30代になっても続く返済… 19万人が延滞する「奨学金」問題はなぜ起きたのか?

ウートピ 2015年1月4日

「返済のため風俗店でバイトをする女子学生が増加している」といったニュースが飛び出すほど社会問題化している奨学金。堀江貴文氏がTVで「こんなことまでして大学行かなきゃいいんですよ」とコメント、賛否両論呼んでいる(参照:「堀江貴文氏が借金して進学することを批判」)。
実際、筆者も450万円借りた奨学金を毎月3万円弱ずつ返済しているが、30代後半になっても完済はほど遠い。アラサー女性にとっても人ごとではないだろう。

奨学金の延滞が19万人
現在、奨学金問題と言われているのは主に「日本学生支援機構」(以下、機構)の奨学金のことだ。最もよく知られ、高校在学中から予約できることもあって、多くの人が大学、短大、専門学校等への進学にあたり利用している。
「奨学金」には返さなくて良い奨学金もある。しかし、今、問題となっているのは、この機構の“返還の義務のある貸与”だ。その上、無利子の奨学金の枠は限られており、多くの人が有利子で借りている。機構の発表によれば、一昨年末時点で奨学金を返済している人は約290万人、それに対して3か月以上延滞している人は約19万人となっている(参照:平成24年度奨学金の延滞者に関する属性調査結果)。

奨学金がなぜ社会問題となったか
なぜ機構の奨学金が近年社会問題化したのか。理由の一つは、若者の雇用情勢の悪化だ。皆が正社員として就職し、年功序列で賃金が上がっていった時代には、返済が比較的スムーズに行われたため問題とされなかったのだろう。しかし、低賃金での非正規労働の広がりや、正社員でも賃金上昇が望めない人も増えた中、返済が難しくなってきたわけだ。
さらに、学費の上昇による負担増に、家計収入の落ち込みが重なり、奨学金の利用が増加していることもある。機構の「学生生活調査」によれば、昼間部大学生の年間平均授業料は、平成16年から平成24年の8年で約6万円増の約87万円。それに対して、家庭が学生に対して負担できる給付額は減少、下宿等で親元を離れて暮らす学生の仕送りはこの間約30万円減少している。その分、増えているのが奨学金で、8年で約10万円アップの41万円が平均となっている。

執拗な取り立て、ブラックリスト登録
こうした社会情勢に加え、奨学金問題対策全国会議は機構の対応が追い打ちをかけている現状を指摘する。一つは、救済手段が不充分な点だ。機構は返還期限の猶予や減額返還制度、返還免除の制度を設けているが、利用条件が厳しく、運用上もさまざまな制限があることが指摘される。周知が不十分で利用できる人も利用していない現状もあるようだ。
さらに、同会議は回収強化策が時代に逆行すると糾弾する。執拗な取り立てに加え、いわゆるブラックリストへの登録も始まった。
また、奨学金を借りる際には保証人、連帯保証人が必要な点も問題とされる。自分が返還できなければ、保証人になってくれた親や親戚に請求がなされることを恐れて自己破産もできないというのだ。

そもそも奨学金はどうあるべきか?
返済の滞りがちな人の救済や高すぎる学費の引き下げ、返還の必要のない奨学金を増やすことも大事である。また、生活保護世帯や児童養護施設入所者など保証人を立てられず奨学金自体が借りられない若者の対策も必要だ。
しかし、そもそも奨学金を借りてまで進学する必要があるのか、というのも問題だ。確かに、大学を出たからといって良い就職先がある時代ではない。また専門学校も玉石混淆で、教育内容や就職指導が極めて不十分で、お金を払って進学する価値がないと思われる学校も残念ながらある。アラサーの今となっては「あの学校、借金してまで行く価値なかった……」といった体験をしている読者もいるだろう。
進学の必要性について議論する際の、大きな条件は就職だ。高卒就職の状況が良好で、良質な仕事が得られれば、就職希望者が増えるだろうし、高卒後の公的な職業訓練が増えるのも良いだろう。現在は数が少なく、学べるものも限られる公共の職業訓練大学・短期大学を、例えば、介護や保育のような人材不足の分野についても学べるようにするなど、幅と受け入れ人数を増やしてはどうだろうか。そろそろ高校卒業後の教育とお金について抜本的な議論もあって良いように思う。
(鈴木晶子)

子どもがもらった「お年玉」 親が「没収」して教育費につかっても問題ない?

弁護士ドットコム 2015年1月1日

お正月を迎え、親戚などからもらう「お年玉」を楽しみにしている子どもも多いだろう。だが、ネット上では「親から『預かっておく』といわれて没収された」という悔しい体験を書き込んでいる人もいる。
あるQ&Aサイトには、少年時代、親にお年玉を全額取り上げられていたという男性の怒りがつづられていた。運転免許を取得する際に、今までのお年玉を使いたいと相談したところ、親からは「教育費で消えてしまった」といわれ、返してもらえなかったという。
しかしお年玉は、最初に受け取った「子ども」の財産なのではないか。親が「没収」して、養育費などにあてるのは、問題ではないだろうか。浮田美穂弁護士に聞いた。

お年玉は「子どもの財産」
「『お年玉』は、子どもがもらったものですので、子どもの財産です。一方で、親は子の財産を管理する権限があります(民法824条)。ですから、親は子どものお年玉を預り、管理することができます」
「管理」には「勝手に使ってもよい」という意味も含まれるだろうか。
「いいえ。親が、子どものお年玉を自分の生活費や遊興費に使用することは、財産管理権の濫用、親権の濫用にあたります。この場合は、使用したお年玉を返してもらえます」
食費や教育費など、子どもを育てるための養育費として使った場合はどうだろう。
「ご家庭の経済状況や、どのような品目に支払ったのか、といったことで判断されるでしょうね。
そもそも、養育費は親が負担すべきもので、子どもが負担するものではありません。ですから、子どもの食費や習い事の費用をお年玉から出すのは、不適切です」
習い事がだめなら、進学費用もだめだろうか。
「なかには、貯めたお年玉を、大学進学費用の一部にあてるご家庭もあるでしょう。家庭の経済状況によっては、財産管理権の濫用とは言えないと思います。
また、子どもの預貯金の利息などの『収益』を養育費などに使った場合は、返す必要はありません(民法828条)。財産そのものには手を付けてはいないからです」
家庭の経済状況によっては、妥当といえるケースもありそうだ。ただ、やりすぎると子どもたちの猛反発をうけるので、節度をもった対応をしたほうがいいだろう。

職場の人間関係で最もストレスを感じるのは「人前で注意を受ける時」

@DIME 2015年1月4日

厚生労働省が行っている「労働者健康状況調査」によれば、「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合は、60%以上に上るという。実に働く人の約6割はストレスを感じながら仕事をしていると言えるようだ。そんな中、日本法規情報株式会社では、同社が運営するサイト『法律事務所検索サポート』『弁護士事務所検索サポート』『法律問題・法律手続き・法律相談サポート』『司法書士事務所検索サポート』『行政書士事務所検索サポート』『人事・労務・社会保険相談サポート』の運用情報やユーザーへのアンケートを元に、「職場のストレスの実態」について意識調査を行なった。

職場でストレスとなっている原因の第1位は「人間関係」
職場でストレスを感じる原因についてアンケート調査の結果、最も多かったのが「人間関係」で43%という結果となった。次いで仕事が面白くない、望んだ仕事をさせてもらえない等の「仕事の内容」と回答した人が32%、「仕事の量が多い」と回答した人が21%、「仕事の量が少ない」と回答した人が4%という結果となった。

職場の人間関係で最もストレスを感じるのは「人前で注意を受ける事」
「職場の人間関係におけるストレス原因」についてのアンケート調査の結果、最も多くの人がストレスを感じると回答した行為は「人前で、注意を受けること」で28%。次いで、「噂話、悪口等を言われること」と回答した人が26%、「飲み会等を強制されること」と回答した人が22%、「自分の存在を軽く思われること」と回答した人が9%、「グループの人と意見が合わない」と回答した人が6%、「自分の意見を聞いてもらえない」と回答した人が5%、「嫌みを言われること」と回答した人が4%という結果となった。
嫌味や悪口、人前での注意は昨今問題となっている「モラル・ハラスメント」「パワー・ハラスメント」「セクハラ・ハラスメント」という名のいじめにつながることもある。以前、同社が行ったアンケートでも、実に6割以上の人が「職場でのいじめ」を経験している結果が明らかとなった。職場でいじめを受けたことがあるかについてのアンケート調査の結果では、56%の人が「いじめを受けたことがある」と回答し、「いじめを受けたことはない」と回答した人が44%という深刻な結果が明らかとなっている(有効回答数:778名 調査期間:2014-01-31~2014-02-05)。
職場でのストレス、特に職場で受けるいじめは、結果的に休職、退社に追い込まれるケースも少なくない。現実的には、いじめの被害者側から企業側に改善を求めても、これを受けて労働環境を改善しようと努力する企業が少ないのが実情だ。いじめの原因が「職場の上司」である場合は、立場を利用した行為は、モラル・ハラスメントに当たる可能性も多々ある。
自分を「いじめの被害者である」と思った際は、弁護士等の法律家に介入してもらい、相手や雇用主との交渉を行ってもらうなど法的措置で解決出来るケースがある。一人で問題を抱え込んでいても解決されるケースは少ない。まずは最寄りの法律家に相談してみるのも一策だ。
・アンケート期間:2014-12-01~2014-12-20
・有効回答数:1023名(男性:612名 女性:411名)