熊本地震関連の余震がいまだに収まりません。地震後1週間程度は、恐怖感と緊張感で気持ちが張り詰めており、周囲に同じ境遇の人々がいるため弱さを見せないように頑張っています。
しかし、その張り詰めた糸もいつかは、緩むか切れるかの現象を引き起こします。次の段階は、不安感が押し寄せてきます。
「会社で仕事は出来るのか。給料は貰えるのか」「農作業に復帰できるのか。補助金はいつ貰えるのか。」「家の再建は出来るのか。」「経済的にいつまで持つのか。」「こどもがPTSDにならないか。」等々、不安材料はたくさんあります。
余震が来ると、「心臓の鼓動が早くなる」「胸のあたりが苦しくなる」「ドキッとする」「息苦しい」「めまいがする」などの症状が、被災地の殆どの人に表れます。これは、トラウマ(心的外傷)の初期症状ですが、場合によると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する危険性を秘めています。
避難所への保健婦さんの派遣など、エコノミー症候群対策の一環として行政も動いていますが、心の対策については、後手に回る傾向がこれまでの大震災では感じられました。
トラウマ治療は、心の整理が最も重要で、セラピストの貢献の場でもあります。先手を打って早め早めに避難所への常駐セラピストのボランティア派遣が望まれます。早めの行動は、トラウマの重傷化を防ぐ効果があり、PTSDの発症率を低下させることに繋がります。
常駐セラピストと表現したのは、避難所の持ち回りでは、避難されている方とセラピストとの信頼関係が構築しにくく、必要な瞬間にセラピストがいないなどのミスマッチが起こります。「そこに、話を聞いてくれる人がいる。」と言う安心感が重要なのです。

「仕事に復帰する」「物資配分や炊き出しなどのボランティア活動を積極的に担う」「短時間でも、避難所の子どもたちの遊び相手を担う」などなど、集中できる時間があると、少しは楽になります。体力を消耗すると、夜の寝付きが良くなります。
補助金や生活保護などの制度説明を行政の人から説明を受けると、先行きが見えて少しでも安心できます。保険会社の人は、被保険者の相談を親身に聞いてくれるだけでも十分貢献できます。
避難所に向けて、やれることやらなければならないことは、たくさんあります。そのチャンスがある方は、ぜひ、積極的に活躍されてください。

温泉やスーパー銭湯への送迎、買い物の送迎、病院への送迎と言う活動も、結構現実的な貢献になります。