着テープを巻かれていた。平田さんの死因は窒息、星野さんは不詳。平田さん、星野さんに対する殺人の罪で逮捕、起訴された山田浩二被告(46)の初公判が待たれる。

少女強姦した疑いで少年逮捕(神奈川)
当時中学1年の女子生徒(12)に自宅でみだらな行為をして下半身にケガを負わせたとする強姦致傷の疑いで、横浜市内に住む中学3年の男子生徒(14)を逮捕した。 同署によると、2人は同7月、無料通信アプリ「LINE」を通じて知り合い、事件当日に初めて会ったという。 女子生徒が被害を届け出て発覚した。

スマホや保険証取り上げ16歳少女を監禁、男3人逮捕(東京)
少女(16)をアパートに閉じ込めたとして監禁容疑で容疑者(20)ら男3人を逮捕。少女を都内のホテルで売春させていたとみられ、同署が児童福祉法違反の疑いもあるとみて、詳しい経緯を調べている。容疑者らは5月ごろに友人の紹介で少女と知り合い、アパートで同居。少女のスマホや保険証などを取り上げたうえで、出会い系アプリで客を募り、都内ホテルで1回約2万円で売春させていたという。

商業施設で女児盗撮、480人の映像(京都)
京都市の商業施設内の試着室で、当時小学1年の女児(7)ら2人が着替える様子をデジタルカメラで撮影した疑い。男はほかにも商業施設内で、動画撮影しながら6~9歳の女児3人の下半身を触り、小学4年の女児(9)のスカート内を盗撮するなどしたとして強制わいせつ容疑などで逮捕、送検されていた。「抵抗せず、周囲に保護者のいない女児を狙った」などと供述したという。自宅にあったパソコンからはスカート内を盗撮されたとみられる女児480人の映像が確認された。

性暴力の実相・第4部(1)信じた教師が… 立場弱く拒絶できず

西日本新聞 2016年07月18日

女子高校生のヨウコ(仮名)が性暴力の被害を受けたのは、九州の地方都市にある高校の寮。相手は、生徒を守るはずの男性教諭だった。
勉強に専念するために寮に入った。宿直当番で定期的に泊まり込む男性教諭は、悩みを相談するほどの仲。クラス担任でも、自分の部活動の指導者でもなかったが、スポーツで日焼けした壮年の男は面白く、友達のように話しやすかった。
ある晩、寮生の女子2人と宿直室に遊びに行ったときのこと。眠くなって友人と横になると、周りに分からないように教諭から体を触られた。どうしていいか分からず、寝たふりを続けた。
いったん部屋に戻ったものの、「なぜそんなことをしたのか」聞くため、1人で宿直室に戻った。信用していた教諭からいきなり抱きつかれ、キスされた。
「おまえのことが気になってたよ」「男はこうしたら喜ぶんだぞ」。体が硬直して払いのけられず、わいせつな行為をされた。
以来、毎週のように、深夜に部屋を訪ねられ、耳元でこう言われた。「宿直室に来なさい」

ヨウコには彼氏がおり、教諭に対する恋愛感情はなかった。それでも被害を言い出せなかったという。
恋人に対する罪悪感から、呼び出しに応じなかったとき。「何で来なかったんだ」と翌朝とがめられると、反射的に「ごめんなさい」と謝っていた。「2人だけの秘密だぞ」。この言葉にも縛られた。
学校推薦での大学進学を目指しており、表沙汰になれば内申書に影響するのではないかという不安もあった。「(最初に)自分で宿直室まで行っているから『あんたも悪い』『誘ったんでしょ』と責められると思っていた。家族にも絶対に知られたくなかった」
性暴力の被害が続くうちに、頭がぼーっとし、吐き気が止まらなくなった。何度も授業中に保健室に運ばれたが、養護教諭には「具合が悪い」と言うのが精いっぱい。苦しみが澱(おり)のようにたまっていった。
教諭の要求はエスカレートし、「校舎内でもしような」などと言われるように。異変に気付いた寮の友人に諭され、「やめてください」と言えたのは、半年後のことだった。

ヨウコは今、30代になった。「『おまえも興味あるだろう』って、被害者意識を持たせないように上手にやられたと思う」と当時を振り返る。先生と生徒という関係の中で、正常な判断ができなかったのかもしれない。「泣きながら無理やりされたわけじゃないから、先生が100パーセント悪いと思えなかった」。結局、被害は公にならなかった。
「幼少時から教師の言うことを聞くように刷り込まれた子どもたちは簡単に拒絶できない」。そう指摘するのは、教師による子どもへの性被害に詳しい中京大法科大学院の柳本祐加子教授(子どもの権利論)。「力関係を背景に、成長段階で芽生える自然な性への関心を利用されるケースも目立つ」と話す。
男性教諭は勤務を続け、管理職に就いている。西日本新聞の取材に対しその行為を認め、「申し訳ない」と話した。

「性暴力の実相」第4部では、学校現場での被害の実態を追い、対策を考える。

教師による性暴力の影響
学校での性暴力に詳しい大妻女子大人間生活文化研究所の徳永恭子研究員によると、教師からの性被害は児童生徒の心身を深く傷つけるだけでなく、大人への不信感を植え付ける。学校に対する安全意識が崩れて不登校になる場合も多い。「子どもたちはよく理解できないまま自分を責め、混乱の中で被害が長期化する傾向にある」という。2011年に東京都の教職員277人に行った調査では、「教え子とメールや携帯で性的な話題をすることはセクハラ」と回答したのは7割にとどまった