「明日ママ」次々スポンサーCM見送り 3話以降キユーピー、JXホールディングス、日清食品、スバルも

J-CASTニュース 2014年1月24日

 児童養護施設関係者への人権侵害があるとして関係団体から抗議を受け、賛否両論を呼んでいる日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」をめぐり、番組スポンサー各社が続々とCM放送の見送りを決定している。
2014年1月22日の第2話でCMを見合わせたのは8社中3社だったが、3話目以降、少なくとも4社のCMが流れないことが分かった。
 「21世紀で一番泣けるドラマ」のはずが…
「明日、ママがいない」(以下、「明日ママ」)は、親と離れて児童養護施設で暮らす子供たちの目線を通して「愛すること」「愛されること」を問いかける「21世紀で一番泣けるドラマ」として、1月15日にスタートした。だが、ドラマ内では赤ちゃんポストに預けられた少女が「ポスト」とのあだ名で呼ばれたり、施設長の男性が子供たちを「ペットショップの犬」に例えたりと、ショッキングな描写も目立つ。
 第1話放送後、「こうのとりのゆりかご」を運営する熊本県の慈恵病院や、全国児童養護施設協会などの関係団体は施設関係者への人権侵害があるとして抗議を表明した。それに対し日テレが放送継続を発表すると、22日には慈恵病院が放送倫理・番組向上機構(BPO)に内容の審理を申し立てた。
フィクションにおける表現の自由はどこまで許されるのか。放送の継続・中止をめぐる議論が盛り上がる中、22日に放送された第2話で異変が起きた。ドラマのスポンサー8社のうち3社がCM放送を見合わせ、本来あるはずの放送終了時の提供社名表示にいたっては1社もなかったのだ。CM放送を見合わせたのは、「キユーピー」「JXホールディングス(エネオス)」「エバラ食品」で、エバラ食品のCMは、ACジャパンに差し替えられていた。
 「花王」「エバラ食品」「三菱地所」「小林製薬」はいずれも「検討中」
第3話以降はどうなるのか。「キユーピー」はいち早く番組スポンサーの降板を決めた。さらにJ-CASTニュースが他のスポンサー7社に聞いたところ、JXホールディングス、日清食品、スバル(富士重工業)の3社が3話目以降のCM放送を取りやめることが新たに分かった。日清食品とスバルの見送り期間は未定だが、JXホールディングスは提供自体も取りやめの方向で進めているという。
また「花王」「エバラ食品」「三菱地所」「小林製薬」の4社はいずれも「検討中」だといい、すでに確定した4社に加え、29日の放送時にはそれ以上増える可能性もありそうだ。なお、いずれの企業も視聴者や消費者の意見などを考慮したと話し、キユーピーとエバラ食品は、視聴者からメールや電話が数十件届いたという。

「『明日ママ』は放送中止すべき?」ノースポンサードの『5時に夢中!』視聴者投票で議論紛糾!

日刊サイゾー 2014年1月24日

 スポンサー企業8社のうち、3社がCMを自粛するという非常事態に追い込まれている芦田愛菜主演ドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)。23日放送の情報番組『5時に夢中!』(TOKYO MX)では、生放送中に「『明日、ママがいない』は放送中止すべき?」という視聴者投票を行った。
 結果は、「放送中止すべき」が4,458ポイント、「放送継続すべき」が6,925ポイント。視聴者からは、「過激とか、過激じゃないとかは人それぞれ。最近はそういったことに気を取られ過ぎて、ロクに面白くもないドラマばかりだった。放送中止になってしまうのは悔しい」「たとえフィクションとはいえ、今、日本に一つしかない施設を、悪い意味で取り上げる必要はなかったと思う。“ポスト”(主人公のあだ名)のことがなければ、フィクションとして考えさせられるいい作品になったのでは?」「現在、養護施設で働いています。できたらもっとフィクションっぽくするか、現実に近いものにするかにしてほしい」「はっと気づかされる点もあり、子どもたちも愛らしく、不幸な子どもを作ってはいけないと感じた。ただ、実在する団体を思わせる作り方は、傷つく人も存在する。十分に配慮していただきたい」といった声が寄せられた。
 レギュラー出演者の新潮社・出版部部長の中瀬ゆかりは、この騒動について「こんなんで放送中止になるなんて、とんでもない」と憤り、「そもそもこんなのおかしな話で、フィクションとか、小説でもそうですけども、ある現実がベースになっても、それをデフォルメしたりするのは一つの常套手段としてあるわけですよ。だってこれ、ドラマでしょ? フィクションなわけじゃないですか。それに誰かが傷つくとか文句をつけること自体、表現の自由をすごく侵害してる。例えば『オリバー・ツイスト』(孤児が主人公の有名小説)とか読んで、『これは孤児に対してひどいこと書いてる』って言うのかって。そういう残酷な面も含めての物語なんですから」とコメント。
 また、作家の岩井志麻子も、「こんないいドラマがなくなるのは惜しい」「100人が100人賛同する番組は作れない」とし、「まず単純に“面白い”っていうのがあるじゃないですか。これは“面白がり”だけじゃなくて、興味をかき立てられ、考えさせられ、『ああ、このような世界があるんだ』と知らされ、いろんなことを思わせてもらえるドラマ」と評価。さらに『5時に夢中!』(木曜)がノースポンサードであることを挙げ、「愛菜ちゃん、ここにも(スポンサーは)ないんだよ!」と笑顔でエールを送った。
 同番組以外でも、24日放送のラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)では、岡村隆史が「(テレビ番組では)なんにもできへんようになる。また(視聴者が)ちょっと気に食わないと、また(番組が)中止になって、ニュースになって。そんなのばっかり」「テレビは終わった」などと発言。また、“はるかぜちゃん”ことタレントの春名風花も、Twitterで「完全にドラマの解釈を間違えている『観る力不足』による誤解です」と厳しく反論し、話題となった。
 しかし、著名人たちが次々と擁護発言をする一方で、世論は依然として真っ二つ。22日には、赤ちゃんポストを設置している慈恵病院が、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審議を求める申立書を送付。BPOはどんな判断を下すのだろうか?

日テレ「明日、ママがいない」 新たに2社CM見合わせ

スポニチ 2014年1月24日

 児童養護施設を舞台にした日本テレビ系の連続ドラマ「明日、ママがいない」で、新たに番組スポンサー2社がCM放送を見合わせることが24日、分かった。CM見合わせは計5社となった。
 29日放送の第3話から新たにCMを見合わせるのは日清食品と富士重工業。両社とも「お客様の反応を考慮した」としている。
 22日放送の第2話では、エバラ食品工業とJX日鉱日石エネルギー、キユーピーが、CM放送を見合わせていた。
 ドラマをめぐっては、「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置する慈恵病院(熊本市)や全国児童養護施設協議会が「誤解や偏見を与えかねない」として放送中止や内容改善を求めている。