避難生活が1週間を経過。支援物資は、配分作業の遅滞と言う課題は残るものの、量的には充実しつつあります。しかし、避難者の心身面での疲労感は蓄積されてきています。
次の段階は、人としてのプライドや尊厳の回復です。
・トイレの場所や数は限定され、水分を控えたり、便意があっても我慢したり、特にお年を召した方には辛い状態を強いていることでしょう。
・入浴やシャワーを使うことが出来ない状況は、自分の体臭が気になったり、感染症を恐れたり人としてのプライドを保てない状況に陥りやすい。
・空間的にプライバシーを確保できない状況は、時には、人としての尊厳を損なう場面もあります。
・いびきや歯ぎしりなど、普段の生活では、家族だけが気になるものですが、避難所では、全くの他人の方に影響を与えるため、気になってしまう。
・ある書き込みに「避難所では女性であることを忘れなければならない」とありましたが、薄化粧程度でも出来れば、少しでも女性としての尊厳の回復になるでしょう。
・コーヒーや紅茶、ココアなど嗜好品によって、ちょっと一息出来ますが、まずは水の確保であって、嗜好品は、贅沢な望みだとついつい考えてしまいがちです。
・子どもたちにとっては、そろそろ甘いものやスナックなどの菓子が欲しくなる頃ですが、子どもながらに遠慮している状況でしょう。

・避難所に簡易トイレを増設し、トイレに並んでいない状況で、ゆっくりトイレを済ますことが出来る環境。
・例えば、福祉施設には入浴設備が整っている場所もあるため、この様なときこそ、福祉施設設備の社会への還元を考慮する必要があるでしょう。
・段ボール壁の配付。段ボールの利点は、避難所が解消したとき焼却処分できる点です。
・セラピーマットの配付。固い板の間やコンクリート床では身体的休息は得られにくい。セラピーマットであれば、避難所が解消したときでも、活用できる可能性はあります。
・いびきや歯ぎしりを防止できる方法を考慮する。器具や薬など。
・保湿クリームや化粧品などの配付。
・理容、美容ボランティアの活躍。
・男性には、シェーバーなどのひげそりグッヅも、そろそろ必要になってくる頃です。
・爪切りや綿棒なども、必需品です。
・これから汗ばむ季節になってきますが、制汗剤なども重宝されます。
・男性も女性も、もちろん子どもたちも特に下着の替えが必要です。
・洗濯できる環境も確保することが必要で、更に干す環境も考慮することが求められます。(特に女性の下着など)
・コーヒーや紅茶、ココア等の嗜好品の配付。
・何と言っても温かい食べ物、つまり、炊き出しは、すごく感謝です。ただし、使い捨て容器の確保が必要です。
・ゴミ処理のシステム化

避難所の周辺の店舗は、店主さんたちの努力によって復旧が進んで来ていますので、品切れは別として、買い物する環境は整いつつあります。
しかし、みんながみんな、買い物に出かけられるわけではありません。避難者の方の中には、どうしても、支給品を待つしかない方も居られます。
未曾有の大災害で、危機的状況のため、「贅沢は望んではいけない」と自制しています。ライフスタイルが一変し、ストレスは溜まるばかりです。
ちょっと一息つける行為は、人としての余裕を保つためには、とても重要です。支援の第2段階のポイントとなるでしょう。

・学校や幼稚園の再開
・保育園の再開も重要です。ただ、送り迎えが困難な場合もあるので、避難所に保育機能があると母親のみなさんが、ちょっと一息出来ますね。
・ゲームや遊具など、子どもたちのストレス解消も考慮する必要性があるでしょう。
・お菓子の配付。
・避難所にTVやDVDデッキがあれば、映画などのDVDも、ちょっとした気分転換になります。

とにかく、避難生活で溜まってきているストレスを少しでも解消出来る取り組みも避難生活の長期化には欠かせません。
自宅の倒壊など、財産を失った方の精神的ダメージは計り知れません。そのダメージを少しでも軽減出来るのは、全国の支援者の支えです。
経済的ダメージへの支援も、今後の支援の方向性として求められていくことでしょう。
もちろん、仮設住宅用地の確保など、次の避難先の段取りを行政と企業が連携して進めていく作業も重要です。